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Night in the Woods(2017)感想・評価

 衰退していく町とそこで暮らす若者たちの青春を描く2Dアドベンチャー

 

 

www.youtube.com

 

評価:8/10

プレイ時間:17時間(1周目は12時間)

 

 これもトレイラーだけじゃあまりゲーム性を想像できないかもしれないが、実際はめちゃシンプル。2Dのマップを移動して物を調べたり人と話したりする。それだけ。プレイヤーを退屈させないよう時おりミニゲームが挟まることもあるが、基本的には人との会話でゲームが進んでいく。だから体感としてはノベルゲーや恋愛シミュレーションなんかにも近い。毎日マップを回って人と話して仲良くなっていく。

 

 ということでこのゲームのウリはストーリーにある。キャラクターはみんな動物で、見た目もポップでかわいいのだが、描かれる世界は超シビア。社会の手触りがとことん現実的で、ぶっちゃけ生きづらい。ついでに主人公は精神的に病んでいる。このゲームは現実世界でもなかなか見ない、生き地獄のような環境を生き抜く若者たちを描いていく。

 

(プレイフィールやストーリーからなんとなーく浮かんだのは『SWAN SONG』とか『車輪の国~』とか。だけどこれらをプレイしたのは相当昔の話なのであんまアテにならないです。)

 

 ストーリーにはルート分岐があり、おおまかに言えばグレッグのルートとビーのルートがある(どちらも主人公の友人です)。自分はビールートが特にお気に入りで、めちゃくちゃいいなあと思いました。

 

 ストーリー全体の出来もそうだけど、それを構成する一つ一つの会話もすばらしい。ノリや空気感といったものが「生」のそれなのだ。キャラクター同士の生き生きとした、真に迫った会話はこのゲームのおもしろさの核のひとつだと思う(他のあらゆる記事でも言われていますが読み味をまったく損ねない翻訳も神です)。

 

 難点がもしあるとすれば、倫理観の基準が日本のそれと違うかも?ということ。作中でけっこう犯罪描写が出てくるんですが、それが主人公のメイ視点ではけっこう軽く扱われているので、そこで感覚的な距離を感じるかもしれない。他人がする分には気にしないけど、他人に強要するとか他人から強要させられるとなると、いや、ちょっとちょっと…!となってしまう。まあでもここらへんの感覚の描写も世界の地獄みを強調するいち要素ではあるんだけど。

 

 

 

 

 

 基本的な感想は以上で、以下はもうちょい個人的に踏み込んだ話というか蛇足です。メモ帳そのままコピっとな。

 

 

 

 個人的には青春パートにもうちょい焦点が絞れてればよかったのでは?と思う。

 

 つまり自分はストーリー終盤の急?展開……すなわちコズミックホラーやカルト組織周りの話についていけなかった側の人間である。「ついていけない」というのは配慮した言い方で、「なくてもよかったんじゃない?」くらいのことを思っている。

 

 理由としては、青春パートの出来がめちゃんこ良いことと、青春パートの時点でこの町の地獄さ・過酷さは十分に描けていると思うこと、そしてそもそものゲームプレイの退屈さなどがある。

 作中でもっとも冗長なパートがメイの見る悪夢パートとカルト組織の調査・追跡パートだ。どちらもホラー寄りの演出がされていて、視覚的・聴覚的な動きを最小限に絞って緊張感を出しているのだが、シンプルに退屈で毎回プレイ中に眠くなってしまった。

 

 もちろん存在意義がないということはない。作中でもっとも直接的に危険が迫るシーンはまた、作中でもっともはっきりと絆の強さを確認できるシーンでもある。あのような極限状態でも少しもほつれなかったメイたちの絆の強さは相当なものだ。それに大きなことをやり遂げてなんとなくなにかが終わった感じにもなるし、みんなで同じ体験をしたという経験も(キャラたちのその後には)かなり大きい気がする。

 

 でもな~、作中キャラはもちろん読み手も含めて、感情の振れ幅というか、もっとも心が揺さぶられたシーンってビールートのクライマックスじゃないですか? パーティーでメイがやらかしてビーが失踪して以降の流れ。コズミックホラーやカルト組織周りの話は、その壮大さのわりにはカタルシスに欠けていたと思う。エモさでビーの話に負けてたと思う。

 

 まあでもそう感じるのは、究極的には読み手の自分がメイの不調・病気に共感できてなかったからかもしれない。自分自身、そうした精神的な不調の経験はないし。

 それで言うなら、ビー周りの話は作中で一番共感しやすかったと思う。ずっと現実的な地獄の話をしていたから。だから話に入り込んで思い切り楽しむ・感じることができたのだろう。

 

 

 

 ここまで書いてきたが、もちろん自分が本作を味わい切れていたなんてことはなく…。

 

note.com

 

 ストーリーがよく整理された⇧の記事を読むと自分が取り損ねていた筋がこんなにあったのかと驚く。あの謎に音楽家を訪ねていく夢、ちゃんと意味あったんだね…(それはそう)。他にも図書館で調べることができるこの町の過去の情報やメイの家系の話など、いろいろな物事が繋がっていたことが分かる。

 いやでもあの夢パートとか図書館パートとか単純におもしろくないんだよなゲームとして…(という言い訳)。ゲームとしておもろくなくても読解力があれば楽しめたのかもしれないが自分にはそんな能力はありませんでした。

 

 

 他にもこんな優れた記事があります。NITWのストーリーを味わう際の補助線になるかもしれません。

 

proxia.hateblo.jp

 

proxia.hateblo.jp

 

 

 

 あと個人的に一番よくまとまってるなと思う記事はこれ。

 

jp.ign.com

 

 

 

 

 

 でもなんだかんだ、青春ものとしてすごく良かったと思う。いろんなキャラといろんな話をした。なにか作業や仕事のついでとかではなく、ただ話をした。特に目的とかなしに。それがすごく良かった。これは人によると思うんだけど、自分にとっては誰かとただ話をするだけの時間・機会ってすごく貴重だから(たいていは常になにか目的を設定してしまう)。青春っぽかったなと思う。

 カルト教団の話よりは町のいろんな住民との話の方がおもしろかった。セルマーとかチャゾコフ先生、ローリーM、教会方面の人とかTELEZOFTの人たちとか最高だった。いろんな人と対話する部分だけを見れば、例えば陰性の『A Short Hike』とでも言うような、とても優しいゲームだと思う。

 もちろん一番筋が太いのはビーとグレッグ&アンガスルートなのだけど、それら以外にも様々な視点から「人生」について、「大人になること」について語られていて、非常に味わい深いゲームだと思いました。名作だと思います。




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