カナリヤです。日常報告シリーズゲーム編。前回はこちら。
前回記事から空いた期間は主にこれとか再プレイやってました。
夏も本番ということで暑い日が続きますね。東北の片田舎で暮らす僕からすれば気温35℃以上なんて正気の沙汰とは思えないんですが、最近普通に記録するようになりましたね。30℃以上の気温は白河の関でせき止められるはずって行きつけの美容師さんが言ってたんですけどね。仙台育英が優勝してから吹き飛んだんでしょうか。
新宿葬命
歌舞伎町に隣接するスラム「新宿九龍」が舞台。命の価値が著しく薄いこの街においてその価値を問いかけていくというお話。一見ハードボイルドなバディものかと思いきや存外ハートフルな作品でした。何気に片岡とも作品久しぶり。スカーレット以来でしょうか…?
本作は公開されているスチルやイメージから想起するような派手なアクションなどは特になく割と淡々と物語が進んでいく印象。軸となる登場人物たちの関係性も序盤からあっさりした描写に終始しているからかどういう話になっていくのか読めなかったというのも微妙なところ。作中では有象無象の命が簡単に失われていく中で登場人物たちはかけがえのない誰かを想っています。登場人物たちへの愛着が増すにつれ徐々に身体が慣れてきたのかジワジワと面白くなってきたかも?と感じてきたタイミングで終盤を迎えてしまうのが実にもったいなかったですね。
彼らをもっと好きになる時間が、彼らの関係性に心地よさを覚える時間がもっとあったのなら、彼女の決断をより愛おしく思えたんでしょうけど、できればこの倍は欲しかったです。
It was a human.
とあるホテルで起きたバラバラ殺人事件の容疑者を尋問するSFサイケデリックADV。シンボルとメタファーで彩られた内省的で自罰的な世界。けれどそこにあったのは直情的なまでの人間賛歌。人間ではなかったものが人間になろうとする物語。自分で自分を許せない、とても優しいお話でした。
容疑者を尋問する、というゲーム内容が紹介されていますが、序盤からその前提は綻びを見せ始め、徐々に彼女自身や主人公自身へと、そして世界そのものへフォーカスしていきます。
この作品世界はあまりにも脆弱で不確実。それを表現するかのように背景やキャラの一部がAIによって作成されているのも本作の大きな特徴でしょう。個人的にいわゆるAI絵を見つけてしまうとなんとも言えない感情を抱いてしまうのですが、言ってしまえばその歪で露悪的な部分が本作における世界の非現実性を表現するのに一役買っていたと思います。
作品内における所謂雑魚である僕は最後の最後、たどり着いた選択肢で「お嫁さん」と「恋人」を選びました。色々なものから目を背けてなによりもハッピーエンドが、都合の良い幕引きが見たかったからです。そういうのが僕はとても得意なんです。でもその甘い夢を誇り高い彼女は決して許してくれませんでした。その気高さ、その定義は最後の最後まで彼女をより魅力的に、鮮やかに映してくれました。
選択肢をフルコンプしても2時間程度のお話でしたが、それを感じさせない非常に濃密な時間、そして心に温かな灯を見せてくれました。この決して優しくはない世界で、気高く、誇り高くあろうと、優しくあろうとしてくれる彼女。勝手に共感して、身勝手に自己賛歌する僕をどうか許してほしい。願わくば貴方のボウケンが、そして僕のボウケンが最高に楽しい物でありますように。
鉛の棍棒
約38時間。
あの子が自宅から連れ去られ、山奥にある廃病院の真っ暗な地下室で性的に嬲られ続け、底知れぬ痛みに狂い死んだあともなお弄ばれ、豚のように生皮を剥がされ指先が焼けただれた状態で海に浮かんでいる姿を発見されるまでの約38時間――
お前は一体何をしていた?
