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【リサイタル】オペラストゥディオ(オペラ研修所)サマー・リサイタル 2024

2024年7月25日(木)18:30公演

新国立劇場 小劇場The Pit

令和6年度 新国立劇場

オペラストゥディオ(オペラ研修所)

サマー・リサイタル 2024

お世話になっております。

三島でございます。

 

この日は新国立劇場の小劇場へ行ってまいりました。

小劇場久しぶりすぎて入口忘れていました。

なんなら中劇場だと思って向かっていました。

小劇場はライブハウス味があって好きです。

2回しか行ったことないけれど。

www.nntt.jac.go.jp

隣に中劇場とオペラパレスがあるのだから研修生どいえどもっと大きいところで歌わせてあげればいいのになと思いますよ。我が国の劇場付属の研修所に所属する人たちの公演なのですから。若き才能を大事にしていこう。

 

それでは感想いってみよー。

(以下基本的に敬称略)

 

オペラ作品の名前は発表されていたけれど具体的に「どこを披露します」というお知らせをキャッチできなかったので初見作品は初見のまま行きました。公式で「後で詳細は発表します」って言ってたのにね!

魔笛がピーク

魔笛』(モーツァルト作曲)はパパゲーノが口枷をつけられているところからスタート。全員の発声が安定しておりまたよく動ける人たちの集まりなので見ていて楽しかったです。持論に(論でもないけれど)結局モーツァルトを上手に歌える歌手が一番強いっていうのがありまして。なので新国研修生は強いってことになります。

 

男性陣、タミーノを歌った矢澤遼は声が揺れるけれど無駄に押して歌うテノール歌手が多いなか力に頼らずに素直に歌っている感じは好感が持てました。3月に東京音大の卒業演奏会で聞いているのですがそのときよりも良い印象を持つことができた(しかしこの後崩れる)。パパゲーノの小野田佳祐は声が良いですね。張りのある声が無理なく客席に行き届くの様子は聞いていて気持ち良いです。コミカルな動きも頑張って動いている感じや振付をこなしているように見えることはなかったです。

 

女性陣は上半身発声なのは否めないが丁寧に真面目に歌っているのは良いことです。緊張しているのか遠慮しているのかわからないけれどもっと堂々と歌う姿を見せて見せてもらえると舞台の質が上がりますね。ドイツ語が曖昧になってしまうのはソプラノはしょうがないんだって(?)。モーツァルトモーツァルトとして歌うことができればいいのです。

 

下山

開幕から休憩前までは全てドイツ語での歌唱。魔笛はよかったけれどその後は発声も発音もどんどん崩れていく。

 

2演目目の『伯爵令嬢マリツァ』(カールマン作曲)のタシロを頑張った松浦宗梧は他バリトンと比べるとお持ちの声の良さは欠けるけれどでも恵まれていないわけではない。十分に良い声の持ち主だと思う。しかしそれを全面に使うことができず、高音域は天井が低く狭苦しいところでの発声が続いた。後一段階抜けないかなと思いながら聞いていた。低音域は響きも音も落ちてしまい小劇場だからなんとかなったけれど劇場の規模によっては全く届かないと思う。サントリーホールさんは味方だろうけれど。ドイツ語の発音の粗も一番目立つ。二重子音の間に母音が軽く入ってしまうのが気になった。

 

続いて3演目目は『ウィンザーの陽気な女房たち』(ニコライ作曲)を披露。ここは魔笛では好印象だった矢澤の発声の崩れが気になった。タミーノよりも音楽のラインや息の流れ方を試せれる部分が多かったのですがそのあたりはまだ発展途上なのだろう。ラインがボコボコしてしまい音によって段差ができていた。

 
ばらの騎士はやめておけ

ばらの騎士』(R.シュトラウス作曲)は何やっているのか何歌っているかわからなかった。かろうじて感じるピアノからのシュトラウスの音楽。事前情報がなかったらばらの騎士だということに気づくのに時間がかかりそうだ。

 

強いて良い点をあげるならゾフィーの高音飛ばし大会は大優勝だったことですね。冨永春菜の高音の抜け具合はこの公演では一番だった。高音しか飛んでこないので悪目立ちは否めないが絶叫ではないのでそれほどストレスはない。他2人がモゴモゴしてしたので余計に冨永の声の抜け具合が目立った。高音以外も強さのある声がときどき聞けたのはよかった。しかし全体的に見ると3人で歌っているので重唱をしているのだろうけれど各々が出たり引っ込んだりするのは聞いていて不安だった。声が乗るところは前に出て不得意なところは後ろに下がるような音楽的ではない現実的な強弱。

 

誰が選曲したのかによってはは大きな問題になる。本人たちが失敗覚悟で挑んだなら受け入れるし今後もっと歌えるように頑張ってほしいけれど講師陣が選曲したのなら本人たちをしっかりみて適切な選曲をしてやれよって思う。

 

おチャイコ先生

エウゲニ・オネーギン』(チャイコフスキー作曲)はそりゃそこやりますよねの説教の場面を披露。終幕のタチヤーナとオネーギンのやりとりとか選曲したらおお!と思いますが。

 

チャイコフスキーのオペラ作品をピアノ伴奏で行うとどうしても稽古場感が出てしまう。ピアノだとオーケストラほど音が維持できないので音楽の膨らみが足りずに余っている時間が存在してしまった。研修生の問題ではなく全体的な音楽つくりが寂しい印象を受けた。

 

