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痔瘻の手術をいたしました(2) 手術と痛み編

前回の記事はこちら
mikoyann.hatenablog.com


さてさて。恐るべき肛門周囲膿瘍になり、切開をしたのが前回のお話。僕の傷口には、ドレーンという管が残置されておりました
人体のバグとしか言えないある肛門陰窩に便が入り、再び膿んだり出血したりしたとしても、このドレーンがすんなり排出してくれる。再びお尻腫れ太郎になることを防いでくれるのです。

前回にも述べましたが、肛門周囲膿瘍は膿が出ると腫れが一気に引きます。本当に今までの苦しみが嘘のように軽くなった気分で過ごした一週間弱。
ついにドレーンを抜くための通院です。*1

痔瘻ですよ」

「先生、これって……」という僕の問いに、いたって簡潔に答えたドクターの言葉がこれ。

痔瘻ですよ。触ればわかります
いやもう、痺れましたね。
一日に何十人もの肛門を見て、そして指を突っ込んできた、肛門外科医のプライドを感じました。本当にすごいお仕事ですよ。

「まあ触ってわかる、っていうことはわりと浅めの痔瘻ですね」
という言葉に救われたのも一瞬。
そう。痔瘻ということは、手術をしなければ完治しないわけです。
まあ、手術をすることに関しては前回述べた通り確固たる意思で決断していたので、トントン拍子に方向が決定。
患部の炎症がきちんと引いてからの手術のほうが絶対に良いとのことで、手術は約2ヶ月後。4月半ばに行うことになりました。

そうと決まれば入院まで、食べて飲んでを存分に楽しまなければ。なんせ手術後、1ヶ月は酒が飲めません*2

平日休みに昼からスーパー銭湯で白魚の唐揚げなんか頼んでみたり

春の味覚のそら豆を魚焼きグリルで焼いて、ビールを流し込んだり

天下に冠たる健康食品である天下一品こってりで健康祈願を行ったり。ところで我が青春の牙城とも言えた神楽坂の天一が閉店して以降、東京でちゃんと美味しい天一を食べれていません。

そうこうしている中で新しい仕事を任されて、色々なストレスから少し体調を悪くしたり。
僕はわりとストレスから下痢になったりする方なので、再びお尻が腫れるのが怖くて仕方ない。それがまたストレッサーになって、という堂々巡り。
……そのせいか、極めて珍しく便秘になる。ええい、厄介な身体だなッ。いやでもねえ、腸の具合とメンタルはリンクしますよ。

入院の日

初日は大腸の内視鏡と、肛門のエコーの検査です。
大腸カメラということは、下剤を飲んで大腸を空っぽにするわけですよ。ご経験のある方も多いでしょう。

1リットルの下剤を、1時間半~2時間かけて飲んでいく。
コップ1杯につき10分。半量の水も忘れずに。
ウィスキーとチェイサーをやっているようだなあ、なんて気分で乗り切ろうとするも、どうしてもこのモビプレップという下剤の風味が手強い。スポーツドリンクにケミカルな梅風味がついているような感じとでも言いましょうか。日常生活で味わうことは絶対にない味。
入院前の打ち合わせの際に「常温か、冷やしておくか、どちらにしますか?」と確認されたので、一も二もなく冷やしておいてもらいました。実は以前にも一度大腸内視鏡をやって、この下剤を飲んだことがあったのです。ぬるいケミカル梅風味を何リットルもやるのはなかなか辛いと思いますよ。

3、4杯目を飲んだあたりから、唐突な便意がやってくる。飲む、飲む、トイレ。飲む、トイレ。
次第に、もう飲んだぶんがそのまま出てくるようになる。こうなると、人間というのは口から肛門まで一本の管で繋がっているんだなあと否応なく強く感じさせられるわけです。
何回目かから流す前に看護師に確認をしてもらい、色が透明になるまで下剤を飲み続ける。
僕は幸い規定量のみで済みましたが、隣の個室からは「下剤もうない?じゃあおかわりですね」などという恐ろしい宣告も漏れ聞こえてきておりました。

