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痔瘻の手術をいたしました(1)肛門周囲膿瘍の切開編

新しいトンネルが完成して、バイパスが開通する。
そうなったら、あなたはどうだろう。嬉しいだろうか。まあ、基本的には嬉しいだろう。
バイパスのおかげで、隣の市に行きやすくなる。隣町には丸亀製麺もはま寿司も、近所になかったローソンだってある。バイパス沿いに新しいおっきなホームセンターもできた。うちの町の病院とは違って、隣町の大病院の整形外科には月に2回、順天堂だか帝京だかから先生が来てるらしいし。そしてあなたはダイハツ・タントだかスズキ・ソリオだかトヨタ・パッソだかセンパイのお下がりのヤマハ・シグナスだとかを走らせるのだ。

僕はといえば、嬉しくなかった。全く嬉しくなかった。
だってトンネルが完成してバイパスが開通したのが、お尻……肛門のすぐ隣だったから。
言うなれば、お尻の穴が二つある状態。ツインアヌス、いや複数形だからツインアヌセスだろうか。
そんなことに悩むまでもなく、現代医学はこの状態にちゃんと名前をつけている。
痔瘻、と。

お尻腫れ太郎

むかしむかし。我々が、お母ちゃまのお腹の中にいた時代。胎児のころ、肛門ができるときのお話。
お尻の皮膚が陥没し、直腸の粘膜とドッキングしたところが肛門である。そのドッキングの部分はギザギザしていて歯状線というのだが、そこに罠がある。小さな小さな、でも中々の罠だ。
肛門陰窩という、上向きのポケットがそこにある。
……なんで?何をしまうの?ウンチが入るんじゃない……?
まあ、そう。入る。……たまに。
下痢をしたりすると、液状のウンチが勢いよく放出される。その際、そのポケットに入ってしまうことがあるらしい。でも、肛門というのは常にウンチが通るところだから汚れには強い。……普通は。
普通じゃなかったら?……例えば、免疫力が落ちていたら?
その時は、大腸由来の細菌がポケットの中で増える。
それを何とかしようとして、体内の白血球が果敢に戦い、死屍累々となる。
つまり、腫れて、膿む。
この状態を「肛門周囲膿瘍」という。

……は?
人体のバグでは????

ちなみにこの状態になると、当然のことながら痛い
ズキズキジワンジワンと重い痛みを、肛門のすぐ脇に抱えて暮らすことになる。何をしたら痛いとかいうのは特になく、常に痛い。人によっては高熱が出る人もいるらしい。幸いのところ、僕はそこまでに至ったことはない。
この持病と、僕はそれなりに付き合っている。
2年に1度くらい、お尻が腫れるのだ。ジワンジワン、ズキンズキンと重だるい痛みを覚えると、実家の近所の病院へ。総合病院ではあるが、院長がやってる肛門外科がある病院だ。
ただ、今思うと少し不思議なのだが、その病院では毎回抗生物質と鎮痛消炎剤を処方されて終わる。ちなみに、肛門周囲膿瘍に対して飲み薬はまるで効かない。僕については、効いていた感じは一切ない。
だいたい4、5日すると皮膚が破れて、膿がドバッと出てくる。そうすると、本当に嘘のように痛みがなくなる。「"うみ"の苦しみ」とはこういうことだったのか。

という状態に、なった。2月の頭くらいに、肛門近くに違和感を感じるようになっていた。
「あ、またか……」という諦めと、同時に一種の絶望がやってくる。
痔瘻や肛門周囲膿瘍の経験がある方にならわかってもらえると思うのだが、あの痛みは辛い。全てのことが嫌になって、逃げ出したくなる。鬱を連れてくる痛みなのだ。

いずれやってくるであろう痛みから顔を反らし、腫れないように祈る。

が、現実というものは無情である

2月の半ば。本格的に腫れる。ああ、やっぱり。
わかっていたことがついに来た。しょうがない。病院だ。

そしてこの時、その先のことについても覚悟をしていたのだった。
肛門周囲膿瘍が爆発し、膿のバイパスが開通した状態。本来のお尻の穴の横に、もう一本のトンネルができた状態。
そう、これが痔瘻
痔瘻は手術でしか完治しない。漢方薬だの湯治だの、そんなものでは治らない。開通した膿のトンネルを外科的に何とかするしかないのだ。

ただ、手術って、やっぱりなんとなく怖いじゃないですか。そう思ってウダウダして、たまにお尻が腫れる日々を過ごしていたのだった。

ただ、今回は違った。もう嫌なのだった。
腫れの原因を取っ払って、何度も俺を悩ませてくれていた、明確なストレッサーであるこの膿のトンネルから逃れるのだ。

色々調べていると、怖いことが沢山出てくる。
痔瘻は放っておくと、膿のトンネルが枝分かれして出口が複数個できることもある。それに、長い期間放置された痔瘻には癌化の可能性もあるらしい。
……癌かぁ。癌はやだなぁ。

