以前、よく電柱に「茶飲友達募集」って広告が貼ってませんでした?あれいったい何なんだろう、もっと年をとったら茶飲友達が欲しくなるかもしれないから調べてみよう…と思ったこともあったのですが、あれがこの元ネタ?いくら検索しても見つかりませんでした。
それはともかく、「茶飲友達」が実は高齢者向けの売春クラブだったというニュースは、衝撃だったんだけど「あ、そうか。なんでその可能性を考えなかったんだろう」とも思い、そして、そこはどういうところだったのか、とても興味深く感じました。
でこの映画です。よく作ってくれました。高齢の男女出演者のリアルな演技も、その場の楽しそうでおだやかな空気も、実に面白かったです。無邪気でイノセントな役をやることが多い岡本玲が首謀者なので、その場は慈善活動を行っているNPOのようにさわやかで善意に満ちています、が、これはかなりの誇張がありそうです。金銭的に豊かな状態にあるときの満足度の高い状態、競馬で勝った日の夜、みたいなものかも。うまくいっている間はハッピー。それを裏付けるのは、使い道のない高齢男性たちのお金とおとろえることのない性欲。一方お金がない、家族もいないか構ってくれない、自己評価最低の高齢女性たちがふたたび女として扱ってもらえるという実利とプライド。ギブアンドテイクでうまく回ってるんじゃないか、というサイクルではあります。
何が悪いんだろう?昔作った法律に当てはめるとこれが違法なら、公営の高齢者売春組織を、いかにもな名前でもつけて運営すればいいんじゃないか。(極論)
「万引き家族」に似た雰囲気もある。社会の最下層、あるいは、最も注目されない状態にある人たちが体を寄せ合って暮らしていて、それが他のもっと目立つ人たちよりよっぽど幸せそう、という状況が。
でも多分、本当の首謀者はもうちょっと計算高いんだろうな。優しさだけでビジネスが回るようになるのは難しいから。この映画では、首謀者のイノセンス、スタッフの事情、女性たちの貧困など、社会的な問題をたくさん盛り込んでいる分、共感を呼びやすいエンタメとしてとてもよくできていると思います。すごく面白い。
男性は50歳になっても80歳になっても、20歳とか30歳の女性を求める人が多いと思ってたので、高齢者どうしで売春が成り立つとしたら意外。でも密室に男女二人でいるときに何をするか、ベッドに入って何をするか、は、自分自身の年齢に応じて当然30歳のときと80歳では違っているだろうから、30歳に戻って20歳の美女とそうしたいと想像することとは違う現実があるわけで、それはそれで楽しいとか幸福だと思えるようならこのシステムは成立するんだろう。結婚紹介サービスでは、理想を下げられないために相手が見つからない人が多いと聞いたけど、一時的なこういうサービスならハードルを低くできるんだろうか。
いろいろ考えると、男女って面白いけどなんだか大変で、売春しなくていい茶飲友達サークルがもしあったら、私はそういうのになら入りたいなと思うのでした。