2025年12月27日(土)13:00公演
ウクライナ国立バレエ
ジゼル

お世話になっております。
ジゼル大好き芸人の三島でございます。
(でも谷桃子バレエ団のは行かない。チケット買えない。つまり行けない。)
この日はバレエを見に行って参りました。
ウクライナ国立のバレエの来日公演であり、演奏はウクライナ国立歌劇場管弦楽団によるものでした。
オペラも来日公演を行うそうですね。
久しぶりの全幕バレエです。
それでは感想いってみよー。
(以下敬称略。)
ペザントの勝利
ジゼルもアルブレヒトも素敵だったのですが、ペザント・パ・ド・ドゥに配役されていたお二人が大変華やかだった。主役を食べちゃう輝きがありました。このお二人だけではなくダンサーの皆さんがもれなく美しく目が本当に忙しかった。舞台上が隙間なく美だった。
幕が上がるとイスにペザントのお二人(アンナ・イェリセーバ、ダニール・パスチューク)が座っておりジゼルとアルブレヒトが最初から出ている始まりなのか、と一瞬誤解してしまった。主役感ありすぎて恐ろしい。
物語のこの後の展開と比較すると苦しいくらいに仲良しで暖かいお二人の関係がよく伝えわり幸せそうな二人を眺めながらほっこりしたり絶望したりしました。目に見えて対比させることで主役の悲しみを深く伝えるような演出はわかりやすくて良いと思う。ペザントのお二人は身長差があるので手を繋いで踊る部分は若干踊りにくさを感じたが横に立っている分には良い身長差だった。いや身長差はなくても良い。どちらも良い。
振り付け細かくない?ややこしくない?と思って見ていたけれど気のせいでしょうか。ちらつくヌレエフ大先生。女性の膝をついたポジションからの回転やパラレルポジションでのジャンプはなんだかアクロバティックにみえた。イェリセーバの手を横に広げたままの連続回転は驚いた。1幕では大きな技術アピールのような踊りが少ないがペザントが一手に引き受けているようだった。
ジゼルたち
ジゼルには1幕の最後に死んでしまうことが容易に想像できる容姿を求めます。剣を持って反撃しないジゼルが良いです。イローナ・クラフチェンコはちゃんとジゼルの見た目をしており一安心。
1幕のバリエーションはオーケストラ演奏の緊張感がとても良かったです。柔らかい場面ではあるものの大きな見せ場であることが音楽から伝わり張り詰めた空気が集中力を高めてくれる。クラフチェンコの踊りは音楽が余っているように感じてしまうことがありました。
回転している時間が短いことやポーズをキープできる時間が短いと目に見えて技術的に不足しているというよりかは振りと振りの間を上手に使えていないように見えた。柔らかいジゼルの雰囲気はあるけれど足の上げ方やポーズへの入り方が鋭利なのでその辺りが音楽が余っているように感じた原因かと思います。
ハンス(オレクサンドル・ガベルコ)はみんなと仲良しで普通にいいやつな雰囲気が新鮮でした。嫌われいる設定かと思っていた。それ故に自分が摘んできたお花をアルブレヒトが投げちゃうところ見てショックだっただろうなあと同情。
ジゼルがおかしくなっているときに家に入れようと扉を開けてジゼル母に合図したりと頑張る姿に人間味を感じました。2幕の踊りまくる場面でようやくガベルコが踊れる人だと気づく。でも出番は終わり。つまり悲しい。ウィリたちに引きずられて退場していく姿は全然美しくなくおいしいところがないハンスに再び同情。
2幕は全員が淡々と踊っており1幕の楽しかった場面が別世界のように思えた。ミルタ(アナスタシア・シェフチェンコ)は堂々としておりまさに女王。フワフワと踊る中にキレがあり腕の動かし方や首の動かし方がほかのウィリとは違った。格の違いを見せつけてくる。かっこいい。
1幕のウィリの話をする部分は実際にミルタ(だった?)が登場し、ジゼルにだけ見えている設定になっていた。ここのママのマイム好きなのですが視覚的にわかりやすい方がいいよね。それより照明が落ちて真っ暗になったことにびっくりした。何事かと思った。
アルブレヒト(ニキータ・スハルコフ)が花束を持ってお墓をぐるぐるしている様子にお墓の場所を知らない教えてもらえていないことがこの日は直球で悲しかった。他演出より探している感が強かったからだと思いますが。ジゼル母やハンスが持ってきたものよりも大きい花束にジゼルの周りとアルブレヒトの環境に違いを感じた。
踊りより普段はスルーしがちな部分に目が止まったことが多かったのでそれだけ繊細な演出と演技があったのでしょう。スハルコフも2幕まできてから踊れる人であることに気づく。すべての振り付けが余裕そうで倒れなくても踊り続けされそうな体力を見た。
ラストシーン
この演出の特徴はアルブレヒトの死で本編が終わりエピローグのようなかたちで、別世界でのジゼルとアルブレヒトの再会を描きハッピーエンド(?)となっているところでしょう。鐘が鳴ってウィリたちが退場した後、アルブレヒトとジゼルもあっさりお別れするのがちょっと寂しかったのですがエピローグがあることを考えるとここで惜しみないお別れをしてしまうとしつこくなってしまうのであっさりお別れ演出は正解ですね。
個人的に別世界で再会という演出はあまり好きではない。加筆するのが好きではないので。これから先アルブレヒトは何の痛みもなく生きていくんだろうなっていう虚しさまでが美しさだと思っている。でもこのご時世の新演出であるならば死や別れで終わるわけにはいかないこともよくわかる。色々なところを考え切り取りかたちにする、時代に沿った演出というのは興味深いですね。
以上です。
ジゼルは何回見ても飽きない。