
クレカが使えない事態に陥る
ワルシャワではまたもや、公共交通機関の切符を買う際に”クレジットカードが使えない症候群”を発症した。昨年のパリで懲り懲りしたはずなのに、まさかワルシャワで小銭を求めて彷徨うとは思いもしなかった。私の中ではもう二度とポーランドには来ないと決めていたので、自分の手元にある現金を全部使い切ってしまいたかった。なので、飲食店やスーパー等でほとんどを使い切れるだろうと高を括っていた。だが、現実はそう甘くなかった。カフェで現金で払おうとすると、「悪いけど、お釣りがないの」と申しわけなさそうに言われてしまい、しかたなくクレジットカードを出すしかなかった。店員さんは私の現金で払いたいという要望を聞いてくれ、レジにあるお金を数え始めるのだが、どうしてもあとちょっとの小銭が足りないらしい。要するに、ここワルシャワでは電子マネーやカード払いが主流で、驚くほど現金を使う人が少ないのだ。う~ん、ここまでキャシュレス社会だとは、想像できなかった。
特筆すべきは、カフェやスーパーではカードで支払えるのに、どうして公共交通機関の券売機ではダメなのか理解に苦しむ。私は別に、現金でなくても構わないのだ。カードが使えれば問題ないと思うのだが、いかんせん、どうして券売機では通用しないのか。正直言って、ほとほと困り果てた。券売機にはVIZAやMASTERならOKと表示が出ているにも関わらず、カードを所定の場所に差し込んだところで、ランプが付くわけでもなく全く反応しない。やっぱりだめか、と頭を抱えて、小銭を求めて街中を奔走することになった。
そもそも、ワルシャワで観光する予定も何もなかった。私の頭の中では空港行きバスの乗り場がわかればいいとさえ思っていた。なので、ワルシャワで地下鉄やトラムなどの公共交通機関に乗るなんてことは頭の隅にもなかった。駅にほど近いホテルの近辺でのんびり過ごそうと思っていたら、周りにはほとんど店がなくて面食らった。要するに暇を持て余し、しようがないので、トラムにでも乗ってみるかというような不真面目な発想になった。トラムに乗れば、王宮に行けるらしいとの情報を入手した私は、折角ワルシャワまで来たのだから、旅の記念にしようと決めた。
だが、トラムの乗り場に行って、券売機と向かい合ったら、小銭がないと門前払いなのだとようやく気付いた。この時、確かに小銭は多少なりともあった。あるにはあったが、それは空港へ行く日のためにとっておきたかった。4.4ズローティ、日本円にすると、約160円が空港までのバスの料金だった。余談だが、ワルシャワ駅の有料トイレの料金も同じくらいの値段だから、いかにトイレが高いかわかる。これでは、誰だって、皆列に並ぶのを覚悟で駅のショッピングセンターの無料のトイレを利用するだろう。
ワルシャワではバスもトラムも地下鉄もすべて共通のチケットで乗れるので、買うのはどこでも構わない。ただし、場所によっては、カード専用だったりするので、そうななると、反対側や別の場所で小銭を使える券売機を探す羽目になる。正直言って、これほど乗り物の切符を買うのに苦労するなんてことは、日本ではありえない。お金を持っていても、紙幣では使い物にならないと思い知ることになる。あちらこちらを探し回って、ようやく10ズローティ(400円)紙幣が使える券売機を見つけたときは狂喜した。まさに”地獄に仏”だったが、手放しで喜んでもいられない。次は両替を何とかしなければならない。コンビニのような小さな食料品店を見つけて、お菓子を買ったら、小銭はできたが、おつりが20ズローティ紙幣2枚だった。20では使い物にならないので、厚かましいのを承知で、10ズローティにしてくれるよう頼んだ。すると、店員さんが嫌な顔一つせずに、すぐに10ズローティ紙幣2枚を差しだしてくれたのには感謝感激だった。そんな紆余曲折を経て、やっと私はトラムに乗ることができた。この経験は良くも悪くも絶対忘れられない思い出になった。
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