放棄された宇宙ステーションでいったい何が起こったのかを突き止めるメトロイドヴァニア。
評価:8 /10
プレイ時間:24時間
通常クリアまでは12時間くらい。その後、最後の隠しボス挑戦前になんか強くてニューゲームに戻されて、まあまあ満足してたのもあってそこでプレイ終了。
通常クリア後は詰まったらけっこう気軽に攻略を見てたのでプレイ時間はそんなにあてにならないかも。
メトロイドヴァニア。このスタイルの時点で一定のおもしろさは保証されてるなあと思う。
言語は英語にしか対応していないが、文章はけっこう平易なので死ぬほど困るということはない。そもそもストーリーが魅力の中心というわけでもない(と自分は思う)。私はいつものごとくスマホでGoogleレンズを併用しながらプレイしました。
シチュエーションが似通っているのでストーリーの流れもメトロイドと似通っている。宇宙ステーションを舞台にホラー~スリラーを描こうとするとだいたいこうなるのかもしれない。
全体にミニマルなデザイン。特にドット絵のグラフィックはこれ以上ないほどに洗練というか、省略&抽象化されている。これ以上粗くするとそれがなにか判別できなくなる、というギリギリのラインを攻めていて個人的には新鮮だった。主人公なんて8x8マスくらいしか視覚情報ないし。文字のフォントも情報量の最低限度を攻めているため、「H」「M」「W」の判別でちょっと苦労したり(それぞれ1ドットしか違いがない)。
省略でもあるし抽象化でもあるので、ショボく感じられるかもしれないが、それと同じくらいに想像力を喚起する。なんにせよ味のあるグラフィック。
操作性もシンプルで、水平方向に関しては加速の概念がない分2Dマリオよりもシンプルと言えるかもしれない。
メトロイドと同じく進行によって装備が増えていき、取れるアクションも増えていく。個人的におもしろかったのがフックショットで、ブランコとかターザン(あーああー)(伝わるか…?)と同じように落下時の加速度を活かして移動ができる。ショットが届くギリギリまで落下の加速度を稼ぐ、というタイミングを測る楽しさがある。慣れるまで少しかかるけどおもしろかった。
ボス戦も、基本はいくつかのパターンをランダムに繰り返すだけのシンプルなものなのだけど、全体に適度な難しさが維持されていてよかった。何度も挑戦していると次第にパターンに対処できるようになってくる。自分の腕前の向上が実感できる難易度。
個人的にはRestless Spiritというボスがすごいと思った。行動パターンは4つのみですぐに全貌が掴めるのにすごく難しいという。
基本部分のシンプルさを除くと、本作の特徴は膨大なポストゲーム(=クリア後)要素ということになるだろう。初見プレイ時の一般的なエンドまでの内容と同等かそれ以上のボリュームの体験がクリア後にも残されている。
本作にはエンディングが複数あって、もっとも一般的なエンドを迎えるといくつかの要素がアンロックされ、他のエンドへとたどり着けるようになる。ポイントはそのもっとも一般的なエンドが明らかにバッドエンドなことで、ここまでプレイしてきて後味悪く終わるのはいやだと、プレイヤーは自然にクリア後もステーションの探索を続けることになる。
新しくオープンされるマップは広さはそこまででもないのだが、代わりに難易度が高く、総合的な濃密さで言ったら本編とあまり変わらない。
なにより大きいのが謎言語解読も含めた謎解き要素。謎の答えは通常マップに巧妙に隠されており、プレイヤーは目を皿にしてもう一度ステーションを探索することになる。自分は詰まったら躊躇せず攻略を見たので24時間程度でプレイを終えられたが、完全に自力で完全クリアを目指したらもっともっと時間がかかったはずだ。
ゲーマー向けに例えるなら、メトロイドヴァニアのスタイルで『Tunic』をやったような作品なのだ(時系列を考えるなら『LA-MULANA』を引き合いに出した方がいいと思うが、自分が未プレイなのでとりあえず)。「Tunicみたい」という説明自体がネタバレな感もあるのだが、端的に伝わるし、沼の存在は予め知っておきたいという人もいるだろうからもう書いちゃう。
謎解きの難易度も戦闘の難易度もTunicばりに高いのでかなり人を選ぶと思うが、完成度の高いスタイル(メトロイド、ゼルダ、ダクソ)と謎解きを組み合わせたプレイ体験は最高だ。
難点を挙げるとするならクリア後部分のストーリーがよくわからないことで、本編部分と繋がりがあるのかどうかも自分にはよくわからなかった。あの時計の針の仕組みとか、幽霊を誘導したのとかもストーリー的な意味が分かっていない。ここらへんが解消されれば、あるいはなんらかの解釈が掴めればもっと評価したかも。
ストレスを感じてしまうほどに難しい部分もあるので少し覚悟が要るかもしれないが、メトロイドヴァニアというかメトロイドが好きなら触って損はしないでしょう。名作。
これはメモですが、本作のレビューを漁っていてハックロムという概念?文化?を知りました。メトロイドシリーズとかいろいろ作られているらしい。そのうち触ってみたい気持ちあり。