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ケバブの幻影

少し前に、テレビかなにかでケバブについて話していた。

ケバブはいい。なんといっても存在感のある、あの回転する肉塊がいい。それを削ぎ落として挟むというのもいい。食べる前からエンタメに満ち溢れている。

学生時代は学食にケバブがあったのでちょこちょこ食べていたのだが、最近はめっきり食べていない。久々に食べたいなと思って調べてみたら、どうやら他県に行かないとなさそうだった。

祭とかで屋台が出店することはありそうだったが、常設の店がなかった。その為だけに遠征するほどケバブ熱は上がっていなかったので、まあいいかと思っていた。

 

そして数日前、特に目的もなくスマホをいじっていたところ、たまたまサブウェイの広告が目についた。どうやら期間限定でやっているらしい。

あまりにもご都合主義じゃんと思った。たまたまケバブが食べたいなと思っている時期に、たまたまサブウェイで期間限定でフェアをやっている。あまりにも都合が良すぎる。誰かに仕組まれているんじゃないか。

 

まあそんな陰謀論じみた発想はなくて、「え、やってんじゃんラッキー」くらいにしか思ってなかったわけなんだけど、それはともかくとしてサブウェイに行った。サブウェイも数駅離れたところにしかないんだけど、他県に行くよりはマシ。

何種類かあって、とりあえず基本っぽいメキシカンミートタコスにした。挽き肉の肉肉しさと野菜のシャキシャキ感、スパイシーなソースがマッチしていてとても美味しかった。

 

美味しかった、んだけどなんか違和感があった。最初は挟んでいる生地が普通のパン(サブウェイ的にはブレッド)だったからかなと思ったんだけど、なんか違う。何かを根本的に間違っている。

なんだろうなと思いながら駅までの帰り道を歩いていると、その違和感の正体に気が付いた。

 

ケバブが食べたかったはずなのに、タコスを食べていたのだ。

 

なんでこんな勘違いをしたのかは分からない。冒頭で書いた通り、ケバブの肉は肉塊から削ぎ落としているわけで、挽き肉のはずがない。そもそも、トルコ生まれのケバブにメキシカンという修飾語がつくわけがない。

肉と野菜を生地で挟んだ、スパイシーな異国の食べ物をすべて同一視しているわけではない。ケバブもタコスも何回も食べているし、違いも分かる。

本当によく分からない。「①ケバブを食べたいと思った」→「②サブウェイのタコスの広告を見た」→「③ケバブを食べるためにサブウェイに行った」という流れだと思うんだけど、なんでこうなったのか。

②→③のところで深刻な認識のバグが発生している。それに気が付かないまま完食までしている。

 

 

なんだったんだろう。よく分からないですね。




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