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2回目【オペラ】椿姫(2024年新国立劇場)

2024年5月22日(水)14:00公演

新国立劇場オペラパレス

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲

椿姫

お世話になっております。

三島でございます。

 

この日は再び中村ヴィオレッタに会い新国立劇場に行って参りました。

 

約2年前に同じ演出・同じヴィオレッタで公演しているのによく上演しようと思ったなと今更思う。椿姫なら絶対客が入るという自信なのか。実際そうなのだろうけれど。私は中村恵理さんだから観に行くけれど同じ人なら見に行かないという選択をした人もいるだろうし。新国立劇場の挑戦(戦略?)はイマイチ理解できません。ロシアオペラやるって言ってたのにに来シーズンには登場しないし。毎シーズンやるとは言われないけれど。なんなんだ?

 

新国立劇場来年度の演目紹介(公式)↓

www.nntt.jac.go.jp

この日は平日お昼の公演でした。19日は日曜日だったからか若者が目立ちましたが平日昼公演ともなるといつもの新国立劇場という感じで大人が多いです。

 

それでは感想いってみよー。

(以下敬称略)

 

合唱団

19日も思いましたが1幕1場の合唱団の登場の足音と歩き方(走り方)は気になります。2幕2場の女性陣の動きも相変わらず気になります。品がないようにみせたい振付なのでしょう。しかしただ品がない人たちになっている。扇子の使い方、足の踏み方、クネクネした歩き方全てが滑稽です。歌上手なのにもったいないよー。

パパ怖い

今回の椿姫の最大の魅力はジェルモンのヴィオレッタに対する態度でしょう。19日と同じ感想を書くことになりますが気にせず書きます。

 

1幕2場のヴィオレッタとジェルモンの会話の場面でヴィオレッタが”Morrò!”と言う(歌う)ときジェルモンがニヤリとするのです。19日の方が露骨に笑っていましたが22日もやっていたので度合いが変わっただけで表現としての変化はなかったです。歌っているときも終始顎を少し上げて見下すような角度で歌うのが怖い。

 

自分の目的(アルフレードの奪還)のために丁寧に接しながらもじわじわと追い詰めるような歌い方と表情が本当に怖い。死にます!宣言を受けてニヤリとするということは死んでもらっても構わないと思っているのでしょうか。生きなければなりませんと歌っているのに。嘘つくな。

 

最後の方でヴィオレッタが”Conosca il sacrifizio 〜”と歌っているときのジェルモンの相槌が雑すぎる。歌手が適当に歌っているのではなくお芝居としての雑さです。部屋の出口に向かって歩いているところでヴィオレッタが歌い出し渋々足を止める。嫌だけど返事をしてあげているような思いのこもってない相槌。最後もさっさと部屋から出ていってしまう。ドライすぎる。

 

ヴィオレッタという一人の女性の生き様にスポットを当てていることを考えるとどんなにヴィオレッタが頑張っても全く評価してもらえない社会(ジェルモン)の構図が表面に出過ぎていて恐ろしさを感じます。ジェルモンの役作りによって物語の濃さが大きく変わるんだなと実感です。

 

そうすると3幕のジェルモンは改心したのか?となりますが、ヴェールの向こう方にいるので表情が見えにくく判断がつきません。うわべだけの優しいことを言っているのかもしれません。死に際までそんな態度だったら本当に恐ろしい。

 

ヴィオレッタより先にアルフレードが召されてしまったかのように見える。(7枚目)↓

 
 
 
 
 
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ジェルモンを演じているはグスターボ・カスティーリョはこの公演がジェルモンのロールデビューだとか。わからなかった。音楽的に乗り切れない部分はあるものの舞台姿からは余裕を感じますので慣れている役なのかと思ってました。

 

こちらに記載あります。↓

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25日、29日に行かれる方がいればヴィオレッタが”Morró!”と歌っているときは是非ジェルモンの顔を見ていてください。

 

声が小さい問題

客席がらの疑問点の一つに中村とアルフレード役のリッカルド・デッラ・シュッカの声が小さいということがあると思います。

 

声が小さい=下手

 

と取られたら困るので言い訳をしておきましょう。あくまで言い訳です。擁護ではないです。

 

メイン歌手3名の中でカスティーリョは声の小ささが気になりません。力で押して歌っているときもありますがお持ちの声量が大きいのだと思います。なので舞台のどこにいても声が無理なく客席に届きます。

 

中村に対して声が小さいと感じたことはありませんでしたがこの公演では小さく聞こえることは事実です。原因の一つはヴィオレッタの細かい音型を綺麗に歌い切るために声を張れないことでしょう。転がさなければいけないし高音も跳躍も多いので声量に割けない部分があります。もちろん声量が気になることなく転がすことができる歌手もいますが。

 

次の原因は舞台セットです。稼働しますが基本的に大きな鏡と壁で舞台が囲われているので響く空間が通常の舞台空間より狭い。また、音が吸収されているように感じます。ただでさえシビアな響きをする劇場なのにさらにシビアになっています。舞台中央にピアノが置かれており、ピアノを含めた後方位置にいると声が飛ばないので小さく聞こえます。1幕1場のヴィオレッタの見せ場や2幕2場の後半は舞台前方で歌うので声の小ささは気になりません。

 

