
ジャズをあまり聴かない自分でも名前は聞いたことがあるサックス奏者のSam GendelとベーシストのSam Wilkes。デュオのデビュー作で、2021年と2024年にも二人でアルバムを出している。自分が彼らの音源を真面目に聴くのはこれが初。
ジャズオンリーではない。ジャズよりは若者向けな感じのする(偏見ですね)、ヒップホップやアンビエントといったジャンルの要素がかなりブレンドされていて、そこらへんを通っている人には伝統的なジャズよりもずっと馴染みやすいのではないかと思う。
特にリズムトラックがヒップホップ的で、全体にビートテープのような趣がある カジュアルなリズムと短くて掴みやすい鎮静的なコードのループによって、言ってしまえば「イージー」な聴き心地が出ている。
それでいて音響の処理や環境音の使い方などに相当凝っている。伝統的なジャズとは音楽のこだわるポイントが違っている感じ。あんまジャズのこと知らないで言ってるんですが、メロディーやフレーズよりも音響やムードなどの総体的な聴き心地に意識を割いている感じがします。もちろんJディラ以降のよれたグルーヴは標準装備。
おしゃれなBGMとして日常使いできるのが好み。それぞれの音楽的な要素が二人のどちらに由来しているのか分からない(普通に両方からかも)けど、たしかに現代的な感性を感じます。現代的というか、若いよね(といってももう5年以上前の作品なんですが…)。
ちゃんとジャンルも時代に則して姿を変えていくんだなあ、ということを感じさせる内容です。もしかしたら後世でヒップホップにおける『Madvillainy』くらいに評価されたりするんだろうか。自分みたいな門外漢ではなくちゃんとジャズを通ってきた人の感想を読んでみたいですね。エンジニアはレーベル繋がりで?Leaving RecordsのMatthewdavidが担当していて、これもサウンドのおもしろさに繋がっているのかも。