2024年7月14日(日)14:00公演
J:COM浦安音楽ホール
コンサートホール

お世話になっております。
三島でございます。
この日はコンサートに行きました。
作家林真理子さんのトークと林真理子さんセレクトのオペラのお歌のコンサートです。歌手はソプラノの小林沙羅さん、テノールの西村悟さん、ピアニストは河野紘子さんでした。林真理子さんのトークのお相手に浦久俊彦さんが出演しました。
トークとお歌のコンサートは結構好きです。そんなに行ったことないですが好きです。トークの内容もガッツリ音楽トークでもいいですし日常会話でもいいですしグタグタ内容なしのトークでもいいです。面白ければなんでもOK。もっと機会が増えればいいなと思います。
トークと林真理子さんに対する感想は書かずお歌のことだけ書いていきます。
お歌の感想の都合上登場する可能性はありますが。
それではいってみよー。
(以下基本的に敬称略)
シャウトが流行っているのか
小林も西村も叫ぶように歌うのが終始気になりました。特に小林にはそのような歌い方をしている印象がなかったので驚きました。先日の新国立劇場のトスカもそうでしたが響きのある声で歌ったり、響きを利用して声を届かせることはもう流行っていなくベルシャウトの時代が来てしまったのかと慄いております。
歌手たちもトーク部分でこのホールの響きの良さの話をしており良く響くホールであることを理解しているようですが客席から聞くとホールの良い響きを利用せず力技で勝負している印象を受けました。声の発生源が常に喉です。喉に力が入っているこがわかりやすい歌唱でした。
良い響きで歌えていると声がどこから出ているかわかりにくくなります。頭から声を出ているような歌唱、体から声が離れているように感じる歌唱があります。今回はそのようなことは一切なかったです。もちろん声は喉から出ているのなにも間違ってはいませんが声楽的な正解は何処へって感じですね。
喉で歌うからか声も硬くなりホールに広がる声も硬くなる。全部硬い。俺の声飛ばし大会をしているのならば結果残せる優秀な選手だと思いますが音楽としては疑問しか残らない。ラ・ボエームの二重唱の最後の高音は絶叫もいいところで袖にはけてから歌うので舞台袖で何が起きているのか心配になる程です。
言語の差
プログラムの曲目は下に入力しておきますが、ほぼイタリア語での歌唱でした。ということは母音を扱う力が試されます。イタリア語は日本語の母音を当てはめやすいのでなんとなく近くに感じますが果てしなく遠い言語なんだなとしんみり思いました。
小林も西村と母音が浅いことが気になりました。喉に力を入れて浅いところで歌っているので発音も同時に浅くなるのは当たり前ですがイタリア語がスルスル流れていってしまうのが寂しかった。西村に関しては単語やフレーズに対する色の付け方は感じられましたが結局力技なので安心して聞けませんでした。
小林はチェコ語でルサルカの有名なお歌(月に寄せる歌)を歌っていましがこちらは母音の短さと同時に子音が悪目立ちしていました。単語の終わりの子音全てに「!」がついているような歌い方です。子音が無駄に立ち母音に伸びと深みがないので音楽の流れの切れ味が凄まじい。この曲は私も大好きで特に音楽の流れの美しさがお気に入りなのですが単語ごともっといえば子音ごとによく切れるので音楽の流れを楽しむことはできませんでした。
アンコールのメリー・ウィドウ・ワルツは日本語での歌唱でした。小林は日本語の扱い方が上手です。イタリア語とチェコ語という明確な比較対象が存在したので余計に上手に聞こえました。母音の運び方が丁寧で音の上に適切に適量の母音が乗っている印象を受けました。ミミやルサルカで感じたつくっているような声の重さがなく自然な声で運ばれる言葉が聞いていて楽でした。日本人なら日本語での歌唱は余裕でしょと思いたいところですが全くそうではないので小林のような歌唱ができる人は貴重です。西村に関しては「u」母音が一回一回違う音色なのが気になった。
結果
このような音楽ファンをメインターゲットにしていない公演に対してどこまで音楽面での納得を求めていいのかは考えても何も起きないのですが勝手に考えたいテーマです。
マリコのファンがマリコのセレクトをマリコと一緒に楽しむことが一番だしその目的は達成された公演でした。ただ、もしマリコのファンがマリコと関係ないところで音楽ファンもしくはオペラファンとして楽しむときに一つの良い思い出となるようなコンサートであってほしいなとも思います。あのときのあの人はとっても上手だったなと良い例として心と耳に残っていてほしいものです。
おしまい。
曲目
プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」より『わたしのお父さん』
ドヴォルザーク:「ルサルカ」より『月に寄せる歌』
プッチーニ:「トスカ」より『星は光りぬ』
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(ピアノソロ)
カタラーニ:「ラ・ワリー」より『さよなら故郷の家よ』
プッチーニ:「トゥーランドット」より『誰も寝てはならぬ』
ヴェルディ:「椿姫」より『乾杯の歌』
レハール:オペラ「メリー・ウィドウ」より『メリー・ウィドウ・ワルツ』(アンコール)
作家:林 真理子
ソプラノ:小林沙羅
テノール:西村悟
ピアノ:河野 紘子
ナビゲーター:浦久 俊彦