<ネタバレあります注意!>
やっと見ました。これも公開から(そして現実のコンクラーベから)まだ半年たってないんだな~。
カトリックという宗派は、崇高で美しいステンドグラスやマリア像のような教会美術(その粋がバチカン)を思い浮かべて陶酔しそうになるけど、純粋さを追い求めるあまりに人にも教義にも厳しく、クラシックな解釈から外れることを認めない、という印象があります。(ほとんど勉強したことのない私の印象です。間違っていると思う方、申し訳ありません)
その最高位を決める選挙なんて、どれほどドロドロしたものか、想像するのもおそろしいくらいですが、この映画は人間のさまざまなサガ(性と書いて、実際、性に関連する問題が多い)を深くえぐる、期待を裏切らない作品でした。
レイフ・ファインズってほんと名優だなぁ。悪役もすごくうまいのに善人の権化のような役もまったく不安なく見入ってしまいます。
イザベラ・ロッセリーニは貫禄。年をとって母そっくりになりましたね…。
選ばれた彼は、教会の権威に興味をもたず、底辺の人々体を張って助け続けた人。マザー・テレサとか思い出します。いや、日本で殉教した方々にも近いのかもしれません。最も尊い活動をしている人たちの中から選んだ人を枢機卿に加えるというのは、前の教皇は、なんというかすごく良心的です。彼のスピーチのトーンは、不器用で誠実な警備員が爆破の被害を最小限にとどめたのに犯人扱いされた「リチャード・ジュエル」で主人公が行ったスピーチに似ています。
最後の最後のオチは、ずっと前にどなたかの感想を読んでしまって知ってたのですが、こういう人って実際にわりと存在するらしいです。男女逆でも。聖職者でなければ普段の男女交際のなかで気づく可能性が高いけど、彼の立場ならありえそう。ローマ教皇庁に性別の定義が明確にあるわけじゃないだろうから、「そのままにする」という判断は少なくとも彼のなかでは最も正しい。レイフ・ファインズの苦悩はその分、深まる。いろいろ考えてしまう、余韻を残したいい終わり方だと思います。
知ってて見ても見ごたえがありました。ただ、私は外部の人間として楽しんで見ていればいいのですが、関係者にとってはシリアスな問題かもしれません。これって日本の皇室の継承とかも関連してきそうだな…。