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What Remains of Edith Finch フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(2017)感想・評価

 奇妙~な屋敷を探索しつつ過去を振り返っていく3Dアドベンチャー

 

 

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評価:9 /10

プレイ時間:3時間

 

 鬱蒼とした森の中にある、なんかすんごい外見の大きな屋敷。久しぶりに帰ってきたらしい主人公を操作し、屋敷とそこに住む一族の奇妙な運命を辿っていく。

 

 Annapurna Interactiveの初期のエピックなタイトルらしい。Annapurnaの初期のスタッフには元ソニーの社員がいて、本作は彼らがAnnapurna設立前から(=ソニー在籍時から)関わっていたタイトルだったらしい。開発会社のGiant Sparrowはもともとソニーと提携していて、ソニーから本作を出す予定だったが、ソニーがインディーなタイトルへのサポートを弱めたためにAnnapurnaから出すことになったようだ。

 

 基本的にはウォーキングシミュレーターのようにして進めていく。マップを移動していくと主人公の内心の独白、あるいは小説における地の文のようなものが音声で語られ、同時にその字幕も表示される。かつてプレイした『Dear Esther』を思い浮かべてもらえると分かりやすいが、本作ではその表現がよりきめ細かく芸術的になっている。テキストは大きな段落ごとではなく基本一文ずつと短くなっていて、プレイングを妨げないレベルで咀嚼しやすくなっている(友達とおしゃべりしながら散歩しているような感じ)。字幕はその表示方法が多様で、プレイヤーを誘導するように動いたり、時にはプレイヤーの操作に反応することもある。

 

 屋敷は度重なる自由な増改築によって本当に奇妙な構造になっている。大家族の一人ひとりに個室があてがわれていて、主人公はそれぞれの部屋を巡って家族一人ひとりの過去を振り返っていく。

 

 屋敷は独特な雰囲気があり、ヘンテコな造りもあって単純に探索がおもしろい。誰が使うんだよと思うような通路(?)がたくさんある。そして目玉はそれぞれの部屋で語られる、各家族のエピソードとその語り口だ。

 それぞれのエピソードはある程度独立していて、だから本作の構成は短編集的とも言える。すばらしいのはエピソードごとに物語の見せ方がまったく変わる点。ゲームとしてのプレイスタイル、操作方法のレベルから変化があり、毎回新鮮な驚きがあった。最初の女の子(モリー)のエピソードの時点で自分は度肝を抜かされました。

 

 エピソードには前述したモリ―のシュール/ホラーなものもあれば、サム(親子でハンティング)とかグレゴリー(お風呂遊び)のような素直にエモいものもあり、どんな人でもいくつかは刺さるものがあるのではないでしょうか。自分は悲劇的なことを喜劇的に描くみたいなギャップのある演出がツボで、それこそグレゴリーのエピソードは刺さりました。ルイス(缶詰工場)のもメルヘンな空想とシビアな現実が自然に同居していて、不思議な味わいでよかった。

 

 映像・マップの美麗さもあって、夜の海辺などのロケーションでは『Dear Esther』を思い出したり。いかようにも解釈できてしまうようなストーリーのシュールさ、掴めなさも少し似通っていて、なんというか連続性を感じさせる出来。ということは逆説的にDear Estherが当時示した方向性は正しかったというか、3Dアドベンチャーにおける正解のひとつだったんだろうな、とか。

 

 一族最後の生き残りである主人公のエピソードの終わりに登場する赤紫色の洞窟は産道のメタファーで……。無数の死を経て、ラストに誕生のエピソードを配置することでゲーム全体に奇妙なまとまりが生じている(個人的に『アリスとテレスのまぼろし工場』を思い出しました)。フィンチの一族に対して個人的な思い入れとかは正直そんなに無いのだけど、それでもほのかな希望や美しさを感じました。構成の妙だと思います。

 

 個々のエピソードを含め、ストーリーは全体的に捉えどころがなく(マジックリアリズム的?)、作品に明快さを求める人などには向かないかもしれません。しかし見る角度によって味わいの変わる在り様はスタイルとしてあると思うし、なによりやっぱ物語の見せ方・テリングにワンダーがある。ゲームってこんな表現ができるんだ!という驚きがあって、それだけでも充分に傑作と呼べると思います。

 ウォーキングシミュレーター的なスタイルとしては行けるところまで行ったみたいな印象も個人的にあります。このジャンルに詳しいわけではないですが。なんだかんだ万人におすすめできる一作な気がします。おすすめ。




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