最後にヴィオレッタに対して劇的な声を求めている可能性があるということです。中村はいわゆるベルカント商法唱法とお別れしない状態で歌っているので物足りなさがあるのかもしれません。声を全方向に飛ばしダイナミックに歌う歌手に慣れていたりそれを望んでいれば中村の声は小さく聞こえてしょうがないと思います。どの歌い方が正解という話ではないです。オペラ歌手としての水準を保ててればいいのです。ダイナミックではないヴィオレッタも楽しめればいいよね。

 

シュッカに関しても似たようなことがおきていると思います。歌唱技術には雑さを感じますが響きは綺麗です。あくまで客席からを考えただけですが以上のような可能性があります。客席が疑問を感じるようなら改善しないといけない気もしますが。

 

本日の中村恵理

全体的な完成度は22日の方が上ですが中村単体だと19日の方がよかったと感じました。

 

先に”Sempre libera”の最高音の話をしておけばいいのでしょうか。出てますが19日同様そこまで質は良くない。抜けるように上げるのではなく緩やかに丘を描くような上げ方でした。この後まだまだ歌うので色々考えながら出しているのだと思いますがあなたもっとできるでしょうと言いたくなる。

 

同じく見せ場の“Addio,del passoto”も気になるところが多いです。全体的に滑らかさがなくボコボコしていました。音ごとに切れ目が発生してしいます。具合の悪い様子を強調したい歌い方なのかなと考えましたがボコボコするのは違いますよね。言葉ものっぺりしてしまいよくわからない状態になっていました。イタリア語が聞き取りづらいわけではありませんが言葉に意味が乗っていないように聞こえました。中村らしからぬ歌い方です。オーケストラも迷子気味です。

 

手紙の読み方も19日の方が滑らかでした。手紙を読んだ後の”È tardi!”とその後の”Attendo, attendo〜”の声に差がないところが中村の良さの一つなのにこの日は声質が変わってしまいました。声質が変わってしまうのが普通だからしょうがない気もするのですがもう少し求めたい。

 

まだ役に入っていけていない部分がありそうです。呪いのように役に入れる人なのでもっと溶け込んで歌っている姿が見たいです。

 

その他気に習ったところ

オーケストラは19日と変わらずにおとなしめ。乾杯の歌の演奏が野暮ったい。華やかな場面に合わないつまらなそうな演奏でした。2幕1場のヴィオレッタとアルフレードのお別れの場面の演奏がこれまた寂しい。一生のお別れ(暫定)の場面なのでもっと悲しみを煽ってほしいです。このオペラのハイライトになるべき場面なのに演奏がのっぺりしすぎる。3幕の出だしは緊張感がほしい。瀕死のヴィオレッタが出てくる感じがほしい。この演奏だと三ヶ月後も生きているから!死に際なの!死ぬの!そこらへんお願いします!

 

カスティーリョは19日より伸びやかに歌うようになりました。2幕1場のジェルモンの有名なのお歌(“Di Provenza il mar, il suol”)の"Ah! il tuo vecchio genitor〜”部分のピアニッシモが素晴らしかったです。これは小声ではないです。響きを保ったまま声を絞ることができています。

 

その後のお家へ帰ろうソングはアルフレードが出かける準備のため舞台からはけているので誰に歌っているのかわからなくて面白い。この歌はリズムに乗れてない感じあり歌が若干ダレる。流れるように歌う方が得意なのかな?上手に歌えているからこそ気になる「e」の硬さと「o」の力み。この辺りが滑らかになるとさらに良いですね。

 

シュッカの素直に歌っている感じは好きです。巷のアルフレードよりもアホっぽいのも好きです。ヴィオレッタに”t’amo”と言われて(歌われて)ニコニコしているお顔が好きです。

 

2幕1場の見せ場のお歌は最後の方は喉が上がってきてしまい何をいっているかわからず。原因は後半部分を力強く歌いすぎたからですね。力強い歌声は聞き応えがあり良かったです。そんな感情を表現して歌えるんだと思いました。一方、そんなに飛ばして大丈夫?と思っていたら大丈夫じゃくがっつり影響受けていました。頑張れ。

 

歌よりもお芝居が上手じゃないことの方が気になります。アルフレード役であれば動きのぎこちなさをアルフレードの幼い感じに変換できる(私はそうしている)のでいいですが、スタイリッシュに動かなければいけない役だと面白くなってしまいそうですね。お札の投げ方が豆まきみたい。

 

シュッカとカスティーリョは2022年の「ラ・ボエーム」(兵庫)で来日しており(行ってない)、指揮者のランツィロッタはこちらも2022年にリセット・オロペサとルカ・サルシのコンサート(こっちは行った)で来日しております。新国立劇場初登場とはいえ最近来日済みなのですね。

 

以上です。

 

この日が折り返しの公演日でした。後2回です。素敵な公演となるよう祈ります。

 

この演出の初演は2015年ですのでそろそろ新演出に変わってしまいそうな気がします。新国立劇場が持っている中で好きな演出の一つなので引退したら寂しい。

 

おしまい。

 

指揮:フランチェスコ・ランツィロッタ

演出・衣裳:ヴァンサン・ブサール

ヴィオレッタ:中村恵理

アルフレード:リッカルド・デッラ・シュッカ

ジェルモン:グスターボ・カスティーリョ

フローラ:杉山由紀

ガストン子爵:金山京介

ドゥフォール男爵:成田博之

ドビニー侯爵:近藤 圭

医師グランヴィル:久保田真澄

アンニーナ:谷口睦美

ジュゼッペ:高嶋康晴

使者:井出壮志朗

フローラの召使:上野裕之

合唱:新国立劇場合唱団

合唱指揮:三澤洋史

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団




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