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Fate/EXTRA CCC(2013)感想・評価

https://fate-extra-ccc.jp/index.html

 

 

 

 

www.youtube.com

 

評価:9 /10

プレイ時間:1周目35時間、2周目15時間 計約50時間

 

 

 

 2017年にfgoでextra cccコラボイベントが開催され、それに合わせて当時の自分は(わざわざps vitaを買って)extraをプレイした。…改めて考えると、cccまでプレイしてないのなら……extraのみをプレイしただけならばコラボイベの読み味はそこまで変わらなかっただろうと思う。extraにはbb関連のキャラなんも出てこないから。しかしextraだけでもプレイにそれなりに時間がかかったことと、ゲーム部分のおもしろさがそれほどでもなかったことで、当時はextraをクリアしてそのままcccに直行だ!とはならなかった。そこまでの気力はなかった。

 そして今年。やたら参加条件の厳しさを強調されていたfgo水着イベが、なんかやたら大きな規模のメインストーリーに接続することが判明し、さらにそれがbb関連であることが分かり……。そういえばextraだけプレイしていてcccをプレイしていない半端な状態だったなと思い出し、またコミケも終わってなにかじっくりゲームをやろうかなと思っていたタイミングでもあったので、一念発起してcccをプレイすることにした。

 

 extraではセイバー(ネロ)でプレイしていたので今回もセイバーでプレイ。1周目は気の向くままにプレイしセイバー個別ルートへ。2周目はギルでプレイ……しようと思ったけどレベルが引き継がれなかった(サーヴァントごとにレベルが保持されているらしい)ので、再びセイバーを選び強くてニューゲーム。攻略見ながらcccルートへ。1周目は35時間、レベルを引き継いだ2周目は15時間(めちゃくちゃスキップしてこれ)の計50時間。立派なボリューム。

 基本的な部分……グラフィックや戦闘システムなどはほとんど変わりがない。変わったのは露骨なエロ志向で、ストーリーではいわゆる人間の性的嗜好、性的倒錯、フェチなどが大きくフィーチャーされる(猟奇的な伝説に基づいて生み出されたエリザベート=バートリーというキャラなんか象徴的だと思う)。これに伴ってゲームソフトとしてのレーティングも前作ではCERO:B(12歳以上対象)だったのが今作ではCERO:D(17歳以上対象)へと引き上げられている。

 

 個人的な時代感覚のようなものとして、PSP・DSの時代ってけっこうエロに振ったキャラゲーが多く出ていた印象がある。改めて考えると、特にDSはタッチパネルを使った「触る」という新しいゲーム体験がエロ方面の表現とよく噛み合っていた。『どきどき魔女神判!』とか覚えてるもんね。プレイはしてないですが…(リアルタイムでガキだったのでこんな露骨なゲームを親に買ってもらう勇気はなかった)。で、このextra cccもそういう感じのゲームなのかな、となんとなく思っていた。当初は。。

 

 実際二章まではそんなノリでストーリーが進んでいく。立ち塞がる敵をエロネタによる精神攻撃で打ち倒して味方に引き入れる。前作では敵だった者どうしが協力し、時にはギャグ的な絡みも挟みつつ世界の謎を解き明かしていく……。普通に楽しい。エロはともかく、前作で敵だった魅力的なキャラたちと朗らかにコミュニケーションし協力していくのがシンプルに楽しい&嬉しい。なんというかファンディスク的な味わい。

 しかし三章あたりから雲行きが怪しくなってくる。急にシリアスさの度合いが増していく。今までに登場した性癖群はあくまでそのキャラの持つ性質の一部に過ぎなかった。しかし三章以降に相対するキャラは性癖がキャラの人格、ひいては人生に密接に絡み合っている。単純に重い。二章までは笑えたし、なんなら作中でキャラたちが話のネタにしていたくらいだったのだが、ここからはもう笑えない。本気で痛々しい。見ていられない。ゲーム中でボスを倒すと「Punish(おしおき)」という、いわゆる?ご褒美モードみたいなものに移行し、レスバで相手の心を丸裸にする(同時に衣服も剥がれていく)のだけど……けっこう真顔で読んでます。内容が笑えないから。

 

 そんなこんなでゲームをプレイしていくと、本作は岸波白野と桜(bb)の物語であると同時に、きのこが多様な愛の形について突き詰めて考えたSF作品であるということが分かってくる。仏教も経由して人間の欲求……求める心について真摯に、誠実に向き合った作品ということが分かってくる。…自分は正直、イロモノ枠だと思って舐めてました。すんません!

