

12月は軽い本、夢中になった本などがあり8冊を読了。
#65「テロルの決算」沢木耕太郎
#66「河野太郎に訴えられました」くつざわ
#67「イクサガミ天」今村翔吾
#68「イクサガミ地」今村翔吾
#69「イクサガミ人」今村翔吾
#70「フェイク・マッスル」日野瑛太郎
#72「虚の伽藍」月村了衛
「テロルの決算」は社会党委員長の浅沼稲次郎が1960年、公開討論の場で17歳の右翼少年山口二矢(おとや)に刺殺された事件のノンフィクション。自衛官の父を持つ少年がどのようにして過激な右翼となっていったのか。また61歳でテロル(ドイツ語)に遭い生涯を終えた政治家、浅沼稲次郎とはどんな人物なのか、その生い立ちも詳しく書かれています。何故、このタイミングで二人は邂逅(かいこう)したのか。
「河野太郎に訴えられました」ブロック太郎こと現職大臣が一般市民を名誉棄損で訴えた!!タイトルに惹かれて購入しましたが、著者くつざわさんの私見と彼のYou Tubeなどへのコメントが切り貼りされ、その他は裁判関連の書類のコピーが載せられた本です。(こんな本の作り方もあるんですね)メディアは何処も報道しない話です。この裁判は継続中で、ご本人のYou Tubeでもその後の経過を知ることが出来ます。
「イクサガミ」天・地・人の三部作と思って購入したのですが、2025年に完結編が発売予定とは!今村翔吾さんの作品は彼の直木賞受賞作、「塞翁の楯」しか読んだことがないのですが、イクサガミはNetflixでもドラマ化決定されたようにエンタメ要素満載ですね。時代設定は明治初頭、るろうに剣心のような時代遅れの剣豪達に加え、イギリス、台湾、清国からも凄腕のあらゆる流派の剣客たちによって繰り広げられるバトルロワイアル。それぞれの望みを叶えるために命を懸けて戦いながら東京を目指すストーリー。いくつもの仕掛けが用意されています。完結編でどのように伏線回収されるのか!早く、完結編を読みたーい![]()
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「フェイク・マッスル」第70回江戸川乱歩賞受賞、帯には東野圭吾、辻村深月、湊かなえ等、著名な作家が選考委員。そして彼ら彼女らが絶賛とか書かれていましたが、底の浅いミステリー。伏線回収されても、「ふーん、そんな程度か」って感じで、もっと読者を騙して欲しい。まあ、過去の仕事柄、九段の合同庁舎の麻取が舞台の一つになったのはちょっと親近感を覚えましたが。
「認知バイアス」認知とは「心のうごき」全般を意味する言葉と定義し、その認知にどのようにしてバイアスがかかってしまうのか、総花的に膨大な事例や関連の書籍が紹介されている本です。認知バイアスに特化した心理学のカタログのような本でしょうか。認知にバイアスが掛かると言うことは、目の前の事実を、過小評価、過大評価、真逆の評価をしてしまうなどなどの状況に陥る事のようです。自分なりに解釈すると兵庫県知事の斎藤さんが出直し選挙をさせられたことは、マスコミによる単純接触効果、リハーサル効果で多くの人の認知の中に彼は人殺し、悪人と言うバイアスを掛けてしまったと捉えられるのかと思います。また、きっとサブリミナル効果もそうなんでしょうが、無意識下の中でバイアスを掛けることで、異なる答えに誘導されると言うような現象が起こりうることは恐ろしい事ですね。サクサク読めましたが、結局、認知バイアスとうまく付き合っていきましょうと言われたような気のする本でした。
「虚の伽藍」大好きな作家さん、月村了衛さんの新作です。昭和60年代から平成の時代の京都が舞台。貧乏寺に生まれた主人公凌玄は、仏教系の大学を卒業し京都にある伝統仏教の最大宗派・燈念寺派の宗務庁に勤めています。ひょんなことから、彼は京都の闇社会の大物と知り合い、バブル経済を背景に燈念寺派を異例のスピードで成りあがって行きます。大物フィクサーを通じて知り合ったヤクザ達をも利用し主人公は燈念寺派の権力者たちを次々と失墜させ、権限は増大するばかりです。
月村作品の「欺す衆生」を想起してしまうのは私だけでしょうか。物語の最後に凌玄を待ち構えているのはどんなラストでしょう。