最近のNEWSはここに来てまた一皮剥けて面白い。2ヶ月前、増田貴久さんについて書いたとき(2025年上半期の増田貴久さんが面白い 『Disney on CLASSIC Premium 「アラジン」イン・コンサート』 - それは恋とか愛とかの類ではなくて)、増田さんの多面的な仕事展開の面白さに触れたが、その後小山さんもソロで自分のやりたかったことをガシガシ進めており、加藤さんもカレーの配信番組を始めたりと、三者三様の個人仕事を進めている。そしてそれと並行してグループ活動の準備もしているようで、アラフォーアイドルの精力的な活動っぷりに日々元気をもらえる。そんな中、最新の加藤さんのソロラジオで大学生からのメールに対して「やりたいこと」について語っていたのが印象的だった。
最近なんかやっぱり「早く始めた」って強いよなと思う。やっぱりいくつになって始めても夢は叶うってそういうことも実際にある。けど早く始めた人に追いつくって本当に努力しなきゃいけないなと思う。だから僕は振り返って23歳で小説書いて早いなんて思ってなかったけど、早かったんだよね。あの時書いてるから今があるんだよね。この歳から書くと10年後くらいに形になるとね、そこからできることとか、もしかしたら書けないことも増えてるかもしんないなと思うし、あとは体力とかね。分かんないよね、それは努力でどうにかカバーするっていうパターンもあるけど。でも逆に思うんだよ、大学生の時に小説書けてればとか、そういう人もいっぱいいる訳だしさ。いやこれは難しいんだよ。やりたいことなんてないっていう気持ちも分かるし、けど早くやりたいことを見つけられた人は強いって、そこは否定しない方が良いんじゃないかなと思う。だから大学は夢を探す場所だし、でも本気になって探さないと夢見つかんないときもあるよね。だから夢ないんですとか、やりたいことないんですとか、探してねぇだろみたいな。俺くらい探してるか?と(笑)。時間ねぇよこっちは、やりたいこと多過ぎてって思うんですよ。まぁあれだな、本気で生きるってことだな。真剣に生きるってことだな。
(ラジオ『SORASHIGE BOOK』2025/5/18放送回)
加藤さんのラジオを聴いているとあらゆる方面への探究心があって常に新しい学びに触れているように感じる。アイドルや小説家としてのキャリアが定着しようとも、それとは関係なしに次々と自分の興味が振れるものにのめり込んでいく様にこちら側も刺激を受ける。「時間ねぇよこっちは、やりたいこと多過ぎて」は、自分自身も同じように思うことはあるけれど、加藤さんの時間の価値よりも自分の時間の価値はまだまだ低いように思えてしまう。本気で生きてるか、真剣に生きてるか、アイドルのラジオを聴いてこんなに内省させられるとは思わず、だからアイドルを応援することは面白い。
そんな加藤さんの監督する短編映画『SUNA』を見てきた。『SUNA』は「MIRRORLIAR FILMS PROJECT」(クリエイターの育成発掘を目的とする短編映画制作プロジェクト)のSeason7において、愛知県東海市に開館する「東海市創造の社交流館」オープニング作品として制作された短編映画。
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あらすじ:
砂によって窒息死するという奇妙な事件が多発する東海市。人の身体が砂に埋め尽くされるという死因に、本当に人の仕業なのかと怪しむ刑事の狭川(加藤)と遠山(正門)。そんな中、遠山の家に砂が落ちている現象も発生。骸骨や炎に包まれる遠山など不穏な映像が畳み掛けられる中、「あいつら、俺の砂を盗んだんだよ」という謎の男の声。その後も次々に起こる「砂」による窒息死。これは呪いなのか。はたまた誰かの仕業なのかーー。
15分という短い時間の中に物語がおさまっているためシンプルなストーリー展開のように見せかけて、最後の数分間で起こったことについて同行者と映画館を出るや否や議論をしなければならない加藤さんらしい作品だった。しかも今回の「MIRRORLIAR FILMS PROJECT」の作品群が続けて放映される中で、加藤さんの作品は一番手に流れるためラストシーンの余韻を引きずったまま他の方の作品を観ることになり、その間中ずっと加藤さんの作品のことを考えていた。遠山が受けた電話の内容は。狭川の着信履歴の意味は。遠山の家に残った砂の行方は。考察合戦に参戦したい気持ちはあるが、たった15分の映画とは言え、落ちていた伏線を1回の視聴で回収することは難しく、そこがまた加藤シゲアキ作品らしさを感じる。劇中で砂の呪いにかかっていく者たちと同様に、我々も考察が終わらない呪いにかけられていく。加藤さんがつくった作品ならきっと全てのシーンに意味があるのではないかと勘繰ってしまう。あぁ、最初に唱えていた小説の一節は何だったっけ。こういう日に限ってメモを忘れている。悔しい。
飽くなき探究心を持つ加藤さんはこれからも更にセンスを発揮して創作の幅を広げていくだろうし、その点においてはアイドルのキャリア以上に長い可能性も秘めている。加藤さんが新しい何かにハマると、またそれが創作活動の栄養となり新しい世界を創り始めてくれるのではないかと勝手にわくわくさせられている。本気で生きる。真剣に生きる。私は何をやっていようかなと思い、まずはこの数日間このブログを書き続けるということに時間を費やしている。