ノーベル平和賞を日本被団協に贈賞した際の選考委員長、あの若い北欧系の青年(ヨルゲン・フリードネスといいます)はどういう人なんだろう?と思っていたところにNHKニュースで取り上げていたので見たら、ウトヤ島銃撃事件後に島の復興委員長を務めた経験をもつとのこと。この映画は怖くてずっと見てなかったけど、彼やノーベル平和賞への興味もあって、やっと見てみました。
思ったほどドキュメンタリー的ではないけど、銃撃が始まってからずっと、重くて太い銃撃音が断続的に続いていて、逃げ場のない恐怖が伝わってきます。何が起こっているかわからないので、自分がどれほどの危険にさらされているか、どこへ逃げればいいのか、判断のしようがない。こういうときに生き延びられる人は運もあるんだろうけど、サバイバル能力が高いといえるかもしれません。
映画の作りは、「1917 命をかけた伝令」と似てます。こっちのほうが先です。(ワンカット長回しといっても、カメ止めは連想しないよな)レビューを読むと、この作りとか、全体の出来とか、あまりほめてないレビュアーの方も多いようですが、私はできるだけカヤに肩入れして追体験するように努めて見てみたので、これ以上怖くてもこれ以上のんびりしてても映画体験がまずしくなりそうで、このくらいでちょうどよかった気がします。
犯人は当然死刑だろう、と思うのは死刑がばんばん執行されている意外と残酷な国の人間だからでしょう。ノルウェーの最高刑は禁固21年だとAIが言っています。事件は2011年だから、2032年には出所してしまいます。彼が攻撃したのは行政庁舎と労働党のキャンプで、極右思想を持つ犯人はノルウェーの移民政策を批判していたと、どこかで読みました(いろいろ読んだので出所がわからなくなってしまった)。こわいなぁ…世界中同じことが起こってるよなぁ、日本も含めて。
この島の復興って大変だっただろうな。事件後は誰もキャンプしたいと思わなかっただろうし、入島にあたって荷物検査をするようになったかもしれない。島といっても陸続きで車で行ける場所だし、この映画でも小さい船で簡単に出入りしている様子が見られました。今ここはどうなってるんだろう。まだ幼い人だったら、島もキャンプもこれから一生怖れ続けるかもしれない。
「ニトラム」のような個人的な事情による事件ではないあたり、地球の反対側の事件だと思って見ていたら自分のまわりにも振ってかかる可能性がありそうで、ますます危機感が強まるのでした。