(公式サイトより)
悪名高い(褒め言葉)羊おじさん倶楽部の最新作。殺人鬼に殺された少女の復讐のため殺し屋となった男の哀れで空虚な物語。「復讐は無意味」という使い古された言葉の意味を別角度から鮮やかに、かつ残酷に表現しきった読んだ者が悉く思いっきりぶん殴られる、羊おじさん倶楽部らしい作品。毎回の話ですが上記の強烈なキャッチコピーにはやられましたね。
登場人物たちの個性あふれる人生観、作中での凄惨な所業が当たり前のように巻き起こる日常という名の矛盾。プレイ中は趣味の悪いマイフェアレディを観ているかのようなそんな穏やか?な感覚も覚えてしまいましたが、そこは羊おじさん倶楽部、容赦はありません。あくまで常識の範疇にある男がその価値観を揺るがせながら己の身も心も削り少女の復讐を望むその有り様。美しさすら覚えるその愚直で当たり前と認識していたような揺るぎない前提がいとも容易くぶっ壊されるラストシーンは必見です。あんなにも膝を折る、折るほかないシチュエーションはなかなかないのではないでしょうか。インパクトだけでいえば様々な作品のなかでもトップクラスだったように思います。
過去作で言うと「ムートン・ノワール」で言う所の「何の意味もない死」をより濃密により具体的により読者自身に落とし込めるように描いたような。相も変わらず羊おじさん倶楽部からしか摂取できない栄養分、今回もまたしっかり味わってしまった。愛だの好きだの語らってる甘々な作品でお茶を濁さないと…。
サガ フロンティア2 リマスター
僕の大大大好きなサガフロ2念願のリマスター。大好きと言いながら今回の初セールで買ったのはご愛嬌。いざ始めたら30時間やってました。裏ボス撃破までやってしまったよ。
原作は終盤までLP消費ごり押しで行ける程度の難易度だけど最後の最後にLPブレイクでぬるま湯ユーザーを窮地に追いやり、リマスターでは上記を対策したとてヴォーテクス、星の残滓という新たな搦め手を用意する周到さ。システムは何一ついじってないにも関わらずフル活用で難易度爆上げしてきたの素晴らしい。雰囲気最高ゲーだけどしっかり戦術立てないとボコボコにされるの、最高にサガって感じで好き。
そして何といっても追加シナリオ。せいぜい数本程度かと思いきやそんなことはなかった。ガッツリとダンジョン攻略みたいなボリューミーなものはないですが、名前はあったものの固有グラのないキャラを掘り下げたものだったり、出番の少ないキャラに焦点を当てたファンには嬉しいものばかり。主にエーデルリッター周りが多かったんですが、上手く原作キャラと関連付けていた印象。彼らがああなってしまったその背景を知るのはお話に深みが増すってものです。ボルスボルス。
あとはギュス様編も中盤以降はだいぶ追加されてて驚きました。ギュス様編って話が飛び飛びでよく分からないまま話が次に進んだりするのでリマスターの描写の空白を埋めてくれるシナリオ追加は本当に嬉しかった。個人的には“ケルヴィンとマリーの婚礼”が好き。クリア後の追加シナリオは…賛否両論ありそうですけど、このお話が彼で終わるのはサガフロ2にとって相応しい終わり方なんじゃないかと。
トロコンまではやってませんが、さすがに疲れました。こんなに集中したのはホントに久しぶりでした。あの当時の感情とそれが再燃しての狂ったようなこの時間。連休をまるまる使うことになりましたが良い時間だったと思います。多分しばらく経ったらまた触りたくなると思うのでその時にでも。
最近は好きな作品の再プレイは結構やってるんですが新作や積みゲもなかなか崩せないまま時間だけが過ぎていく気がします。これは夏の暑さだけではないですね。数ヶ月で数本しかまともに消化できていないわけですから。けれどこうして意を決してプレイしてみれば新たな発見や瑞々しい感情を抱けるわけで。1日のうち少しでも触れる時間を確保していくと、なんだかんだ幸福な瞬間というのは増えていくんでしょうね…