2025年2月25日(火)19:00公演
ミハイロフスキー劇場
オプリーチニク

お世話になっております。
三島でございます。
この日はサンクトペテルブルクにあるミハイロフスキー劇場にてオペラを聞きに行ってまいりました。早く着きすぎちゃって何周するの?ってくらい劇場の周りをぐるぐるしていました。観劇したのはチャイコフスキー先生のオペラです。なんか久々な気がします。
ミハイロフスキー劇場さんのお手洗いがとても綺麗。そしてお手洗いに置いてあるハンドソープが良い匂いでした。お手洗い綺麗ポイント高いですね。ポイント制ではないんですけれど高得点です。
それでは感想いってみよー。
(以下基本的に敬称略。)
(歌手の名前は信憑性に関わるのでアルファベット表記にしておきます。)
オーケストラの皆様へ
とにかくオーケストラが上手だった。1幕の最初の演奏と4幕の婚礼の場面の前の演奏が特に良い。なんですかこれは。かっこよすぎませんか。幕が開かなくても満足してしまう。私はチャイコフスキー+ティンパニが大好きなのでティンパニから始まるオペラのスタートは最高でしかない。この一音(一撃)で客席を引き込みます。
弦楽器のピチカートが綺麗で感動。そんなに揃うものなんですね。揃うことによって音がより立体的になります。ティンパニを含む打楽器の鋭さがカッコよい。緩やかになめらかに演奏する弦楽器もとても良い。レガートってこういうことかと再認識しました。上品な演奏なのに心をガシガシ揺さぶってくるので大変に楽しいです。
オーケストラの皆様が良く見える席だったのでダイレクトに音楽の良さを味わえた気がします。打楽器の登場箇所が好きです。良いところでトライアングルが登場しタンバリンが鳴る。そしてティンパニが大好きです。
申し訳ないほど真剣に演奏しており(当たり前か)オペラ一公演だけでも多くの人が関わっているんだなあと改めて思った。オーケストラという団体だけれど1人1人奏者がいることを直に感じた。だけれど個々が主張すぎることのないバランスのとれた音楽がひたすら楽しかった。私も敬意を込めて座ってないといけないなと思いました。
指揮者が曲の終わりにニッコニコで挨拶するのが素敵だった。指揮者の雰囲気が良いと安心して座ってられます。怖いのは苦手。閉じた幕に映るオペラのタイトルロゴがこれまたかっこいいです。写真撮りたかったけれど演奏中だからやめておいた。キリル文字は映えです。
かっこいいしかないのですが
どの場面もどの曲も完成度が高く大変満足したのです。でもやっぱり男声低音歌手が場を仕切る場面が1番かっこいいのです。
ヴャズミンスキー公を歌ったのはAlexey TIKHOMIROVです。おそらく新国オネーギンにてグレーミン公爵を歌ったアレクセイ・ティホミーロフ。(ここだけカタカナ入れとこ。)お久しぶりです。まさかの再会。狙ってないです。
声の深みが素敵です。低いと深いは違うのです。だ低いだけだと中身が空っぽになっちゃうから密度濃いめの歌唱で嬉しかった。声の響きの位置は高めかなと思いました。言葉を飲み込まないで歌ってくれるので良いロシア語リスニングになりました。音の高さのせいなのか伸ばすとき癖なのか母音膨らますように歌うときがあります。曲によっては邪魔になりそうだけれどヴャズミンスキー公に関しては存在感が出るような歌い方になっているなと思えて効果的でした。
アンドレイの”Как перед богом, так перед тобой〜”で優しいなめらかなメロディを味わっていたらオーケストラの刺してくるような演奏が始まる。その後のヴャズミンスキー公と合唱の”Во имя господа и страшных сил его〜”で力強さと怖さを味わう。この場面は忙しいすぎて楽しいです。
背が高いことが印象に残っていおりましたがロシア人の中にいるとそこまで大きく見えません。1番背が高かったとは思いますが周りと段差がなかった。
低音の力
合唱もとても上手だった。女声のみの合唱ではアルトパートが良く聞こえる。もちろんソプラノとのバランスを損なわない程度です。アルトパートがしっかり聞こえると音楽に深みが増します。これは同じく男声合唱の低音パートにもいえることですね。
オーケストラがいなくなっても音の厚みが変わらないことに驚いた。教会を思わせるような厳かな部分も婚礼の場面ような華やかな(華やか一辺倒ではないけど)な部分にも対応できる。素晴らしいですね。
お芝居面でいえば最後の婚礼は舞台上は煌びやかですがなんとなく全員の表情が暗い。ジェムチュジニイ公が無理矢理に酒(?)を飲ませれているのが辛い。血糊でびしょ濡れになったり生首出てくるわけでもないのにグロテスクさを感じる終わり方でした。
その他歌手
バスマノフ役を歌ったVadim VOLKOVのビジュアルが良い。中性的なヘアメイクになっておりアンドレイに近づいたり肩に手をかけたりと絡むと危険な香りがする。怪しい色気が爆発しております。プログラムによると「ミハイロフスキー劇場ではこの役を男でも女でもやっているよ!」と書いてあります。見比べてみたいです。
誰のことも思っていなく周りの人々をかき乱し面白がっている感じがだいぶ狂っておりました。もちろん褒めております。ドンと構えているようなヴャズミンスキー公とは違い舞台を動き回るバスマノフは忙しそうだった。高音は軽くスピーディに出るし低音は音色が変わりますが太く強い声が出る。声に統一感が出るともっとかっこよくなると思った。
ナターリャを歌ったValentina FEDENEVAの第一声で「この公演は大丈夫だ。」と思うことができた。高音も安定感があり常に芯のぶれない歌唱だった。男性歌手の強さが印象に残りすぎるので存在感薄れてしまいそうですが儚い感じのお芝居と技量で記憶に残った。
以上です。
めちゃくめちゃくちゃにお金がかかってそうな舞台でもスター歌手勢揃いでもないのに満足度と充実度がすごい。全員が上手だと上手なことを忘れちゃうんだよね。
私は「その国ものはその国の人に」論者なのですが最近揺らいでおりまして。でもここでミハイロフスキー劇場が一つ証明してくれたのでありがたく受け取ります(?)。
日本では王道オペラ連発が多いので(これはこれで大事なんだけれど)これぞロシアに行く意味という演目を見れて良かったです。そして今回の唯一のロシアオペラである。
かっこよく音楽をかっこよく演奏することができる音楽家の皆様本当にありがとうございます。これからよろしくお願い致します。
また絶対に見に行こう!
