
3月の読書は尻上がりで読書のスピードが上がっています。今月3冊目に読了したのが2021年の直木賞受賞作品。友人からのお薦めの本です。
織田信長に対して叛旗を翻し有岡城での籠城作戦に出た猛将、荒木村重。そこへ和解に応じるようやってきた知将、黒田官兵衛。しかし、黒田官兵衛は当時の常識では考えられない対応を受けます。囚われの身となり、地下の牢獄に投獄されてしまうのです。(この時代、殺されるか、生きて返されるのかの二択が常のようです)
毛利軍の援軍を待ちながら籠城する有岡城では次々と奇怪な事件が起きます。ここからがミステリー小説として物語が展開して行きます。村重は地下の真っ暗な牢獄に囚われている官兵衛に謎解きを依頼するのです。
4つの事件の謎解きに対して官兵衛は村重にヒントしか出しませんが、村重は解決をしていきます。しかし、伏線が仕込まれており(笑)4つの事件すべての伏線が回収されます。町民をも巻き込み籠城と言う巨大な密室とも言えるシチュエーションで起きていくミステリー。歴史小説であるが故、読者の目線は村重はじめ武将たちに向けられますが、すっきりと解決しなかった4つの事件の裏に、潜む影・・・。面白い本でした。


黒牢城の後に読んだ本が「カエル男」。読み始めて襲われた不快感で、読むのを止めようかとも思いました。次々と飯能市で起こる猟奇殺人。犯人はカエル男と呼ばれ、その犯人像は刑法39条で保護された壮絶な家庭環境の中で育ち、猟奇的な殺人を楽しんでいく少年なのか?被害者が増えていく中、彼ら、彼女らの共通項はなんと名前が「あいうえお順」で殺害されている?次は私の番だとパニックに陥り暴徒と化し警察署を襲う飯能市民。
どんでん返しに次ぐどんでん返し。ようやく伏線回収され、留飲を下げる読者となった私でしたが、更に最後の最後でそんな結末・・・・・。
そんな、後味の悪いと言っては申し訳ないのですが今月5冊目の本が「れんげ荘」。大手広告代理店で働く主人公のキョウコさん。45歳、独身。高い給料を得、高級ブランド服を着こなし営業職として、クライアントへの接待に明け暮れる日々。疲弊していく自分に疑問を持ち一大決心。5LDKの実家暮らしを捨てて、月10万円の生活ならば80歳まで暮らせると言う事で退職、共同トイレ、共同のシャワーしかない、家賃3万円のれんげ荘へ引っ越すことに。
作者、群ようこさんは森鴎外の娘さんでエッセイストの森茉莉さんの贅沢貧乏と言う本にインスパイされていらっしゃるようで、「贅沢貧乏のマリア」と言う本を書かれていらっしゃいますし、このれんげ荘と言う本の中でも森茉莉さんの事が触れられています。
ちょっと話が逸れましたが、キョウコさんはと言うと、季節の移ろいの中でおんぼろアパートのレンゲ荘で梅雨場のジメジメ、カビ、夏場は蚊の大群に襲われ、雪は部屋の中に積もる雪と四季折々の自然の厳しさをおんぼろアパートが故、その洗礼を受けます。何を好んでこんな生活を・・・。私には絶対できない生活と思い読み進めて行きます。
FIREなどとは程遠い、早期退職を選んだキョウコさん。無職となって日々を送ることに一抹の不安を抱えながら自分を見つめなおします。12歳くらいの兄の娘であり、何不自由なく育った姪っ子のレイナがようやく季節も落ち着く春にれんげ荘にやって来ます。彼女は果たしてキョウコさんの生活をどう思うのか?
「私、ここ好きだよ。うまく言えないけど、住んでいるって感じがする」レイナのその一言を聞いてキョウコさんは少し自信をもって新しい生活を続けるのかななどと、感想を抱き読了いたしました(笑)。
そして、乱読であるが故、図書館に「贅沢貧乏」の予約をする私です(^^)/