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【オペラレビュー】リゴレット最終日(新国立劇場2026年)

2026年3月1日(日)14:00公演

新国立劇場 オペラパレス

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

リゴレット

お世話になっております。

三島です。

 

この日は新国立劇場へ再び参上です。

『リゴレット』の千秋楽でございます。

www.nntt.jac.go.jp

初日には良いとはいえない仕上がりでした。

詳しくは下記よりどうぞ。

mishimashikahika.hatenablog.com

さて、最終日では進化しているのでしょうか。

それでは感想です。

(以下敬称略。)

 

初日と比較して

マントヴァ公爵(ローレンス・ブラウンリー)の声が初日より深くなっている。相変わらず1幕の冒頭は声にも姿にも存在感がなくマントヴァ公爵がマントヴァ公爵であることを認識するのが遅れるのですが調子を上げてくるのが初日よりも早いので結果として満足度は上がった。

 

周りが公爵扱いしてないしリゴレットとの関係も同等に見えてマントヴァ公爵の存在が際立たないので本人の問題ではなく全体の問題ですね。1幕でモンテローネ伯爵とリゴレットが話すときなんてリゴレットに「どうぞどうぞあなたがモンテローネと話してください。」と畏っているように見えた。

 

オーケストラより早く歌うのはだいぶ改善されたがフレーズの終わりが微妙に早いのは初日に引き続き気になった。おそらく声が軽すぎて十分に保てずに終わるから早く聞こえるのだろう。声が軽いこと自体は悪いことではないし広がりすぎずに歌えることは素敵なのでもう少し深さを出しましょう。3幕のアリアはなぜそんなにお上手なのでしょうか。ここだけ謎の安定感です。伸びやかだししっかり声が届く。続く四重唱はマッダレーナとの絡みが上手になっていたね。

 

リゴレットはモンテローネ伯爵の言葉に終幕まで囚われている設定なのでモンテローネ伯爵には迫力がなくてもリゴレットが軽くスルーできなかった意味を教えてほしいのですが友清崇のモンテローネ伯爵もマントヴァ公爵同様にあっさりしすぎています。そんなに気にしなくていいのに、とリゴレットに言いたくなる。役に役らしさを与えてさらに客席に意味を届けることができるかは大事ですね。

 

リゴレットのウラディーミル・ストヤノフは初日からまずまずのできだったので比較的安心して聞けました。ジルダの死に際の場面は舞台上に緊張感がありこちらも全力で集中することができました。上手くいってないとなかなか召されないジルダに苛立ちを覚えるのですが(私はサクッとお亡くなりになる役が好きです)この日はリゴレットの苦悩と後悔が伝わってきて絶対有り得ないけれど助かることを望んでしまいました。密度が濃いと苦手な場面も好きになれます。ジルダが力尽きた後の「ジルダ!」という呼びかけが切ないです。

 

ストヤノフは声の芯はあるし特別気になる部分はない。しかし全体的に声が広がりすぎてしまうのでもっと焦点を定めて歌ってほしい。聞けるけれどちょっと違うみたいな。それと言葉をもっと大事に歌ってほしい。フレーズのつくり方は悪くないのですが単語ひとつひとつに意味を与えてほしい。感情が乗らきらないリゴレットはちょっと寂しい。特に2幕の見せ場は前半のスピード感と後半の切実な願いのような対比を出してもらいたかった。お芝居面も悪くはなけれど怒りと悲しみと愛と憎しみが混在するのよりも悲しみ一辺倒の役の方が合いそう。常に哀愁を漂わせる役がいいね。

 

本日の中村恵理

中村が目当てなので中村さえ良ければ良いのです。初日と比べてどうなったのでしょうか。

 

いつも通りの軽い声に感動。というか感謝。声の重さや喉への張りつきを感じない声は本当に素晴らしいです。ソプラノといえども低音を疎かにしない姿勢も本当に大好きです。気になっていた吠えるように横や斜め上を向いて歌うのはだいぶなくなり見た目的にも安心してみることができた。髪を下ろして(地毛じゃないだろうけれど)歌う姿が新鮮だと思った。

 

声が後ろにいきすぎている原因がわかりました。正体はpianissimoさんです。音量を調節している関係で前に出てくれず遠い声になっている。ストヤノフ同様に声が広がりすぎているのである程度声量を出さないとまとまらない。声量を調節していなさそうなときは真っ直ぐ声が届く。不思議なpianissimoをする人ではなかったはず。響きは落ちないのですが声が後ろすぎて心穏やかではない。この歌い方であればpianissimoは諦めていただいた方が聞いていて楽です。

 

声的にはジルダは合っていますが、運命に翻弄される役ではなく自分で進んでいくような役の方が似合うのでまた中村ヴィオレッタに会いたいです。

 

総合的な

『リゴレット』は軽いソプラノやキラキラしたテノールが大活躍するようなつくりではない。もちろんワーグナー作品とは違うが低音担当歌手による重厚感を期待していた。メゾソプラノなんて何人出てくるのよ。今シーズンの『リゴレット』は浅さと薄さの目立つ迫力のないもので新国立劇場の通常運転といえばそうだがそこには大きな悲しみと疲労がある(私の)。

 

以上です。

 

後15回公演くらいあれば完成しそう。




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