夕飯用になにか買おうと思って、コンビニに寄った。店内をふらふら眺めるなかで、エビチリを見つけた。
いいじゃん、エビチリ。なんか久しく食べてなかった気がしたし、ちょうど冷凍のご飯もあったはずだし、と思って買った。帰りがてら、ふとエビに対して思いを馳せた。
エビ、嫌いではない。生だけはあんま好きじゃないけど、それ以外は結構食べる。なんなら、魚介類の中ではトップクラスに買っているかもしれない。フライも天ぷらも美味しいし、焼いたのも炒めたのも良い。もちろん、今日買ったエビチリも嫌いじゃない。
ただ、エビを好きというのは憚られる。というのも、僕の妹が常軌を逸したエビ好きだったからだ。誕生日には寿司屋に連れていってもらってひたすらにエビの寿司を食べ、食卓にエビが並べばそのほぼ全てを独占していた。
明らかにエビに対してだけ熱量がバグっていた。母親がエビアレルギーだったので、逆エビアレルギーとかだったんだと思う。
そんな妹を間近で見続けてきたので、あれレベルじゃないとエビを好きとは言えないなと思うようになった。生のエビが好きじゃない時点でその資格はないなと。
そんなことを思いながら家に帰り、冷蔵庫を開けた。冷蔵庫の中には、先週40℃以上の高熱を出して寝込んでいたときに、ネットスーパーで買ったポカリの余りが転がっていた。
そのときだった。エビチリとポカリ、このなんの関係もなさそうな2つの単語が実は強い結び付きを持っていたということが、僕の記憶の奥の奥から駆け上がってきた。
ただ、駆け上がってきたのはそれだけだった。つまり、エビチリとポカリのカップリングがあるよ、という事実だけが思い出された。
それ以外のすべては依然闇の中だ。どういうシチュエーションで、どういう理屈でエビチリとポカリがニコイチになったのか、それがまったく思い出せない。
エビチリを食べるときにポカリを飲むことにあまりシナジーは感じられない。エビチリの隠し味にポカリという話も聞いたことがない。あまりにも両者に接点が無さすぎる。どこに関係性を見出だしたんだろう。
色々検索もしてみたけど、一向にそれらしいものは出てこない。僕の中にしか存在しない概念なんだろうか。そもそも、僕の中に存在なんてしてたんだろうか。