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月報(2025年2~5月)

 

 

 いつぶりだ。4ヶ月ぶりか。いや、メルストがすごいボリュームで、もろもろでまる2ヶ月くらい費やしたのかな。その後は文フリもあって、文フリを終えてからは個人的なサービス期間としてやりたいことをやっている。ゲームもやってるしブログも書いている。

 

 この期間に聴いていた音楽をまとめていく。Noumenal Loomの音楽はもちろん聴いていたけどそちらは文フリで出した本にまとめているのでそちらで。ゲーム優先してたからそんなに音楽聴いてないかもね。

 

 

 

 

 

高田渡『ごあいさつ』 1971

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 初聴というわけではないけどサブスクで見つけたので。一度流すとそのままつらつらと最後までいってしまう気安さがある。

 ストーリー特化の「年輪・歯車」「夕焼け」が超強い。特化というか、他人の詩に自作の曲をつけた形なのだが。しみじみ。

 

 

 

 

 

Vinicius Cantuaria『Tucuma』 1998

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 O Têrçoというブラジルのプログレバンドからキャリアを始めた人なのかな(バンドのデビュー作が70年発だからプログレとしてはかなり早い。ブラジルのプログ史だと重要な存在らしい)。ドラムやギターをやっていて、そのうちにGal CostaやCaetano Velosoの作品にも参加。82年からソロ作を出し始める。

 前回取り上げたArto Lindsayといろいろ関係のある人で、今作のプロデュースも任せている。音楽性も繋がっていてかなりクールな味。部屋で流すと体感温度が1℃くらい下がる。まだ微妙に肌寒い季節なので旬はこれからかも。

 彼もブラジルからニューヨークに移住した口で、リンゼイと同じくブラジルとニューヨークを音楽的につなぐ存在っぽい。

 

 

 

 

 

Wilco『A Ghost Is Born』 2004

www.youtube.com イントロでちらっと出てくるピアノが良すぎる。

 今回一番ハマった作品かも。あのYankee Hotel Foxtrotに続く作品で、しかし当時のPitchforkでは6.6点と酷評。自分は海外作品はだいたいピッチの点数を当てにしているのでこの作品もスルーしていた。

 それが今年2月に20周年記念としてデラックス版がリリースされ、なんと今回は9.4点という超高評価。なんだったんだよ当時の評価は。まあピッチも00年代前半くらいまではかなりいろいろブレブレだったんだよね。(でも調べてみたらピッチ以外にも当時微妙な評価を下していたメディアが複数あった。NMEだって6点だったらしいし。)

 

 聴いてみたら個人的にはYHFよりも好みでした。引き続きジム・オルークが参加しているのでサウンドの方向性は地続きなのだけど、曲がもっと自分の好みになっていた。

 ウィルコって初期作も超評価高いじゃないですか。でも自分はYHFまでの作品ってどれもいまいちハマれなかったんです。理由を考えるに、おそらく自分にとっては曲がシンプルすぎたんだと思う(これは自分がカントリーというジャンルにハマりきれない理由でもある)(デッドの『American Beauty』にハマりきれないのも同じかも。『Live/Dead』は好きなのに)。

 今作は多くの曲で今までよりも複雑な構成を持っていて、また自分に都合のいいことに地に足の着いたグルーヴもある(#3、#6など)。テンションや音量の激しい落差もないし日常的に聴ける。好き~。

 

 YHT後ということでバンド的にはいろいろ大変だったように思うが、今作の音楽面だけ見るとのんびり牧歌的なのがおもしろい。いや、自然なのか。元気な曲は元気じゃないとつくれないか。

 めっちゃお気に入りですね。今年の個人的年ベスに入ると思う。

 

 

 

 

 

Cinematic Sequences『Night Shift』 2023

www.youtube.com この手のものが好きなら1曲目のイントロだけで掴まれるだろう。コメントにもあるけどジャケットも最高。

 

 SpotifyでLuxury Eliteの新作ですよ!と通知が来て聴いた作品。で今Bandcampページを見てみたらどこにもLuxury Eliteの名前はなく。スポでは小さくてよく分からなかったジャケを拡大してみてもLuxury Eliteとは書いていない。どういうこっちゃ。

 Cinematic Sequencesについて調べると22年から作品をリリースしているようだがSpotifyを通してのリリースは今回が初らしく。というかスポでそう表示されてるから今年の作品かと思ったけどちゃんと調べたら23年リリースじゃねえか。うーん。