オネーギンの出だしから最後までアップテンポのインテンポの一本調子で歌うしピアノも一本調子で面白みがない。オネーギンの最初のフレーズКогда бы жизнь домашним кругом〜”はなだらかな丘を描くように歌ってほしいなと思っていますが、中尾奎五の歌い方はラインこそ崩れないものの言葉を強めに歌っている印象を受けた。そこにアップテンポが加わるので説教の圧が強い。そしてどこからか吹くイタリアの風。感情が乗りすぎるというか隠しきれないラテンの血というか。オネーギンにしては過剰な歌い方だなと。これは私の理想オネーギンのと差の問題かもしれない。中尾もお持ちの声が良いので聞けなくはないのですがロシア風でお願いしたい。

 

ロシア語はイオランタチーム(といっても1人)がほぼカタカナだったことと比較するとロシア語っぽい音が聞こえていた気がする。最後の方のオネーギンの”может быть”は押し出しが強かった。

 

女性合唱はソプラノがどこかにいっておりアンバランスな合唱を楽しむことができた。それよりも衣装のラインと舞台上の2本の柱の関係でヘラクレスに見えて仕方なかった。

 

これ↓

youtu.be

 

ロシアオペラ頑張ったけれどそこまで力を入れていない感じがした。特にこの後の英語歌唱が良かったので余計にそう感じた。

 

英語難しくないの?

で、なぜか上手だった英語歌唱。いやもうイタリア語もドイツ語もフランス語もロシア語もやめてしまえと言いたくなるくらい上手だった。全員ネイティブ?研修所の募集要項に書いてある?

 

茅野先生が

 

と仰っており発音にストレスがない分よく聞こえるというのはヘドバンの勢いで納得です。もちろん声の深さは足りておらず焦点が定まらない感じは消えませんが他言語より集まっているように聞こえる。発音って大事なんだなと改めて実感。

 

英語歌唱と他言語歌唱での違いを一番感じたのは『スリー・ディセンバーズ』(ヘギー作曲)の最後のフレーズの処理の仕方です。(歌詞はうろ覚えなので調べて書き足します。)フワッと終わってしまって普段なら芯がないやらコントロールが足りていないやらと思うのですが、この部分に関しては効果的な力の抜き方だと思いました。音楽にあっていたのかな?抜きつつ声を届けることができているのは素晴らしいですね。息の方向が定まっていた。

 

他に上手に聞こえた理由は

①母音の深さを出している時間がいらない

②顔面に当てすぎる発声と合う

③スリー・ディセンバーズは最近の作品なので王道オペラとは発声のスタイルが異なる

という点もありそうです。

 

①はイタリア語やドイツ語に比べて忙しいということです。ドイツ語も忙しいのですが母音の深さが足りないとドイツ語に聞こえないわけですが英語だと多少浅くても流れさえ綺麗であれば聞けちゃうのかもしれません。②はイタリア語の場合顔面に当てすぎると行き当たりばったりの寿命の短い響きになるけれど英語の場合はそれと相性が良い。③は上記2点はどうでもよくなりますが、例えば『メサイア』(ヘンデル作曲・オラトリオ)の場合は同じ英語でのこの公演のような歌い方だと成り立たないのでないかと思ったので時代のせいにしてしまおうというところです。全部想像なので英語歌唱お勉強しておきます。

 

ドイツ語再び

英語歌唱で上手じゃん!と思ったものをきっちり壊してくれたフィナーレ。お馴染みの”Im Feuerstrom der Reben”(『こうもり』J.シュトラウスⅡ世作曲)はピアノの先をよく走っていた。”du“”du”と「u」の母音が何度も出てくるのは酷。たぶん気をつけながら歌っているのだろうけれど。

 

総括

ソプラノが一番競争率が高いはずだから必然的にレベルの高い人が集まると思っておりましたが印象に残るような人はいなかった。冨永の高音の抜け具合とちょっとだけ聞くことができた豊かな中音域は良いです。全面に出してくれると嬉しいしイタリア語で歌っているところを聞いてみたい。男性陣はとりあえず声がいい人を入所させたんだなと。お持ちの声は変えられないから良い声に良い教育をするのが近道なのかもしれない。良い意味でも悪い意味でも男性陣が印象に残った公演でした。

 

新国研修生だけでなく多くの人の課題である浅い発声はあるものの声を届けることを優先したような力技が目立たなかったのは良いところです。力で押しても届かないし喉を疲れさせるだけだし。でも歌った感はあるよね。

 

休憩時間には5月ぶりに茅野先生にお会いできました。嬉しい限り!今回もお話しできて嬉しかったです。この公演の記事も今後のバレエ観劇の記事も楽しみにしております。

sylphes.hatenablog.com

 

秋にもコンサートがあるみたいだから行ってみよー。

 

おしまい。

 

指揮:キャスリーン・ケリー

演技指導・演出:タラ・フェアクロス

ピアノ:石野真穂 髙田絢子

ヴァイオリン:増田加寿子

新国立劇場オペラストゥディオ(オペラ研修所)第25・26・27期生

ソプラノ:大竹悠生

ソプラノ:冨永春菜

テノール永尾渓一郎

ソプラノ:野口真瑚

バリトン:松浦宗梧

 

メゾソプラノ:後藤真菜美

ソプラノ:谷菜々子

バリトン:中尾奎五

ソプラノ:渡邊美沙季

 

ソプラノ:有吉琴美

バリトン:小野田佳祐

ソプラノ:島袋萌香

ソプラノ:牧羽裕子

テノール:矢澤遼




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