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【西加奈子著『まにまに』を読む】

忙しいけれど、活字に飢えている。
忙しいから、エッセイや短編集といった本を読んでいる。
そして、勝手に読者になってお邪魔している皆さんのブログを読んで、勝手に満たされている。
みなさん、文章うまいなーと一人で唸っている。


先日、ふらりと寄った図書館で、西加奈子さんの『まにまに』を借りた。
特別目的があって寄ったわけではなかったけれど、活字に飢えていたので、なにか一冊だけ借りて帰ろうと思ったのだ。
でも、じっくり読書に浸る時間的余裕はない。
そして、じっくり本を選ぶ余裕もない。
それなのに、とにかくヨミタイのだ。

「あ行」の作者の棚から、本の背表紙にあるタイトルをざーと眺める。
オレンジ色の背表紙と、ぐにゃぐにゃとおどけた『まにまに』が飛び込んでくる。
元気が出そうな色と、『まにまに』という揺れた文字に魅かれて本を手に取り、表紙をめくる。

西加奈子『まにまに』角川文庫

 

『まにまに』というタイトルが、私はだいすきだ。
「間に間に」と書けば、合間に、適当に、というようなニュアンスがあるし、「随に」は、なりゆきにまかせるさま、という意味があって、「随」は「随筆」の「随」でもある。「マニマニ」って、なんだかかわいらしいおまじないのようでもあるし、「まにまに」と声に出すと、「に」のところでしぜんと口角があがっている。
おおげさではなく、かみさまにもらったタイトルだ、と思う。(あとがきより)


単行本の帯を切り取って、表紙の見返しの部分に貼り付けてある。
この本は、私の忙しい一日の「合間に」「適当に」読めそうな「随筆」だ!と直感し、この一冊だけを借りて図書館を後にした。

『まにまに』は『L25』、『ダ・ヴィンチ』、『朝日新聞」、『芸術新潮』、『毎日新聞』誌上で連載していた6年分のエッセイを一冊にまとめたエッセイ集である。
日々のこと、音楽のこと、本のことの3つの章からなる。


西加奈子の本は、この『まにまに』が初読。
テヘラン」生まれ「エジプト」「大阪」育ちというだけで、もうなんだか面白い。
日々の出来事への着眼点、ストレートな物言いと軽快さと情の厚さ。
これらはおそらく、彼女の生まれと育ちが関係しているのだろうなと勝手に想像しながら読み進めたのだけれど、全体的に、彼女の文章は、私にはとても心地よかった。

音楽に対する知識も豊富で、おしゃれでグルービーだ。
読みながら音楽が勝手に流れてくる感じがするし、そのリズムで体を揺らしたくなるくらい。
作家が読んで紹介する本も、とても興味深い。
作家に敬意を表し、その作品を愛し、力強く紹介する様子は、読んでいてとても説得力があった。


私は、勢いのある文章が好きなのだ。
村井理子さんといい、西加奈子さんといい、出来事を手短に書き綴り、自分が感じたこと、考えたことを端的にストレートに、スパッと勢いでたたきつけるように書く、そのリズムとエネルギーが好きなのだ。

そして、西加奈子の『まにまに』を読んで、「まにまに」という言葉を、私も好きになった。
でも、私の場合、西加奈子のように「間に間に」だとか「随に」とか、そんな高尚な理由はない。
「まにまに」が「にまにま」に似ていて、なんだかにやけてくる、そんなくだらない理由で申し訳なくなってくるのだけれど、そういう思考も、私らしさなのだ!と、西加奈子風に強気で言い切ってみたくなる。

そばにいて、一緒に泣いてくれて、一緒に腹を立ててくれる人。
そして最後には、笑って「大丈夫だ!」といってくれる人。
西加奈子は、私の中で、勝手にそんな存在になってしまった。
彼女を知るために、彼女の描いた本と、彼女が紹介していた本を読んでみたいと思った。





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