部屋に蜘蛛がいた。
わずか8文字でここまで絶望感のある言葉はなかなかない。
テレビを見ていて、なんの気なしに上の方に視線を向けたらなんかいた。目の錯覚であってくれと思って、目を凝らしたら蜘蛛だった。蜘蛛って漢字でもう怖いのでこの先はクモって書きます。
と、ここまでがほぼ去年のコピペです。
とにかく、2年連続3回目の遭遇だ。最近急速に力をつけてきた甲子園出場校みたいなものだ。今年は優勝を狙えるポジションだ。
そんなことはどうでもよくて、またクモがでた。大体この時期になると出てくる顔馴染みみたいな存在になってきた。だからといって慣れるわけではないし、みかけると悲鳴を上げたくなるのも変わらない。
ただ、今年は違った。一度は見逃すことにした。
怖いとか面倒とかそういう理由ではない。それが大部分ではあったけど、そういう理由ではない。
クモは益虫といわれている。家のなかにいる害虫を食べてくれると。ほぼ毎年のようにこの時期に現れるということは、この時期は家の中に害虫が多いのではないかということだ。
それを駆除してくれるというのなら、一度くらいは見逃そうという気持ちになった。割りと早い段階で、視界からは消えたし、音もしなくなった。僕の前に姿を表さないのであれば、共存だってできる気がした。
最初に見かけたのが先週の木曜日、そこから2日くらいはおっかなびっくり過ごしていた。ドアを開けたら壁に張り付いているんじゃないか、そういう恐怖が拭えなかった。
ただ、いつまで経っても出てこなかった。朝も夜も、明るくても暗くても僕の前に現れることはなかった。もしかしたら、完全に物陰に隠れたのかもしれない。なんなら、出ていったのかもしれない。そう思っていた。
だが、ついさっき床に鎮座しているのを発見した。最初に見つけた場所の隣の部屋だったので、思わず二度見してしまった。
見逃すのは一度だけだ。二度目の慈悲はない。そう固く決意し、一昨日買っておいた凍らせる殺虫剤を手に取った。
そして、およそ2mの距離を5分くらいかけて前進し、吹き掛けた。一度は逃げられたものの、再度噴射して仕留めた。これはすごい。クモ退治用スプレーより速効性がある。
こうして今年も勝利を収めることができた。年々早くなっている気がする。そのうち、流れ作業のようにできる日が来るかもしれない。
いや、もう二度と出てこない方がいいわ。