 これは邪推なのだけど、初めてSpotifyを通して作品を出すにあたって注目を集めるためにLuxury Eliteの名前を利用したのではないだろうか。実際は23年の作品だけど、Luxury Eliteの名前を付けて新作としてリリースすればSpotify上でLuxury Eliteをフォローしている人に通知が届く。実際自分はそのルートでたどり着いたわけだし。

 実際Luxury Eliteに話を通してるかは分からないし調べようもないのでこの話はここまでに留めておく。

 

 音楽性はアダルティなミューザックのループを靄に包んだもの。自分は音が遠くから鳴らされている感じが好きらしく、今作も一聴してお気に入りとなってしまった。

 必要十分な癒し系ヴェイパーウェイブ。ムードのあるループと時間的・空間的な距離を感じさせるプロダクション。これで充分なんですよ。

 非常に機能的なので今後も快適なムードを醸すためにインスタントに使っていくだろう。夜の時間にめちゃくちゃフィットします。もしコンビニで働いていてBGMを自由に選べるとしたら、夜勤のときにこれを流せばいいのでは!?

 

malltalkcollective.bandcamp.com

 Bandcampにて今作のカセットを出している、見るからにモールソフトに集中してそうなMall Talk Collectiveというレーベルも良さげ。そのうち掘るかも。

 

 ここまで書いて気づいたのだけど、Mall Talk Collective版の『Night Shift』のページ下部にこんな文言が。

 

If you see Spotify, Amazon Music, or any other streaming sites crediting vaporwave artists other than Cinematic Sequences for Night Shift please disregard. We do not use Spotify, amazon music, etc.

Thank You

 

SpotifyAmazon Music、または他のストリーミングサイトで、Cinematic Sequences以外のvaporwaveアーティストがNight Shiftにクレジットされている場合は無視してください。Spotifyamazon musicなどは利用していません。

ありがとうございます。

 

 事態は認知しているんですね。なんらかの対処をしている途中なのか、互いに利がある感じなのか分かりませんが、作品自体はとても良いものです。おすすめ。

 

 

 

 

 

吉村弘『Surround』 1986

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 サブスクの登場で一気にリーチしやすくなったアーティストの一人ではなかろうか。

 日本の昔の作品を中心にリリースしているLAのTemporal Driftが3月に吉村弘のレア作『Flora』をリイシューしてて、そのニュースをきっかけに吉村弘を聴き始めた。

 アンビエントとかサウンドデザインって概念の時点でちょっとした難しさ、堅苦しさのようなものがあると思うんだけど、吉村弘の音楽はなんというかすごく親しみやすい印象がある。シンプルで簡単で、なんならかわいい印象すらある。それでいて公共的な感じもある。まあまだそんなに聴けてないんだけれども。

 なんというんだろう……オタク向けじゃない。音楽好きのためじゃない、本当に一般層に向けて開かれているアンビエント作品。そんな感じがする。全体に明瞭で、難しさや分からなさがなく、だから「すごい!」という畏怖も生じないという。特別さを感じないのは作品が真に環境に馴染んでいるからで……もし音楽にユニバーサルデザインがあったらこんな感じになるのかも、とか。

 

 マジで、各所での高評価だけを見聞きして彼の作品に触れると、作品の「すごくなさ」に、オーラのなさにまず驚くんですよ。作家性のなさが作家性みたいな。アンビエント的なコンセプトを基にすると、こういう「すごくないことがすごい」みたいなアンビバレンツなことが起きるんですね。(ここまでは吉村弘作品全体に対する感想)

 

 

 

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 『Surround』は彼の作品の中でも音楽ファンが思うようなアンビエントに近い作品だと思う。具体的に言えば他の作品よりもドローンの印象が強く、それゆえにより音に包まれる感覚がする(そういう意味合いもあっての作品名なのだと思う)。

 

 

 

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 個人的に吉村弘の音楽の方向性に近しいものを感じている作品群があって、それが任天堂の各プラットフォームで流れる音楽だ。各プラットフォームというか、それぞれのハードで公共的なソフト?サービスも出していて、それらのBGM全般。

 自分はゲームプレイヤーとして任天堂はあまり通っておらず、64とWiiはノータッチだし、スイッチもティアキンに合わせて初めて購入したような人間だ。だから任天堂の音楽もそんなに通ってないのだが、ここ数年見ているミーム動画のアウトロでけっこうここら辺の音楽が使われていて、どれもいいなと思っている。

 

