どうしても「君の名前で僕を呼んで」を思い出してしまうけど、オゾン監督作品なので、もっと苦い。(原作が、だけど)
誘惑するダヴィッド18歳、初恋におちるアレックス16歳。まだ幼くてもろい、遊び盛りの少年たち。楽しさだけを追い求めるダヴィッドやイギリスから来たケイトと、内向的で思いつめるアレックスは、最初から違う方向を向いてたのかもしれません。
それにしても、短かった。映画自体100分だけど、キラキラの恋の世界が短くて、その後の彼の家族とのゴタゴタ、更生施設に行くの行かないの、恩師のアドバイスがどうのこうの、が長かった印象です。こんなに短くてこんなに最高の夏をこの若さで経験したあとの人生って、どうなるんだろう。やせたいとかカッコよくなりたいとか、まだそんな努力をしたこともない、生まれたままの美しさだけで過ごした時間。多分誰でも、そういう時間の輝きを少しでも引き延ばそうとして、その後長い時間を地味に過ごすんじゃないかな。
「ウサギちゃん」と呼ばれる美少年アレックスを演じたフェリックス・ルフェーヴル はまだ他の映画では登録されてないですね。奔放なダヴィッドを演じたバンジャマン・ヴォワザン は「幻滅」の主役なので見てみよう。強烈なダヴィッドの母を演じたヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、見たことあると思ったら「アスファルト」とかたくさんの作品に出てるようです。やっぱり、ダヴィッドとアレックス(を演じた俳優)がこの先どんな大人になって、どんなシワが増えて、どんな体形になるのか、おっさんになった二人を見ながら、この作品をしみじみと思い出すのもいいもんじゃないかと思います。