今年も子どもと一緒に見た映画が多く、本数はまあまあ。ただし、大人向けはたいして見れてない状況ですね。
子どもと一緒に見てブログに感想を書いていない映画は、『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』、『ドラえもん のび太の地球交響楽』、『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』、『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』、『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』、『忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』(過去のリバイバル上映)といったところ。
娘2人と『トラペジウム』を見たのが、ある意味で一番記憶に残っていると言えるか。
では、それ以外で上位5本をあげておきます。
『オッペンハイマー』
思い返してみるとやはりこれですかね。
人によってさまざまな解釈ができる作品だと思いますが、自分は政治に興味を持ち、政治的手腕も持っていたが、本職の政治家にはなれなかった科学者の話という側面が印象に残りました。
あと感じたのは、この題材で3時間という長丁場を見せるクリストファー・ノーランの効果音を含めた音作りの上手さ。映画を引っ張るときに使われるスリルとか暴力の代わりに音が非常にうまく使われていると思います。
『マッドマックス:フュリオサ』
面白かったですし、やはり画がいいですね。
ディメンタスが最初にタンクローリーを襲撃するシーンをロングショットで見せるところとかは最高でした。
それ以外にも砂漠の風景を活かしたロングショットがバシバシ決まっていて、やはりジョージ・ミラーはいい画を撮るなと改めて思いました。
最後はあえて復讐のカタルシスを手放しで感じさせない流れになっており、このあたりは切れが悪いとも言えますが、ここ最近の国際情勢などを見ると、「復讐だから正当化される」とは言い難い状況なので、これが今風の決着の付け方なのかと思います。
『窓ぎわのトットちゃん』
評判通りウェルメイドな映画で、アニメの画も演出も非常にレベルが高い。
昭和の児童画などを参考にしたキャラクターデザインもいいですし、そのキャラがきちんと成長していくところもよくできています。何回かそれまでのトーンとはまったく違うタッチのアニメが差し込まれる演出も面白いですね。
そして、小林先生というトモエ学園の校長先生で、このストーリーで理想的な存在を演じる役所広司の声がいい。改めていい声をしています。
ストーリーの中心となるのは泰明ちゃんという小児麻痺の同級生との交流になるのですが、この泰明ちゃんの描き方も上手くて、彼のコンプレックスや、トットちゃんとの交流で得られた開放感といったものがよくわかるようになっています。
『夜明けのすべて』
まったく恋愛要素が必要ないドラマにも恋愛要素を入れてくるのが日本の映画やドラマの問題点の1つですが、この『夜明けのすべて』は「普通は恋愛要素入れて盛り上げるだろ」という話でありながら、そうは安易に流れません。
『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督が、あくまでも静かに恋愛抜きの人間の助け合いや支え合いを描き出しています。
他人の欠如を埋めようとするときこそ、自分の欠如を見ないですむときであり、ラカン的に言えば、それこそが「愛」という感じになるでしょう。
ところが、本作は互いに相手の欠如に対して何かをしようとしながらも、それは欠如を埋めるといった情熱的なものではありませんし、自らの障害をそれによって忘れてしまうということもありません。
あくまでも「この人の手助けが少しはできるんじゃないか?」というレベルにとどまっているのです。このあたりの関係性を松村北斗と上白石萌音が非常に上手く演じています。
『ルックバック』
上映時間は58分で映画にしては短いのですが、そのせいもあって最初から最後まで作画のテンションが変わらない素晴らしいアニメーションに仕上がっています。
普通は漫画をアニメ化する際に線を整理したりして、動かしやすいようにしたりするわけですが、この作品では漫画にあるザラザラしたような感じを残した作画がされています。アニメ化しにくそうな絵を動かしているという点では『海獣の子供』を思い出しました。
動きも良くて、多くの人が指摘していますが雨の中を藤野が走るシーンとかは非常に印象的です。
原作も読みましたが、やはり声が入っているのは大きいですね。特に京本が「藤野先生!」と呼びかけるシーンなどで活字では表せない情感が入っていたと思います。また、音楽も漫画にはない要素ですが、これが泣かせます。