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Quadrilateral Cowboy(2016)感想・評価

 ハッキングと様々なガジェットを武器に潜入工作を行う一人称視点アクションパズル~アドベンチャー

 

 

www.youtube.com 英語音声なので字幕推奨。

 

評価:8/10

プレイ時間:10時間

 

 ブロック状のユニークなビジュアルが目を引くが、正直ゲームのスクショからは内容が想像しにくいと思う。

 一人称視点、WASD+マウスで操作。ミッションを受注する(具体的な目標が提示される)→道具を駆使して目標を達成→報酬で新たなガジェットを入手……というのが基本的なゲームの流れ。具体的な目標とは例えば「金庫を奪え」だとか「機密性の高いデータを入手しろ」だとか。だから、言ってしまえばスパイ映画の作戦シーンを次々にこなしていく感じ。

 ただし、ミッション中は主人公たち以外には人間はほとんど出てこない。ステルスやらチェイスのような要素はほぼない。主に相対するのは受け身のセキュリティシステムで、だからこちらから仕掛けるまでは時間の制限はまったくない。プレイ時間の大半は作戦の計画と準備に費やされる。アクション要素は普通にあるけど体験の比重としてはパズル要素の方が大きい。

 

 セキュリティシステムは現実世界の警備システムを想像してもらえればいいが、作中では特に時間に関係した仕掛けが頻出する。よくあるのが「3秒ルール」で、「3秒を超えて開放していると発報する」というもの。このため、多くの作戦では時間的な密度が高くなる場面がある。~秒の間にあれしてこれして撤退!(ピュー)という感じ。

 

 別段失敗したところでなんらデメリットはないのだけど、作戦には事前準備がそれなりに必要で、失敗するとその準備もはじめからになる。この手間がちょうどいい具合にプレイに緊張感を与えている。失敗するとめんどいので事前にしっかり考えるようになるのだ。そしてこの作戦実行前の(脳内含めた)シミュレーション、試行錯誤こそが本作のおもしろさのキモである。

(手間と書くとなんかネガティブなんだけど……「積み上げ」とでも言うか。積み上げるものがあるからこそワクワクするしハラハラする。ここが純粋なパズルとの違いな気がする。)

 

 序盤のあるミッションでは、あるビルに屋上の天窓から侵入し、下の階のセキュリティルームにある目標物を奪取することになる。天窓とセキュリティルームのドアにはそれぞれ3秒ルールがある。また目標物には振動センサーが取り付けられており、振動を感知してから10秒後に発報する。

 侵入は問題ない。天窓・ドアそれぞれ3秒以内に通り抜ければいいだけだから。ただ目標物を入手してからはもうタイムアタックになるので、詳細にプロセスを考える必要がある。奪取してドア開けて移動して天窓開けて……。

 

 そして、今まで触れてこなかったけれど、ドアとか天窓って手動じゃ開かないんですよ。警備用だから当たり前なんですけど。基本的にネットワーク経由で制御されているのでハッキングして開けることになるんですね。具体的にどうするかというと、主人公の携帯しているラップトップでネットに繋いで、ドア・天窓に対して「開けゴマ」と指示します。

 ただ、一つ指示するのもけっこう手間でして(PC設置→CUIで「開けゴマ」相当のコマンド入力)、こんなん10秒以内にやっていられないと。なので複数の指示を一つにまとめて実行するんですね。PCの入力は一回で済ますようにするんです。例えば今回のケースでは目標物奪取直前にPCで実行するとして、その指示内容はこんな感じ。「(主人公が目標物奪取しドア前に来るまで)待機→ドア開ける(3秒)→(天窓に来るまで)待機→天窓開ける(3秒)」 主人公はこれをPCで実行したら後はダッシュで行動するのみ!

 

 このようなケースでは主人公が使う道具はPCだけですが、ゲームが進むとどんどん道具が増えていきます(セキュリティも複雑化する)。道具が増えると準備も増えて……手間がどんどん増えていくんですけど、このゲームね、手間がおもしろいんですよ。道具を設置してネットで通信繋げて角度を調整して時には複数指示まとめたマクロ組んで……っていう、もろもろの準備・調整こそが本作の醍醐味なんです。

 すごく原始的なプログラミングの楽しみがある。ハッキングとガジェットを組み合わせて自分のできることを拡張していくおもしろさがある。そしてこれは普段プログラムなんて触らないという人の方がより楽しめる気がする。自分はまさにそういう人なんですが、そもそもPCをCUIで操作すること自体が新鮮で楽しかったです。なんかね、「できる人」になった感じがするんだよね。

 

 さらにおもろいのは、(門外漢なので間違ってるかもですが)組み込みエンジニア特有の?領域が垣間見れる点。ネットを介してドアやらガジェットやらを操作していくわけですが、それぞれの機器に有効なコマンドを知るだけではなく、その機器の実際の挙動も知る必要があるんですね。例えばドアなら、openのコマンドを実行した後、実際にドアがどういうふうに開くのか。開き方や開くのにかかる時間なども考慮しないとうまくいかないんですよ。そしてそれらはマニュアルを読むだけでは分からず、実際に試してみるしかないという。

 

 デジタルな道具を使っていますがやってることはアナログチック。このアナログ感が本作の一番の特長のような気がする。全部自分でやってる。自力で生きてる感がすごい。プログラミングというよりは、広い意味での「エンジニアリング」のゲームなのかも。

 

 ストーリーは淡白な語り口ながらけっこうエモく、ドラマチックです。ミッションの内容……主人公たちが仕事としてやっていることからすると、まあこういうこともあるよなあ…という。個人的にはもっとミッションごとの背景やら世界設定やら知りたかったな、もっとフレーバーがほしかったなと思いますが、現状でも主人公の人生については十分に描写されてあり、作品としてよくまとまっていると思います。いやでもあのミッションの目的とか気になる~…

 

 日本語化はされていませんが、少なくともゲーム内でのPCの操作に関しては言葉が平易なため問題ないと思います。序盤に渡される、各ガジェットの説明をまとめたマニュアルだけはそれなりの文章量があるのでウッとなりますが、正直読まなくても大丈夫です。PCでhelpコマンド打てばもっと簡潔に教えてくれるし。もし読みたければGoogleレンズとか使っちゃえばいいしね…。ストーリーもほとんど言葉を介さずに描写されます。

 

 とりとめのない文章になりましたが、改めて振り返ってもやっぱり「アナログ感」が一番の味な気がする。あと主人公たちが一番最初に奪取するのがPCパーツで、まずPCを手に入れるところから始めるのが、技術に対する信頼が見えてすごくいいと思います。




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