2025年4月24日(木)18:30公演
東京文化会館大ホール
上野の森2025バレエホリデイ
眠れる森の美女

お世話になっております。
三島でございます。
この日はバレエを見に上野へ行って参りました。
お久しぶりの東京バレエ団でありお久しぶりの『眠れる森の美女』です。何年振りかわからないくらい劇場では観劇していない作品です。好きなんですけど。バレエ公演は失敗したくないので慎重になってしまいます。
本公演のお目当てはもちろん永久メイさんです。ロシアはサンクトペテルブルク、マリインスキー劇場からの登場です。
現地で観劇するより先に日本で観劇する機会がやって参りました。他日程と恐ろしいほどの差をつけて完売。満員御礼。大入です。他が悪いわけではないのだろうけどここまで差がつくものだとは思っていなかったので無関係ながらちょっと落ち込みます。良い方向に捉えるならみんなが永久メイさんの全幕主演日本公演を待っていたということですね!多くの人の夢が叶ったんだ!めでたい!!!
満員御礼なので劇場内は人が多い。風船がいっぱい飾ってあったりフォトスポットがあったりと華やかで可愛かったです。

それでは感想いってみよー。
(以下基本的に敬称略。)
永久メイについて
「ついて」というか永久メイの感想しかないのですが今漠然と思う感想を一言でまとめるなら「永久メイがバレリーナとして存在する世界に入れて良かった」です。映像では見ていましたが劇場で生で見ることとは全然違いますね。満足すぎて本当は感想はいらないくらいなんだよね。でも弱小感想ブロガーなのでとりあえずポイントで書いておきましょう。
①とにかく軽い
5秒に1回くらい「軽っ!」と心の中でつぶやいていました。一つ一つの動作が軽く重力とは無縁の生活をしているようです。1幕で登場してきてからの初ジャンプは軽すぎて鳥肌が立ちました。良い意味で「今のはなんだ?」という気持ちです。プロローグに登場していた妖精さん御一行よりも軽いのでもう少しでお話が変わってしまうところだった。
舞台上にいた多くのダンサーの一つ一つの振りの重心の矢印が下に向いてるように見えるなか永久は常に引っ張りがあり上下に矢印が向いております。かつピンと張り詰めているので上に上がるときに「よっこいしょ」とならずにぴょんぴょんと飛ぶことができるのでしょう。トゥで立ち自転をする振付もそのふわふわ感に恐ろしさすら覚えてしまう。こちらの頭の中がおかしくなそうでした。もちろん褒めてます。人の軽さにこんなに感動すると思わなかった。
軽く見せる努力をしているのか元々軽く踊れる人なのかはわかりませんが(どっちもでしょうけど)永久の軽い踊りの要因の一つに腕の使い方の上手さがあると思いました。周りの空気を上手に使うなと。空気をぶった斬ることをせず常に空気をまとい柔らかく動かします。腕を今の位置から次の位置に動かすときの柔らかさは映像で見るより異次元だった。ふわふわといってももちろん停止するところは停止しますが時の流れが持続しているようで停止だけど止まっていないのがわかります。
②ストレスゼロ
上で書いた軽さももちろんですがそれと並んですごかったのはどの動きもストレスがなくスムーズに行われていることです。ストレス、テンションがかかることがないのですよ。パッセから足を上げるときも足を後ろにあげたまま状態を倒すときもスーーーと足が上がっていきスーーーと体が倒れるのです。引っ掛かりを超えて足を上げることや力技で押し出すようなことがないです。そして戻ってくるときもそのまま戻ってくるので美しすぎます。
1幕で4番からのピルエットの着地が乱れたのが唯一気になったところですが本当は書くほどのことでもない。逆にそこだけだよって意味で書いておきたい。全幕でその瞬間だけ。それも失敗じゃなくただ乱れただけです。涼しい顔して次に進むから私の見間違いかもしれない。
音楽の使い方は間に合うか心配になってしまうくらいたっぷり使います。最初は「大丈夫か?」と思いながら見てましたがすぐに不要な心配であると気づいたので永久の音楽の使い方を楽しむことにしました。腕の動きが特にそう思った要因です。長い腕を時間いっぱい使います。もはや永久が時間を操っているような感じです。もしくは永久が指揮者なのかもしれない。小柄で可憐で派手さはないのですが一個一個の振付や動作に隙がないので密度が濃い。踊りを極めているなあという感じです。
③サムライの面構え
可憐で可愛いらしい見た目とは裏腹にインタビューを読むと全くふわふわしておらず芯の強さ異国で戦ってきた自信そして頭の良さを感じます。このあたり大好きです。
中身侍(勝手にいっているだけです)な永久ですが本公演でのお芝居はとても可愛く映像より伝わるものがありました。バレエのお芝居要素大事だよねと再確認した。初登場の明るさと王子ズと踊らなきゃいけないことへの疑問をママに投げかける若干嫌そうな困り顔。もらった花束の中から針を見つけてみんなに心配さえているのに新しいおもちゃを見つけたような楽しそうな表情と絶対に渡さないぞといういたずらっこのようなお顔。最後目覚めた直後の「なんで寝てたんだっけ?」とスッとぼけなお顔。全部可愛いのでカレンダーにしましょう。
針を刺してしまいだんたん具合が悪くっていく様子は青ざめていくように見えました。このあたりも腕の動きが上手ですね。体の触り方が具合悪そうに見えるんだわ。
どちらかというと身長高めの鋭い踊りをするバレリーナが好きなので永久は私の好みからは外れます。しかし好みというバイアスをかけずとも納得そして感動させてもらえたことは大変ありがたいですし永久のすごさを改めて感じることができました。数日経ってもまだ夢ごごちです。
欲を言いましょう。マリインスキー劇場のオーケストラ演奏とともに永久の踊りを見たい。
サンクトペテルブルクに行きましょう!!!
