そしたらこれがまぁ名作だったのだ。まずオープニングにクレジットが表示されるのだが、一番最初に大きく出て来るのは「企画 秋元康」の文字。そう、このドラマの企画者は、我らが「やすす」なのである。AKB48沼に長く浸かっている身としては、自分の肌にフィットする予感しかない。そしてその予感は的中することになる。とにかく20年前のドラマである、という点を抜きにしても突っ込みどころが満載なのだ。主役は森田さんな訳だが、バレー部のエースとして活躍する予定だった主人公・林は、第一話早々に不慮の交通事故で亡くなってしまう。展開が早過ぎる。そこに林とそっくりの風貌をしながら性格は正反対の森田が現れ、バレー部に入部する。そんな都合の良い話があるか。そしてこの森田、チームメイトとの結束を固めながら、ライバル高校を倒す為に大会に挑むのだが、試合の前日練習中に転倒して頭を打ち、一時的な記憶喪失になるというおまけまで付いてくる。森田さんは死んだり、現れたり、記憶が飛んだり、また戻ったり超忙しい。一例として突っ込みポイントを挙げたが、各キャラクターそれぞれに「何でやねん」と思わず関西弁で突っ込みを入れたくなる要素がてんこ盛りである。
突っ込みどころ満載という意味での凄まじいジャニーズイズムを感じながらも、バレーの試合において非現実的な技を生み出したり、画期的な練習方法を実践する部分は、スポーツ漫画の様子に近い。また物語の中に出て来る悪役も最終話でその裏の苦悩が明らかになり、そこで全ての登場人物がひとつに繋がる様な仕組みになっていて、構想がとても凝っている。そこがただの突っ込みどころ満載ドラマ、だけでは終わらせることが出来ない、名作としてカテゴライズする理由になる。ジャニーズ事務所の後輩に何度でもリメイクして欲しい。何回でも楽しみたい。
そんな中で岡田さんは、自分をスーパースターだと信じて止まない、嘘の自伝を書くのが好きな少年の役だった。野球部に入れば球拾いをさせられ三日で止め、テニス部に入部を挑むも現部員にコテンパンンにやられてしまう。それでも言うことだけは誰よりも大きく図々しく、すぐにレギュラーになれることを見越してバレー部に入部してくるのだった。簡単に言えば“調子に乗っている”“生意気な”役で、それをまだ芸能界の右も左も分かっていない状態の幼い岡田さんが無邪気に演じているのは愛らしかった。演技力、という点で言えばそれは岡田さんやV6だけに限らず、全体的に棒読みテイストの台詞が続くので、だんだんそれが心地よくなってくる感覚があって面白かったのだが、こんなにふわっとした状態で演技している岡田さんを見れるのは、もしかしたらこの「Vの炎」だけかもしれない。
あと言及しておきたいことと言えば、主役の森田さんが女の子みたいに可愛かった。一人だけ頭ひとつ飛び抜けて台詞の発し方も良くて、何気ない表情が様になったりする。存在するだけで圧倒的オーラを放っている森田さんを見て、誰が選んでもきっと森田さんが主人公になっていただろうなと思った。またもし今これが放送されていて私はV6のことを何も知らない状態で見たとしたら、間違いなく森田さんに吸収されていくだろうなと思った。それぐらいの引力がこの時の森田さんに既にあった。
初っ端からこんな楽しい作品に出会えるとは思っていなかったので、もっと早く取り掛かるべきだったと反省している。一通り見終わったらもう一回この「Vの炎」を見返したいと思う程、癖になる良い作品だった。