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川崎【オペラ演奏会形式】ばらの騎士

2024年12月15日(日)14:00公演

ミューザ川崎シンフォニーホール

ばらの騎士

(銀のばらが置いてある!)

 


お世話なっております。

三島でございます。

 

この日は13日に引き続き東京交響楽団特別公演の『ばらの騎士』を聞きにミューザ川崎まで行って参りました。東京公演も川崎公演も完売ですが空席はちらほらあり。各々事情がありますからそんなものですね。とりあえず完売!おめでとうございます。

 

感想書くの遅くなっちゃったけどいってみよー。

(以下基本的に敬称略。)

 

そりゃ比べるよ

東京公演の感想は走り書きでマイルドに終わらせましたがこちらでは東京・川崎両公演の全体的な感想を素直に書いていきましょう。

 

まず初めに問うておきたいのは「楽しかったのか?」というところです。『サロメ』『エレクトラ』は本当に楽しかったよね。張り詰めた空気と迫力のある音楽がとても気持ちよかった。表題役の歌手2人のレベルが凄まじく高く世界レベルを見せつけられた。勝負してないけれど「これじゃ勝てないわ」と気持ちよく負けを受け入れられる完成度。いや、勝負はしてないのだけれど。

 

じゃあ本公演はどうなのかと。よかったよ。よかった。満足はしている。ところどころ消化不良だけれど。前作と前々作と比べると面白味は少なかった。作品の趣が違いすぎるの比べるのもいかがなものかとは思うけれど枠組みでお届けしてきたのはそちら側なのでそこは比べるわ。ごめん。

 

頑張るオーケストラと頑張って聞く私

メイン歌手は悪くない(歌手の話は後で書きます)。日本人歌手もわちゃわちゃしながらも頑張っていた。オーケストラだって長丁場を頑張った。悪くなない。頑張っている。でも「頑張っている」からでてきてくれない。何回も言うけれど3演目のうち最初2演目が素晴らしかったのでもっと素敵な舞台を見せてくれると思った。悔しい気持ちです。

 

長いんだよ。長いからもっと時間が必要だった。時間というのは多分練習時間のことです。長さだけの話ではないけれどとりあえず長いんだ。もっと練って練って隙間をこれでもかというくらい埋めて密度の濃い隙のないオーケストラになってほしかった。「ここはこういう音楽だからこうやって聞こう。」と何故かこちらが努力しなければならない。安心して座っていたかった。

 

メイン歌手はさすが

まず何よりも引き算上手なお芝居を提供してくれたサー・トーマス・アレンに感謝しなければいけない。オックス男爵をコミカルにしすぎず、ゾフィーの愛らしさを全面に出し、カンカンをケルビーノにしなかったことに感謝です。元帥夫人は立場を感じさせるお芝居がありつつ自分の乱れる心を表面に出したりとバランスが良い。メインキャストと共に大事に大事に役柄や心境を扱ってくれていることがよく伝わった。壮大で華やかな音楽の中にある各々の繊細さ教えてくれて嬉しい。歌手の力量も良くキャラクターの個性がよくわかるが決して音楽を邪魔しない。オックス男爵は元帥夫人に説教されていますいうても「男爵」なわけですよ。遺伝子レベルですよ(?)。ここが考慮されていると嬉しい。

 

ゾフィーを歌ったエルザ・ブノワはとにかく安定しており聞いていて楽だった。一生懸命にドイツ語を捌いていくのでもなく絶叫ギリギリで高音を出すのではない。常に余裕があった。フレーズの流れが整っており難しさを感じさせない歌唱だった。元帥夫人と対面したときの”Ich weiß nicht,was Euer Gnaden meinen mit der Frag”が台本通りが早口なのに早く喋ることに気を取られていない。つまり美しい。ここの不安そうながらも自分を律しているゾフィーが可愛いっす。

 

カンカンが銀のばらを持って現れた後の束の間のお話会での等身大なゾフィーが可愛い(可愛いしか言えない)。二人がしっかりとお話ししているのが良いのです。歌だけど会話してることが認識できた。元帥夫人の前とその他の人の前での差がいいんだよね。カンカンもゾフィーも。演出監修のアレンのおかげでしょうか。

 

カンカンを歌ったカトリオーナ・モリソンも素晴らしい。元帥夫人の前での自由な感じとその他の場面でのキリッとした立ち振る舞いの変化が良い。男爵とゾフィーの間に挟まれている(挟まれてはないか)ときのイライラしている感じが面白かった。薔薇を届けにきたところはジャケットを羽織っているだけなのにとてもかっこよく見えた。男装をしているのではないのにちゃんとカンカンなのよ。ありがとうございます。なので衣装ありバージョンでも見たい。女装カンカンも適度なふざけ具合で面白かった。お着替え場面で楽団のグッズ(Tシャツ)が飛んでくるのも良い。

 

フィナーレは3人の歌唱が安定しているのでとてもいい時間を過ごせた。オックス男爵が退場してからの時間に金払ってるといっても過言ではない。オックス男爵も上手だったけれど。オックス男爵のアルベルト・ペーゼンドルファーはどんなときでも浅くならない発声を持っていた。ただ低いだけでなく深みもありうるさい役なのに声はしっとりと聞かせてくるのでおちゃらけすぎないような仕様だった。声質って大事だね。最低音がオーケストラに負け気味だったのは気になる。それよりもワルツが乗り切らないオーケストラの方が気になった。

 

隙のないフィナーレは最高だった。元帥夫人の言葉が心に刺さる。心に刺さるということはこのフレーズの中に元帥夫人の気持ちを入れることができているということですよ。本当にありがたい。ミア・パーションは東京公演より細さを感じました。もっと堂々としていい気がします。しかしその細さが元帥夫人の悩み憂い葛藤を描くのに役立っていたなと。そもそも元帥夫人を全幕歌えることがすごいのだけれど。

 

まとめ

サロメ』は1回しか行かなくて後悔した。『エレクトラ』は2回行けて嬉しかった。『ばらの騎士』は1回でよかったかな。歌手はよかったのだけれどな。前2作が良すぎたのでハードル上げすぎたよね。ごめん。サントリーホールが最初というのも微妙になってしまう原因な気がしますね。サントリーホールさんはお強いからさ。誰でもそこそこに仕上げてくれる。ミューザさんも素敵だけれどサントリーホールさんまじ偉大。

 

メインキャストは良かった(何回目?)。もう少しだけオーケストラがついていければ。

この不完全燃焼は来年ウィーンから来る音楽家たちが解消してくれるでしょう。

www.nbs.or.jp

以上です。

 

消化不良なので歌いながら年越しします。

12月は全然更新できなったので(ちなみに去年も同じ)来年からまた頑張ります。

 

おしまい。




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