2025年12月14日 シティーハンター~原作とアニメの違い~第11話 レオタード美女は チューリップがお好き 原作話:空とぶオシリ!「でも、心の中には見えたはずさ。黒いチューリップが・・・」(アニメ)続きを読む
2025年06月08日 香港映画「インファナル・アフェア」感想 中国人の知人におすすめされた映画「インファナル・アフェア」を見終わった。2002年とやや古い映画ではあるが、そのクオリティはお墨付きであり、当時のハリウッド映画レベルのクオリティにも達する名作映画だったように思う。まず画づくりが素晴らしく、カメラの撮り方、役者の演技、カット割りの演出それら全てが一級品で、見ていて常に引き込まれる。特に音の使い方が上手く、物語が派手に動き出すシーンではスタイリッシュな音楽が流れ出し、緊迫したシーンでは意図的に音を消して緊張感を煽ったりなど、ほとんど音楽といえるものがなかった70年代の香港映画を先に見ると、そのテクニックの向上ぶりにはただ驚かされる。さらに空気が緊迫すると、止まった音楽の中で役者が絶妙な演技によってそれを後押ししてくれるため、まさに見ている側まで息を呑む。物語のクオリティも高い。主人公は警察の中からマフィアに潜入したスパイと、逆にマフィアの中から警察に送り込まれたスパイの二人なのだが、物語の途中から二人の立場が揺るがされたことで心境に変化が出ていくのが面白く、見ていて引き込まれる。伏線の張り方も素晴らしい。序盤に出てきたほんの些細なやり取りが、まさか終盤重要なカギを握ることになるとは誰も思っていなかったに違いない。これを見た時、私はまさに「やられた!」と舌を巻くことになった。物語の中盤くらいまでは話はわりと普通に進んでいくのだが、話の途中で死者が出てからは話は完全にノンストップのサスペンス展開が続くようになり、一瞬も見逃せない。物語は次々と動き続け、どこが終着点になるのか分からない。そして最後に待ち受けるのは凄惨な結末だが、しかしこれは単なる露悪的な「悪が勝つ」とか「全滅エンド」といったたぐいのものではない。「過去を捨てて生きるというのは、そんなに単純なことではない」というテーマならびに、「真なる地獄とは永遠、生き続けること」という冒頭に出てきた仏教の概念に合致した、まさに当記事のポスターに書かれている通り「悲しくも壮絶な結末」なので、ぜひともwikipediaなどでネタバレを見ず、いきなり視聴して欲しい。一方で終盤、主人公の片方が大々的な行動に出るまでの「心境の変化」がはっきりと示されておらず、衝撃は与えるものの心境の変化の理由が分かりづらいのは難点で、その後のもう片方を追い詰める行動と併せ、何を狙いにしているのかが初見では分かりにくい側面がある。しかしそれも、「語らずして語る」という深みある表現の一環だと思うと、一気に魅力を増す。実際にそのシーンでは回想シーンが入るため、意図的な演出なのだ。繰り返し見ることでさらに魅力が深まる、一度だけでなく繰り返しの視聴にも向く、魅力ある作品だと思う。その完成度の高さは、この映画がかの「マーティン・スコセッシ」がリメイク版を製作し、日本でも西島秀俊主演でリメイクされるなど、繰り返しこの作品が引用されていることからも分かる通りだ。間違いなく映画史に一ページを刻む作品だと思う。みなさんもぜひ一見を勧めたい。