
送料が1680円と知って、唖然
そろそろお中元の季節が近づいてきた。この時期実家にひとりで住む義姉のミチコさんに送るのは、丸永製菓のずんだ餅のアイスまんじゅうと決まっていた。昨今の物価高もあって、以前は4千円だったが、現在では5千円を超える値段になって仰天した。それでも、ミチコさんの好物だから、まあいいかと一歩譲って送っていた。今年もお約束のように贈ろうと在宅の日を確認しようとしたら、「もう贈らなくていいよ」と言われて拍子抜けした。あんなに好きだったのに、一体全体なにがあったのだろう、と訝しく思わずにはいられない。ミチコさんは先日地元のドン・キホーテに立ち寄ったとき、偶然ずんだ餅アイスを見つけてしまった。なのに、たった2個しか買わなかった。どうしてなのか、そんなに好きならもっといっ買えばいいいいのではないかと問い詰めると、返って来た答えに恐れ入った。「冷凍庫がもう一杯で入らないから、もういい」とのこと。
要するに、ミチコさんからはすでにずんだアイスまんじゅうへの熱い思いは消えていたのだ。恋愛で言えば、相手に対する思いが冷めたのだと私は解釈した。ミチコさんは製造元の丸永製菓に電話を掛けるほど、ずんだアイスまんじゅうに一目ぼれした。だが、4年経った今ではあっけなく熱い思いは消え、燃えカスさえ残ってはいないのだ。冷凍庫の空きスペースがないぐらいのことで、ずんだアイスをお払い箱にするなんてことがあっていいのかと抗議したいところだ。だが、諦めるしかない。相手がもういらないと最後通牒を突き付けて来たのだから、金輪際ずんだアイスの話題は持ちだせなくった。
まあ、愛想を付かされたのなら、こちらもきっぱり諦めるしかない。だが、アイスまんじゅうがダメとなると、いったい何をお中元に送ったらいいのか、さっぱり思いつかない。昨日、朝日新聞の夕刊を見ていたら、「グッとグルメ」と言うコーナーがあって、”おもたせ”と書いてあった。俳優の遠藤憲一さんが、撮影現場に必ず差し入れるのは「The Sun 蔵人」の蔵生と言うお菓子で、共演者に好評だと言う。写真もあって見るからに柔らかそうで、美味しそう」と思わず生唾が出てきた。「しっとりした生サブレでミルクチョコ味とホワイトチョコ味を詰めた大箱を持って行きます」
遠藤さんの奥様は北海道出身ということもあって、蔵生は旭川の銘菓で、「アレ頼む」と言うだけで奥様が用意してくれるそうだ。なるほど、北海道のお菓子は美味しいものが多いが、蔵生は初めて聞く名前のお菓子だ。そうなると、途端に食べたくなり、いや、義姉のミチコさんに送りたくなってムズムズした。記事にはオンラインショップでも販売していると書かれていたので、早速ネットで検索してみた。時計の針はすでに9時を回っていて、早く寝なければならないのに、サイトを見始めたらもう止まらない。買う気満々、贈る気満々で、個人登録までしてしまった。さて、いよいよ買い物という段階になって、3980円の詰め合わせを選択し、会計に進もうとしたら、合計金額を見て目を疑った。合計がなんと6千円に近い金額になっていたからだ。あれ、こんなはずはないのではと、よく内訳を確めてみると、送料が1680円とやけに高い。だいたいが、普通は800円ぐらいのものだろうと高を括っていたら、落とし穴に落ちた気分だ。
そうなると、「注文を確定する」のボタンが押せなくて、暫し固まった。「一万円で送料無料」のフレーズを虚しく眺めるだけだ。いや、私だって何とか1万円分買って、ミチコさんに送りたいと、本気で自分とミチコさんの住所の2か所に送ることも考えた。だが、どう考えても、お菓子の詰め合わせは1万円分も必要ないのだった。詰め合わせの商品のどれを買おうか頭を悩ませるくらいなら、いっそすっぱりと手を引いた方がよさそうだ。何だか良さそうと思いを募らせた割にはあまりにもあっけない幕切れだった。
mikonacolon