3年ほど前に当時の"画像処理研究会"で発表した、deconvolutionについてのスライドを思い出しました。
内容の殆どはdeconvolution時のマスク作成についてだったので、BXTがある今となっては時代遅れですが、最後に提示した疑問点の幾つかはBXTにも通じるものがありそうなので振り返ってみます。

・drizzleすると(deconvolutionの)効果が上がる?
drizzleの効果は各々システムによって違うと思うし、私は533MMでは使わなくなったので、とりあえずこれはパス
・スタック枚数との関係は?
ST8XME撮影のAbell576で試した時は、FWHMで選別した方がdeconvolutionの効果も高かったので、SNRが良い無選別多数枚画像の背景と、輝度マスクで合成していたんですよね
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でも、現在使っているASI533MMは感度(?)が低いし、BXTと以前のdeconvolutionとではアプローチも違うはず。
最微光星の描出にNRが効いたということもあり
morinoseikatsu2.hatenablog.com
最近はずっとSNR重視で、全データスタック→BXTを使っていました。
ただ、IR/B撮影の場合、もしかするとFWHM選別(おそらくBデータが上位)も併用した方が良いかもしれない?
・PSFサンプルの選び方
BXTでは、以前の月夜会でAutomatic PSFを使わない方法も教えて頂いたのですが(PSFを得るスクリプト名を忘れました^^;)、先々月の桐村さんがAutomatic PSFをお使いとの事で、私もAutoのままです。
・カラー画像に使うと、色解像が上がる?
これは未だに、特にHαで迷います。
輝度情報に使うHαは当然BXTしていますが、カラー情報を収束させる事の可否は不明で、実際に比較しても、今のところ差を感じません。
Hα以外で、輝星の色滲み軽減にはBXTを使うことも。
・ノンリニア画像に使うと?
↑のカラー画像の色滲み軽減には、ノンリニアでBXTを使っても問題は感じませんでしたが、L画像のBXTはリニアにしか使っていません。
理由は、効果の有り無しというよりも、なんとなく「根拠」みたいなものを弄りたくないから。
スライドに書いたArp178とNGC2841の試行は
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・暗黒帯だけに効かせるマスクの作り方
BXTの恩恵を一番感じているのが、この部分。
以前のdeconvolutionでは、暗黒帯部分を抽出するマスクや、銀河上の星を除外するマスクなどにも苦労したので、BXTが出て本当にラクになりました。
変な喩えですが、以前のdeconvolutionとBXTの関係って、布オムツと紙オムツみたい。
両方を経験した私にとって、たとえ布オムツに何らかの利点があるとしても(赤ちゃんに不快感があるので、オムツ離れが早くなると言われていました)、紙オムツの圧倒的な便利さを一度経験してしまったら戻れない、という感じなんですよね。
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10/9追記;tantanさんの記事を貼らせて頂きます<(_ _)>
真ん中辺りのdeconvolutionとBXTについての記述、とくに「BXTは1枚の画像を細分化して、その部分部分で(人間の試行錯誤なく)最適なパラメータを割り振る技術」は、実に腑に落ちるものでした。