この病院の大腸カメラは、鎮静剤を使用するタイプ。
「薬入りますよー」と注射された瞬間、「ズアッ」という感覚で脳に薬が入ってきたのがわかる。うわあ、そういう感じね。
以前の大腸カメラも鎮静剤使用だったのですが、そのときも今回も、検査中に何かベラベラ喋っていたという記憶はあるのです。
でも喋っていた内容を全くといっていいほど覚えていない。自白剤ってこういうやつなんだろうなあ。僕はスパイにはなれそうにありません。
肛門エコーもやった記憶がありますが本当におぼろげ。ミダゾラムってすごいなあ。

検査から帰ると、翌日の手術までもう予定はなし。
「夕食を食べることもできますが、その場合は明日の手術前に浣腸をします」と看護師に言われて、夕食を断ってしまったのです。
せっかくなら本物の浣腸を体験してもよかったのですが、何となく胃腸を本当にカラッポにしてみたかったのですね。慣れない便秘をしてもいたので、腸がリセットされるかもという期待もありました。

結果、空腹に悶えながら寝ることに。

手術の日ですよ

翌朝。絶食。
この日は終日絶食です。前日も絶食でした。晩飯食っておけよ、って話ですよまったく。

看護師が手術の順番を伝えてきます。僕は午後の6番目。夕方の手術となりました。

ただ、術後の痛みは怖い。特に排便時の痛みがどうなるか。
痔瘻の手術では、創部を開放した状態にすることがほとんどのようです。めげない。しょげない。傷縫わない。
……ということは。毎度毎度のウンチが通りすぎていく際*3に、かっ開いた傷口にウンチが擦り付けられていくことになるわけじゃないですか。

ダメでしょ。絶対。

痔瘻根治術の偉大なる先達であるたいぼくちゃんからは「排便が苦痛になるよ!」という励ましのLINEメッセージが届いております。

いやいやいやいや、どうなんの俺のお尻は。
これから切り刻まれて、傷口にウンコを擦り付けられる恐怖の日々がスタートするってわけですか。
え、やだぁ……怖ぁ……

なんてことを考えていると、ついに手術の順番が。もう逃げられないぞ。時間は16時くらいだったでしょうか。
特に麻酔をかけられている訳でもないので、自分の足で歩いて手術室へ。アッパッパみたいな手術着を着せられて、ガラガラと点滴スタンドを連れて行く姿は、もうモロ入院患者そのもの。まあ、入院患者そのものですからね。

痔瘻根治手術でごさいます

よほどのことがない限り、痔の手術は腰椎麻酔で行われると思います。下半身だけに効く麻酔ですね。ということは手術中、意識があるんですよ。

麻酔のときは手術台に横向きに寝て、思いっきり背中を丸めて脚を抱え込みます。
「スーッとしますよ~」と消毒され、「チク~~~ッとしますよ~~~」で針。どうも最初に皮下麻酔で感覚を鈍らせてから、本番の麻酔をしているようです。
腰椎麻酔ってのは「脊髄くも膜下麻酔」といいまして、脊髄に麻酔を注入するんですよ。
わりと長い針をね、刺すんですよ。プッスリと。背骨と背骨の間に。

怖いでしょ。*4

僕はといえば前回の切開の際に経験済みなので、恐怖感もほとんどなし。いやまあ、正直に言って最初は怖かったですよ……

手術自体はうつ伏せになり、お尻を突き出して「く」の字の形になって行われます。「ジャックナイフ位」というそうです。
ビッ!ベッ!と、お尻をガムテープで広げて固定される音が。このあたりまでは「ここを触られてるな~」という感覚があるのですが、すぐに麻酔が効いてくる。腰椎麻酔ってすごいのよ。

しかしまあ、意識がある中で自分の体にメスを入れられているというのは中々不思議な感覚です。
しかも、場所が場所ですからね。今思うと、「恥ずかしい」という感覚は全くと言っていいくらい無かった気がします。まあ、こうやってブログ書いて皆様にお見せしているくらいですからね。