うおお、じゃあもう手術だ。今しなければならない。今やろうすぐやろう。……と、半ばやけくその覚悟が固まってしまった。

そういえば、年始に浅草寺で引いたおみくじは「病気:治るでしょう」と書いてあった*1。これはそういうことか。やはり今、痔瘻を取っ払わなければ。
何より、友人が少し前に痔瘻の手術をした。これが大きい。身近な人間が経験した苦痛なら、なんとなく親近感もわくというものだ。

taiboku.booth.pm

ちなみに、その友人である漫画家のたいぼくちゃんが描いた体験を基にした漫画がこちら。ぜひぜひ読んでください。お尻が腫れてるときのドンヨリした気持ちの澱みの表現、本当にこの通りなんだよ。

そうと決まれば、毎度行ってる実家の近所の病院が薄ボンヤリ信頼できない。あの古い病院で手術をするのは、正直なところ怖い。
それに入院手術となると、だいたい一週間の入院が標準的なようだ。となると、設備がしっかりした病院の方が何かといいだろう。
ということで、近場で痔の手術を得意としてそうな病院を調べる。特に痔瘻の手術経験が多そうなところがいい。そしてなるべく、綺麗そうなところを。

今住んでいるところの近くには、痔の手術に定評のある病院が二つあった。ツインアナルホスピタルズ。
一つは、駅や電車の広告でもよく見かけるA外科肛門医院。ここはもう、痔の専門病院だ。絶対安心、アナルの専門。

もうひとつが、B病院。こちらは総合病院だが、肛門外科がメイン。ウェブサイトの情報が多くて、費用についてもハッキリ載せている。
直線距離なら圧倒的にA病院の方が近いのだが、30分歩くことになる。僕の家も病院の方も、どちらも駅から程よく離れた結果、歩いて30分が最短なのだ。
今後なにかと通院するであろうことを思うと、A病院だと少し億劫だ。B病院だと電車で数駅。とはいえ、ドアtoドアでの時間は30分。で、B病院にしました。
他にも決め手はありまして、ウェブサイトの作りが丁寧だし、病院も新しくてきれいそう。費用についてオープンなのも好印象だし、入院費用の決済はクレジットカード使用可。
すんなりとWebで初診の予約が取れましたしね。気にする人は、アナルホスピタルに電話したりするのも躊躇うでしょう。
入院したら設備についての細々とした不満はありましたが、結果的にはこのチョイスで問題はなかったと思っています。

とにもかくにもお尻が痛いんです

診察は月曜日の午前中。
ホテルのラウンジのようなB病院の待合室で、ソファーに座っているだけでお尻が痛い。診察の順番が来るまで、モゾモゾしながら過ごしました。

僕のお尻を見て、先生の判断は極めて的確。その後、僕のお尻についての主治医になるわけなのですが、ハッキリと色々言ってくれる人なので信頼はできています。

「うん、腫れてるね。じゃあ、切開で膿を出しましょう」
はい来た。この時点でいつもの病院とは違うわけです。もう様子見とかいう段階ではないのだ。

「ただ、腫れてるところが大きい。何度も腫れてるみたいだから、膿の部屋が複数できてるかもしれない」
なんですか。どうなるんですか。

「ここまで腫れてると、局所麻酔だと痛いと思う。なので腰椎麻酔で行います」
おお、はい。

「腰椎麻酔の後は6時間動けないので、今日は入院です」
……はい?はいいいい!?!?


ということで、突然の1泊入院。バッグに色んなものが入っていて助かりました。なんせ印鑑まで入ってたんですから。
この日は朝食を摂っておらず、丸1日以上の絶食を強いられる羽目に。
そのあと本格的な痔瘻の手術のためにここに入院するわけですが、はからずも予行演習と相成りました。


退院後、日暮里おにやんま*2に駆け込んでうどんを手繰る。
あごだし汁の旨味。のど越し素晴らしきうどん。
東京で暮らす人に伝えたいのですが、おにやんまのうどんが食える場所で生活しているか否かで、暮らしの質が大きく変わります。めちゃくちゃ美味いごちそうとしてではなく、普通に美味いうどんが普通の値段で食べれるんですよ。ありがとう、おにやんま。
tabelog.com


切開して膿を出した僕のお尻ですが、ドレーンという膿を出す管が残されました。
そう。ついにトンネル開通。めでたくない。人工的に痔瘻の状態になったわけです。
次の診察でそれを抜き、ついに本番である手術……痔瘻根治手術へと進んでいくことになります。

次回は入院・手術について。切り裂かれるお尻。僕は術後の痛みに耐えることはできるのか……?刮目して待て。
mikoyann.hatenablog.com

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*1:「なんかもう全部オッケー」みたいなすごいおみくじ。ちなみに浅草寺の正月のおみくじは凶が多いと評判

*2:五反田を本店とし、都内各所に店舗を構えるさぬきうどんのお店。調べたらわりと増えてた




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