 メルトやリップ、キアラの愛の形は果てまで行き着いた究極形で……この、特定の方向性をとことん突き詰めるところが思考実験的でありSF的。そして、それら欲望の究極形のようなキャラがいるからこそジナコ+カルナという平凡&清貧(と片付けるのもあれだが)なキャラクターも際立つ。

 最後、愛と恋の違いについて総括するのがラスボスであるアンキアのコンビ(というかアンデルセン)なのも良い。恋を知る機会がなかったキアラが恋とはなにか問う。「愛は求める心、恋は夢見る心」と喝破するアンデルセン。「恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は、恋の前では無力になる。」なるほど… それになぞらえるなら今回愛の側だったのがキアラで、恋の側だったのが……なんて野暮な解説はしませんが。

 

 ゲーム部分が特別おもしろいわけではない(のちのfgoに繋がる部分があるという意味で興味深くはある)けど、導線はしっかりしていて進行はスムーズ。ゲームバランスも適当で、遭遇する敵をしっかり倒していけば別途レベル上げ作業が必要になることはほとんどない。ここらへんは流石にextraから洗練されている。

 そしてストーリーとゲームプレイを絡めた物語表現は確実にレベルアップしている。犬空間を代表として、主人公とプレイヤーを同一化させる演出が光っていました。

 しかしやはり飛び抜けているのはシナリオ面で、extraからのあまねく伏線を回収し、すべてのキャラの物語に納得のいくケリをつけている。これ以上ない大団円、完成度。…そんなふうに客観的に見ることもできるんだけど、いや、そもそもメインの縦軸である主人公と桜・bbのストーリーがありえんロマンチックで、これだけで個人的にはお釣りが来る。bbも主人公じゃん。cccルートを読む前後で個人的な本作の評価が1.5〜2点くらい変わりました。

 

 奏章3リアタイ間に合わね〜と急ぎ足でプレイしてきましたが、いや、プレイしてよかった…。普通に刺さってますね。extra含めてかなりのプレイ時間が要求されるし、正直プレイがかったるく感じられるところもありますが、費やしたものに見合った、いや、上回る感動がありました。

 とても作家性が感じられる作品です。きのこの書くシナリオが好きな人ならば、その期待が裏切られることはないでしょう。エロ・インモラル要素で敬遠してる人もいるかもしれないですが、それらはネタや客寄せ的なものとして表面的に扱われているわけではないので、そこは誤解しないでほしいです(エロいのは事実)。なんにせよ、物語が好きな人には広くおすすめできる作品だと思います。

 

 

 

 

 

~そのほか雑多な感想~

・声優の名演については筆舌に尽くしがたいところある。演技のエモさ、壮絶さにかなり引っ張られている。シンジもキアラもエリザベートも全員よかった。冗長と切り捨てずにぜひボイス付きでゲームを体験してほしい。

 

・ボイスにも絡んでくるのだけど、このボリュームのストーリーを鯖4騎分バリエーション作ってるのすごいと思う。贅沢すぎるだろオードブルか。Bad Endも多様だし(もちろんボイスが付く)。自分はセイバーだけで満足してしまったけど。食べきれないです。

 

・最後の最後のbbのパニッシュはあって良かったなと思う。というのはbbはその頑張りのわりに作中で報われるシーンが少ないから。ストーリー内で実際に表立ってはくのんとイチャイチャしてたのほとんど桜だったからね。パニッシュで存分にイチャついてくれ…


・ロマンチックさでいうなら主人公とbb桜のコンビに匹敵するのがキアラアンデルセンのコンビというのが納得感。さすがラスボス。マスターとサーヴァントのコンビが持つ物語エネルギー(?)で、主人公たちに匹敵するのが唯一アンキアという。

 

・自分のサーヴァントが精神的にめちゃ安定しているのが良い。自分の心や持つ愛の形を、その良いところも悪いところも自覚している。なんというか、作中で一番「大人」だったのが自分のサーヴァントだったように思う。自分が選んだセイバーですらこうだったのだから、他の鯖はなおさらなのではないか。このためにボスたちの精神を、愛の形を客観的に見ることができた。

 

・SG取得〜punishという演出・物語上の要請もあるけど(心の声というか叫びがだだ洩れ)、fateシリーズの中でもっともエモい作品になってると思う haと同じくらい?

 

・現実世界の岸波白野(治療不可な病気の進行を止めるために?冷凍睡眠中、正直dead end)についてはextraで示されたもの以上の展開はないだろうと思っていたので、cccルートの最後には本当にびっくりした。と同時にすごく嬉しくなった。ガチのトゥルーエンドやん。こんなにハッピーな終わりある? あそこから入れる保険あったんだ…。現実世界の白野を幸せにしただけでも偉業だよ。

 

・マジでextra世界全体がきれいに完結した感じがある。例えるならブレワイからのティアキンみたいな。寂しいけど綺麗です。

 

・これは与太だけど、キアラとアンデルセンの関係が、物語とその書き手の関係性に通じているものがあるような気もする。読み手を喜ばせるためにエスカレートする物語、その果てに醜くなったとしても書き手だけは物語を愛し続ける…みたいな。職業が重なっているゆえにどうしてもきのことアンデルセンは(ある程度)リンクしているのではと勘ぐってしまうが。どうなんでしょうね。

 

・改めて考えればfate snで一番ラブストーリーしてたのが桜ルートなわけで。だから桜を主軸に据えるならこういう話になるのも納得な気がする。バグって分裂、対照的な側面がそれぞれに行動して物語を転がす、という構図はヘブンズフィールにちょっと似ている。




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