その他良かったところ
東京バレエ団には大変申し訳ないのですが永久以外の感想はその他で括らせていただきます。
青い鳥(生方隆之介)が美しかったです。ジャンプして空中で足を集めてくるときの余裕が良い。集めてキープしてから着地するので振付が滑らず見応えがあった。曲が終わったあとすぐにご挨拶に入ってしまうのでそこも同じくキープしてほしい。余韻をくれ。
リラの精を踊った榊優美枝も良かったです。妖精界のボスのいう貫禄を出すのではなくみんなのお母さんのような優しい雰囲気。王子との再会は安心感があった。王子を連れて行ってあげてください。踊りも優雅で当たり前ですが妖精ズの中では一番安定していた。プロローグのリラの精の踊りって本当に神経使わない?見ているだけでも大変なのに(?)踊る方はどうなんでしょうか。曲のテンポ感に対する振付の少なさよ。音楽を上手に使えないと美しくない踊りナンバーワンでしょ。榊は正しく美しく踊っているようで見ていて安心でした。心の平穏をありがとうございます。
王子(宮川新大)は永久ばっかり見ていてまじごめんだけれどジャンプが高くその後きちんと5番に降りてきてくれるので好きです。飛べばいいってものではないのでこれからも美しい着地でお願いいたします。
その他気になったところ
舞台上の空間が気になりましたね。1階席正面から見れば印象が変わりそうですが2階以上だと床が見えすぎてしまう。お城の場面は舞台美術や衣装が大変美しいので逆に寂しさが強調されてしまう。貴族の人員強化をして見える床面積を減らそう。貴族といえば(?)貴族が全然貴族に見えなかった。動きが早すぎる。実際のところ貴族がゆったりまったり動くかどうかは知りませんが貴族感を出したいのであればゆっくり大きく動く必要がありそうです。パパママも同じく貫禄がないのが寂しい。さすがバレエダンサーなので美しいことには変わりないのですがそれだけで終わらないでほしい。
プロローグの妖精ズはこんなにも個性に優れていて短いながら相当にオイシイ場面なのに魅せ方が不十分かなと思いました。個人差はあるものの動作ひとつひとつが流れてしまうことが多くまた音楽が余っているように見えました。早めに足を下ろしているように見えた。3幕で姿を変えて再登場したときはプロローグよりも優雅に踊っているように見えたので初日幕開けの緊張があったのでしょうか。リラの弟子たちの立ったり座ったりポーズを変えたりの動作が美しくないのも気になった。バタバタせず落ち着いて動いてほしい
そしてオーケストラ。正直期待はできなかったし期待しない音楽のレベルさえ超えてくるとも思わなかった。序曲から全体的な音量不足や表現不足があり1幕終幕はスターウォーズを匂わせる謎の宇宙観があった。3幕のオーロラ姫の踊りの弦楽器高音ジャンプはそり立つ壁に片手だけ到達したようなギリギリ感があった。登ってボタンを押す必要があるのですが。そうだろうなと思っていたけれどそうなってほしくはなかったので悲しい。
花のワルツだけ上手に演奏してくれたら100点かなと思いましたがそれすら叶わず舞台上の若いバレリーナの視覚効果も相まって壮大な発表会感。生演奏の公演の価値はわかります。なんだかとてもゴージャスだし団体をあげての公演ならオーケストラさんにお願いしたい気持ちはわかる。しかしこの不安ばかりの演奏ならば録音にして他のところにお金使った方が良くないか?と思いました。
以上です。
永久メイに出会えて良かった。
次はマリインスキー劇場で会いたい。
叶うなら『ジゼル』が良い。ジゼル大好き芸人なので。(とかいいつつ新国は行かなかったし東京バレエ団もいく予定はない。)
楽しかった。
ありがとうございました。
誰か花のワルツで頭から踊らないのはどういう意図があるのか教えてください。