2025年3月1日(土)12:00公演
ボリショイ劇場新館
アドルフ・アダン作曲
ジゼル

お世話になっております。
三島でございます。
この日はバレエを観にボリショイ劇場へ行きました。2日連続でアドルフ・アダン先生の作品です。
演目の『ジゼル』は大好きなバレエ作品の一つで特に1幕の狂乱の場、2幕のアラベスクでの大移動、後収容人数オーバーであろうジゼルの家が好きです。(好き好き言いながら新国は行かないんだけどね。)
全てのチケットを取り終えた後にジゼルの演目が追加され(追加されというか後から気づいたというか)たので次の公演が迫っているなかでの観劇となってしまいました。つまり中座したということです。申し訳ないけれどそれでも観たいと思ったのです。
最後まで見れませんでしたが見れたところまでの感想いってみよー。
(以下敬称略。名前は信憑性に関わるためアルファベット表記です。)
オーケストラさん?
なんか地味にショックなんですよ。オーケストラの上手じゃない感じにショックなんですよ。しかもバレエで、なんて。(オペラの方が妥協できるという不思議。)
序曲からかなりのアップテンポで始まりそのまま進み幕が開く。音楽が早めに演奏されるのは嫌いではないですが意図や面白さが伝わらないと置いて行かれている感があるし何により『ジゼル』が好きなので丁寧にゆっくり味わいたかったです。全体的に音が軽く浮ついており地に足つけた音楽が聞きたかった。
ピッコロの音が目立っておりました。下手で目立っているのではなく上手なので逆に浮いているという感じ。悲しい。1幕のジゼルソロの低音のリズムも謎に目立っておりしっかり聞こえるのはありがたいのですがどの場面でもパートごとのバランスが悪いのが気になった。特に貴族が出ている場面の音楽はとても不安的であれじゃ本当は貴族は登場できない。同じ木管楽器でもオーボエは不安定だった。2幕はちょっとしか見れていないので良くなった可能性はありますが1幕の音楽のつくり方はショックです。
踊り
ジゼルとアルブレヒトはさすがの上手さです。バレエ大国で主役を張れるだけあります。見た目も美しいしこれぞバレリーナという姿です。
ジゼルはか弱く可憐であってほしいし狂乱の場と矛盾のない見た目であってほしいのです。ELIZAVETA KOKOREVAはとても可憐で可愛かった。登場から可愛い。そして軽い。見た目も踊りも素敵で目が大変に満足している。上手で特に書くこともないのですが上で書いた通りオーケストラが微妙だったのに影響を受けることなく普通に上手に踊れるのはすごいなと。
バチルドとの絡みは何故かヒヤヒヤする。何も考えていない(作戦がない)ジゼルと気品溢れるバチルドはどこでバチルドを怒らせるかわからない。振付だし決まりきっているのだけれど舞台上で役柄が確立されていることにより一つ一つのマイムに立体感と緊張感が生まれます。この演出は距離を感じる。まあそもそも仲良しクラブではないしな。
アルブレヒトのDANIIL POTAPTSEVも大変華やかでした。こちらも全体的に安定しておりいうことはない。ジャンプしたときの高さと着地の静かさ(無音ではないけれど)が両立するのはすごいよね。ボリショイ劇場新館で観て改めて思ったけれど東京文化会館って足音響きすぎじゃね?
対してパ・ドゥドゥの男性(DANILA KLIMENKO)はもっと頑張ってほしかった。最後のキメ顔は大変素敵なのですが踊り全体が不安定。ジャンプも危なっかしいし動作が全てフラフラしているように見えた。力一杯頑張って踊っているのはわかるのですが全方向に力が入ってしまい逆に踊りが小さく見えてしまった。最後の方は客席全員が見守っていた。劇場の空気がわかりやすいのが面白い。終わった後は安堵の拍手です。隣の人とハイタッチしたいよね。「あいつ頑張ったね!」って。
この演出は村人と貴族の絡みがなく誰も(ジゼル除く)貴族をお迎えしないしおもてなしもしない。コール・ドの細々としたお芝居(マイム)が好きなのでそれが見れないのは寂しいですが、絡みが少ないことによりより無機質に物語の中で何が見せたいのかがわかりやすかった。楽しい村人生活ではなくジゼルの心情にクローズアップするような感じに仕上がり丁寧につくり上げられたジゼルを理解することができる。
村人の踊りの場面よりも貴族の存在感が強く現時点でも貴族の方々の優雅さが頭に残っている。パパ(EGOR KHROMUSHIN)の見た目が若々しくギラギラしており終始漂う危険な香り。数秒ジゼルと絡むじゃないですか。あれは危険よ。違う話が始まるよ。
狂乱の場はとても静かにことが進む。マリインスキー劇場でみたときも思ったけれどロシアバレエの極限まで排除し残ったものを最大限見せる舞台作りが好きです。(逆にパリ・オペラ座は色々添加してくる。どちらが優れているとかではない。ガニオさんお疲れ様でした。)1幕終幕はアルブレヒトがヒラリオンに向かって「お前のせいじゃ!!!」と言いに行くのが面白かった。まじ誰のせいだよ。幕切れはアルブレヒトがジゼルを抱えて終わる。アルブレヒト逃亡パターンよりも苦しい。あと頭抱えて小さくなっているヒラリオンが面白い。
地獄のアラベスクタイム
全体的に速め速めの音楽でしたが大きな見どころである地獄のアラベスクタイムでさらにテンポアップ。全然地獄感がない。軽快だな。もちろん精霊さんの集まりなので重いのは不正解なのでしょうが流石に軽すぎるし面白くなさすぎる。進む時間と止まっている時間がはっきり見えることが良いところなのに音楽のせいですごい速度で進んじゃうからただの大移動でしかない。
以上です。
地獄のアラベスクタイムを見送ってから劇場を後にしました。
全部見たかったけれどしょうがない。タイミングが悪かった。また会いましょう。
それでは愛おしのオペレッタ劇場へ移動します。(徒歩1分もかからない。)