「ナミビアの砂漠」もこの映画も、主人公の強烈な人格に引いてしまった人にとって、最後まで見ることは苦行かもしれない。私も現実にこういう傍若無人で圧の強い(圧が強いのは「あみこ」だけで、ナミビアのカナは自堕落なだけでケンカ強い感じはないか)人に会うと、黙って三歩あとずさってしまうほうだけど、この人たちは途中からすごく面白くなって、観客としてフィルムの外から見てる分にはだんだん楽しめる。
これって、なかなか現実には外に出せなかった、10代~20歳くらいまでの爆発寸前の自分、って感じだったりするのかな。あみこの強烈さばかりが印象に残ってしまって、新人にしてはすごい部分とかはよくわからなかった。ただ、この監督は、この映画でもナミビアでも、自分が何を作りたいかをすごくよく知っていて、それをかなり実現できてるんじゃないかな、と思った。迷いがない、確信をもって堂々と作っている。せりふが一本調子だったりする場面もあるのに、新人の作品らしい青臭さとか、思い先行で観客をおいてけぼり、とかがなくて、どっしりと落ち着いている。
この映画にも、謎の原始的な電子音楽が出て来る。「日本人はな、リズムに乗ってからだが勝手に動き出すことなんてないんだよ!」でしたっけ、あのカップルに踊らせる場面。
好き嫌いでいうと、好きではないし、なんかすごいのかというと、私にはまだよくわからないけど、次にどういうものを作るのかは気になります。