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 任天堂が吉村弘から影響を受けているのか、ただ公共的なものを目指したのかわからないけど、音楽的に通じるものがあると思う。任天堂は作品を丁寧に管理していて、任天堂のプラットフォームから離れて音楽だけを自由に聴くことは難しいのだが(Nintendo MusicもPCから直接は再生できないっぽいし。これができるならスイッチオンライン入るけど)、もしここらの音楽がまとめて一般流通したら音楽界隈はかなり盛り上がるだろうと思う。一生なさそうだけど。こういうジャンル特化のリストとか作ったら任天堂の音楽って入ってくると思うんだよね。

 そういえばどうぶつの森(Animal Crossing)も任天堂か。自分はマジで一切通ってない(A Short Hikeをプレイしたときもぶつ森の名前が浮かばなかった)んだけど、子供の時にがっつりプレイしてたら音楽の好みにかなり影響しそうだよね。とりとめなくなってきた。いったん切りますね。

 

 

 

 

 

Saba / No ID『From the Private Collection of Saba and No ID』 2025

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 シカゴの重鎮と新世代のコラボ。プライベートと銘打っているように親密な空気に満ちている。

 SabaはNonameやChance the Rapperと近しいアーティストで音楽性も似通っている……というか彼らである種のシーンを形成している。「シカゴのヒップホップ」と聞いて思い浮かぶパブリック・イメージがある(快適、華やか、思慮深い…。個人的にはキーボードを上手く使う印象)。おもしろいよね。

 No IDはCommonの初期作のプロデュースなどで名を挙げてからずっと一線で活躍し続けているレジェンド。昔、Cocaine 80'sという謎のグループを追いかけたときに彼にたどり着いた思い出がある。改めてCommonの初期作を聴いてもなんか音楽的に繋がっている感じがあってすごい。

 2~3分のコンパクトな楽曲が小気味よく、淀みなく流れていく。快適で、華やかで、思慮深い……上で述べたシカゴのヒップホップのイメージをさらに強化する上質な作品。ラップは半分歌みたいなメロディアスさで親しみやすく、普段ヒップホップを聴かない人にも訴求しそうな内容。ハイライトは唯一4分台の#6を含む一連の流れ(#5~#7)。

 

 

 

 

 

Smerz『Big city life』 2025

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 ノルウェーの首都オスロ出身の女性デュオらしい。名前は見かけたことあるけど聴くのは初。

 

 検索したら充実したレビューが出てきたので詳しくはこちらを参照。#8はやっぱみんな「Bitter Sweet Symphony」を思い出すんだね。

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 低音中心のサウンド、籠った空気、ぼやけた音像、低いテンション。アートワークの質感はかなり的確にサウンドを表している。ジャンルで言えば一番近いのはトリップホップで、それをよりコンパクトにポップに洗練させた感じ。

 ……なのだが、ボーカルの表現を代表として全体にどこか垢抜けなさがある。垢抜けないというか、シャキッとしてない。ダルそうなのだ。しかしこのダルさが悪いものかというとそうでもなく、パーソナルな親密さと共にリラックスした空気を作品にもたらしている。

 だから初聴でもわりと自然に作品を聴き流すことができた。そうしたときに印象に残ったのが#6、#8のしっとりとしたバラード2曲で、ここでぐっとアルバムに引き込まれた。多くの人は自分と同じように#6~#8の中盤の流れでアルバムに対する印象が変わると思う。

 個人的にはローテンションなポップがやや貴重な感もあり、だから日常的に音楽を流す層にとってはかなりありがたい作品かもしれない。疲れた夜、退屈な夜のサウンドトラックに。

 

 

 

 

 

 その他、聴き始めたけどハマりきってないやつ。

 

スティーヴィー・ワンダーの過去作。黄金期とされる時期の4作くらいしかまともに聴いてないがよくよく考えるとそれ以前にも大量にアルバムを出している。遡るようにたまに聴いてこうかなと。

 

トム・ウェイツ。『Rain Dogs』がSunday Reviewsで取り上げられてた。ぜんぜん聴いたことないから聴こうかなとなっている。

 『Rain Dogs』まで聞き流して好みだったのは『Nighthawks at the Diner』(新曲オンリーのライブ盤)。『Swordfishtrombones 』~『Rain Dogs』は無骨さがFiona Appleに直接繋がってるような気がする。なんにせよまずは彼の声に慣れないといけないと思う。

 

Tommy Guerrero。たまに名前を見かけるけど聴いたことなかった。少し聴いた感じ、彼の美学はかなり広範に影響を与えている気がする。

 

ダリル・ホール&ジョン・オーツ。いやなんかね、最近は「今まで通ってこなかった大御所を掘ろう」みたいな気運が個人的に高まっている。なぜかを考えたときに、自分はだんだんオタク的じゃなくなってきているのかも?とか思った。




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