2026年1月22日(木)19:00公演
アドルフ・アダン作曲
ジゼル

お世話になっております。
ジゼル大好き芸人の三島でございます。
水曜日に引き続きマリインスキー劇場へお出かけです。演目は好きな演目の一つである『ジゼル』です。マリインスキー劇場で『ジゼル』を観劇するのは人生で2回目です。
因みにこの日のヴァレリー・ゲルギエフ氏はマリインスキー劇場コンサートホールにて『ロメオとジュリエット』(ベルリオーズ作曲)の公演でした。発表された時点で『ジゼル』のチケットを買っていたため行けなかった。残念。
それでは感想です。
(以下敬称略。)
ジゼル
ジゼルは最近プリンシパルになったマリア・イリューシキナでした。全体のバランスがとてもバレリーナでとてもマリインスキーです。ジゼルがよく似合うビジュアルです。遠目で見るとマリア・ホーレワに見えなくもない。名前も同じだしな。
全体的に卒なくこなして踊っているようですがどこか優等生の踊りから抜け出せない感じがあり面白みが足りない印象。特に1幕はジゼルの愛され具合やアルブレヒトとの距離感を見せてほしいところだが舞台上からは伝わりにくい。変なことをしないので綺麗ではあるけれどもうちょっとお芝居が表面に出ても良いのではないかなと。狂乱の場面も通常時のジゼルと変化がない。「静かな狂乱」とまでもいかず。落ち着きすぎていて普通。逆に2幕は淡々と踊る様子が人間味のなさにつながってウィリとしてはピッタリの仕上がりになっていた。
ウィリの仲間入りをしてからは体の軽さが一段と目立ちます。アルブレヒトに持ち上げられて下されるまで一切体重を感じさせない。地上にいても体重感じないのですがそれ以上に軽くみえる。エヴァン・キャピテーヌ(読み方不安:Even Capitaine)の持ち上げ方が上手だったのもある。持ち上げる感じではなく勝手に自然に肩に乗っているよう見えた。イリューシキナは腕の使い方がとても綺麗で空気を纏いながらふわふわと浮遊するような動きがあった。
1幕のバリエーションのバロネ(片足つま先立ちで斜め前に進んでいく振付)でだんだん元気がなくなってきて最後の方で踵を降ろしてしまいました。準備をしたときからなんとなく不安定さを感じましたがまさか降りてしまうとは。客席全体が拍手しようにもできない状態になり心配するような空気になりました。なんとか立て直し最後まで踊り切りましたがかなり衝撃でした。
以前ボリショイ劇場で見たときにも味わった感覚ですがダンサーが何か上手くいってないときに見守るように励ますようにみる方が多いなと。同業者や経験者でなくても何かが起きていることがわかっていらっしゃるのでは。
1幕ではわかりやすいミスがありましたが2幕では持ち直し最後は大きな拍手に応え何度も緞帳前に登場してくれました。表情からは大きく落ち込んでいる様子や悔やんでいる様子もなかったのでとりあえず安心。また今度完璧な踊りを見せてください。

プレゼントのお花がたくさん!
パ・ド・ドゥ
この日の昼間はマリインスキー劇場の劇場ツアー(公式)に参加しタイミングよく3分くらい三階席から村人男女のパ・ド・ドゥのリハーサルの様子をみることができました。何を言っているかは聞き取れなかったですが(距離&絶望的なリスニング能力の問題)結構な熱量のダメ出しを受けているような様子でした。数時間後の本番までによくなるのかなと思いながら見ておりました。
案の定本番までに良くならず。マヤ・パリリオニスがパートナーと組んで踊ると軸が安定しなくなる。回転終わりに支えてもらう振付では軸が曲がりなんとか転ばないようにこらえているようでした。グラグラしているのが見てわかる。転んだり倒れたりすることはなかったのはよかったですが危ないので心配になりました。またパリリオニスの踊りは全体的に硬かった。2024年入団とのことです。まだまだこれからなので頑張って欲しい。パートナーのヤロスラフ・バイボルディンは特に問題なく華麗に飛び回って踊っておりました。
指揮者
『ロミオとジュリエット』に続き指揮者やオーケストラピットがよく見える席に座ったのでときどき指揮者の様子を伺いながら観劇しておりました。
指揮者が舞台上のダンサーを注意深く見ているのだなあと気づきました。特に上で書いたイリューシキナが上手くいかなかったところはずっとイリューシキナを見ていて音楽で助けようとしているようにみえた。また2幕でジゼルが一人でジャンプを繰り返すところもよく見ていた。
バレエは音楽に合わせて踊る印象があったのでオペラ並みの一体感で上演しているのは驚きだった。音楽のテンポや流れを崩さず、でもダンサーが踊りやすいように音楽をそわせることができる人たちなんだろう。その音楽の中で日常的に踊ることができ音楽の使い方を自分で決めることができるので結果永久メイのように音楽を所狭しと使うことができるダンサーが誕生するのでしょう。
その他
1番グッときたのがジゼルが死ぬところです。アルブレヒトが受け止めるのですが腕の中をジゼルが抜け落ちていくところが悲しく虚無感。丁寧に受け止めて寝かせるよりも死んだことがわかりやすい。ちなみにアルブレヒトは全く体力を削らずに踊っておりミルタの方が先に力尽きたと思う。朝が来てよかった。カーテンコールで出てきたときもまだまだ元気有り余っているようでした。
アルブレヒトに対して腕を力強く振りかざすような振り付けのミルタがに大きな殺意を感じた。
バチルド姫がジゼルに対してアルブレヒトは自分の婚約者であると説明する部分では度鼻で笑うような仕草をした後に怖い顔をしながら話していた。高貴なお方でもそれなりに起こるようです。
以上です。
マリインスキー劇場には毎日通いたいですが、今回もサプサン号に乗ってモスクワへ出発です。

劇場正面は次のオペラ仕様になっていた。