先日、会社の先輩と一緒にラーメン屋に行った時のこと。
そのラーメン屋は昨年出来た新しいお店で、いわゆる二郎系のラーメン屋さん。
そのお店が2月から毎日夜も営業することになったというので行ってみようと。
二郎系のラーメンはお互いに好きで、過去には二人で東京の二郎本店やほかの直系店にも行ったことがある。
久しぶりの二郎系でとても楽しみにしていた。
先輩と一緒にネットの情報を集め、行ったことのある知人から話を聞き、トッピングの量や仕組みを学んだ。
二郎系はお店によってシステムや量に大きく差があるからだ。
これは、どうせなら美味しくたくさん食べたいという思いからである。
美味しく食べきれる量を注文しなければ、『お残し』というあってはならないことになってしまう。
ましてや大盛りや『マシマシ』などを注文して残した場合は問答無用で八つ裂きにされてもおかしくはない。
最大限の準備をしてお店へ向かった。
多分これくらいだろうなら食べれるだろうという量を注文して、待つこと十数分。
結構待つんだ。
他の人のラーメンはもう来てるのに。
嫌な予感がする。
そして当然ながらこの嫌な予感は的中した。

思ってた5倍の量のラーメンが届いてしまった。
僕は自分の注文ではないと思って一回拒否しそうになった。
おそらく、最後に先輩に言われて追加した『限界マシ』なる食券を買ってしまったことが原因である。
僕はコール時に、「『限界マシ』はどれになさいますか?」と言われた。
言っている意味が分からなかった。
僕と先輩が調べたところでは、『マシ』以上のコールをしたい場合はこの食券を買うという認識だった。
なので野菜はマシマシと伝えていたので、「野菜で」と言ったのだ。
これが間違いだったのだ。
どうやら『限界マシ』はマシマシ以上の圧倒的な量にするためのコールだったそうだ。(券売機にはちゃんとそのようなことが書かれていた)

絶望しながら、絶対に食べきれない戦いが幕を開けた。
そもそもどこから食べていいのか分からない。
野菜を取ろうにも崩れそうで上手くいかない。
ボロボロと下にこぼしながら食べていると店員さんが取り皿を貸してくれた。
そこに移しながら食べ進めていく。
プレッシャーと緊張感と押し寄せる後悔で味が分からないがきっと美味しかったと思う。
野菜を半分と豚を半分食べたあたりでようやく麺を掘り出すことが出来た。
極太のワシワシ麺。
美味しかった・・・と思う。(記憶なし)
この時点の腹具合は10分目。
つまりは満タンだ。
こっからが本当の闘いである。
僕は感情をオフにしてひたすら麺をすすり始めた。
「なんとか麺だけでも・・・」
この時の心境はもはやこんなものだった。
店内のいたるところに『お残し厳禁』の張り紙。
食べ物を残しちゃダメなんてのは1年は組のひよっこ忍者でも知っている。
丼が目の前に到着した瞬間から、周りからは好奇の目にさらされている。
それらのプレッシャーの中なんとか戦うこと20分。
麺はなんとか完食し、豚を一切れと野菜を茶碗2杯分程を残して戦いは終了を告げた。
うつろな目でもそもそと箸を動かす僕と先輩を見かねた店員さんが「全然残しちゃっていいですから」と言ってくれたのだ。
僕らは心の底からの謝罪をした。
ここ5年間で1番気持ちを込めた謝罪だった。
店員さんはこうも言ってくれた。
「システムがここ数日で変えちゃったので限界マシはすごい量になったんです」
優しさに泣きそうになった。
どう考えても券売機に書いてあることをちゃんと見なかった僕らが悪いのに。
僕と先輩はこの日、久しぶりに大きな敗北感と羞恥心と屈辱感を味わうことになった。
ホントに全くもって言い訳のしようがない程自分が悪いという状況。
誰のせいにもできない、自分だけが悪いという状況。
その申し訳なさと恥ずかしさ。
そんな圧倒的な敗北感を僕は久しぶりに味わうことになった。
職場では中堅となり、自分が先頭に立つような場面を増えてきた。
慕ってくれる後輩や信用してくれる同業さんも増えてきた。
勘違いするなよ!!!
自分で大盛りにしたラーメン一つ完食できないやつが何を調子に乗ってるのか。
周りの人が色々温かいことを言ってくれたり、評価されたりしたことで僕はいつしか謙虚さを忘れていたのかもしれない。
謙虚になれよ!!!!
マネーの虎で怒鳴った小林敬さんの名言を今こそ思い出す。
こういったことを言ってくれる人がどれほど貴重な存在か。
ラーメン屋からの帰り道、僕と先輩は日頃の驕った自分を恥じながら今後は謙虚に生きようと心に決めた。
腹16分目の非常に苦しい状況での誓い。
忘れないようにしよう。
ちなみに後日また来店し、しっかりと自分で食べられる量を注文して完食することが出来た。
大変美味しかったこともあわせて報告しておく。

皆様も二郎系に行くときはくれぐれもお気を付けください。
僕は今後謙虚に生きます。