手術中はメガネを外されてしまったので、音ばかり印象にあります。
オルゴール調のBGM、バイタルサインモニターの電子音、鉗子やら何やらが触れ合う「カランッ」という音、「ヂョキヂョキ」とハサミで何やら切っている音、電気メスのジュッ、ジュッという音……
手術中の様子をカメラで見せてくれる病院もあるようですが、どうなんだろう……見たいか、と言われれば僕は見たい方ではあります。*5

「はい、お疲れ様でした」

ということで、痔瘻根治手術が無事終了。詳しい説明は翌日、ということになりました。
麻酔のおかげで下半身が完全に動きませんから、病室まではストレッチャーで移動。おお、見上げた天井が目まぐるしく移り変わっていく。

ストレッチャーがベッドに横付けされ、上半身の力だけでズリズリと移動。このあと3時間は完全安静。寝返りだめ、水分の摂取もだめ。
とはいえ麻酔が効いていますから術部の痛みもなく。スマホでもいじっていればあっという間の3時間でございます。

3時間が過ぎると、寝返りOK、水分OK。でも術後6時間はベッドから動けません。
腰椎麻酔で脊髄に穴を開けていますから、頭を上げたりすると髄液が漏れて頭痛を引き起こすことがあるそうなのですね。
「手術セット」なるものを手術前に病院売店で買わされるのですが、そこには術後に使う丁字帯やら何やらと一緒にストローが入ってる。要はベッドで寝ながら飲めるように、ということなんですね。用意がいいなあ。


「6時間でベッド安静終わるんだけど……消灯時間過ぎちゃうから、翌朝までベッド安静ね」という無慈悲な宣告を看護師から頂戴し、翌朝までの孤独な戦いが始まります。

考えてみたら人生初の手術。そこまで仕事でいろいろ気を張っていたのが緩んだのもあってウトウトしかけていたら……
ハイ、来た。来ました。お待ちかねの……

痛み

腰椎麻酔が切れかかったあたりから、お尻のあたりに感じているものがあるわけです。
「なんか……熱い……?
実際に熱いということはないですから、多分これが術部の痛み。ヒリヒリしている、といえばいいでしょうか。まだ脳がバグっているんですね。

点滴で痛み止め*6を入れてはいるのですが、次第に奥底から痛みがやってくる。
ズン……ズン……
  ドン……ドン……

心臓の脈動、血流と一緒に傷口が騒いでいる感じ。
たいぼくちゃんが「お尻が工事中のビルみたいになっちゃった」って言ってたのはこれか~~~~~~
taiboku.booth.pm
痔瘻根治手術レポ漫画、買おう!!!!

腰椎麻酔が切れてくると、尿意がやってきます。しかしベッドから動けない、ということは……
尿瓶初体験
あの形、すごく考えられているんですね……ちなみに尿瓶にできないと尿道カテーテルですよ、と脅されました。

ところでこの、夜中に尿意で起きたときが今思うと一番痛かったと思います。
ズワァン!!!ジョワァァァン!!!ジャンジャンジャンジャァァァン!!!
と、銅鑼だかシンバルだかをお尻で打ち鳴らされている感じ。お尻が中華街になっちゃったぁ……
youtu.be
脳内でぐるぐると流れ出す京劇。包拯が訴状を読むわ読むわ。

「耐えられなかったら、頓服の痛み止め出しますからね~」と言われていました。
いや~~~~~
どうしようかな~
頼もうかな~~~
と、思っていたら痛み止めの点滴が交換。それでなんとかなりました。

ということで痛いことは確かに痛かったのですが、ただまあ「こんなもんか」という思いが強かったですよ。
事前に想像していたよりも遥かに弱い痛み。だって寝れましたから。

次回からは入院生活編。
寝て起きて、風呂に入って、飯を食って、寝る日々が繰り返されます。
mikoyann.hatenablog.com

……と思っていたのですが、術後のケアの話に終始。入院生活のあれこれは持ち越しです(6/7追記)

*1:自然に抜けちゃう人もままいるそうです

*2:ちなみにこれを書いている時点でまだ飲めていません。キイイ

*3:いけいけうんこちゃん

*4:痛くないので安心してください

*5:普段Youtubeで皮膚科の手術動画とか見てる。粉瘤の摘出とか

*6:確かロピオン静注




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