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座ってちゃだめですか

レジで立ちっ放しは日本だけ?

 朝日新聞の読者の投稿コーナー、『声』には毎日様々な意見が寄せられる。その中で、気になったのは、スーパーのレジの仕事をしている方からの訴えだった。その方は東京都墨田区にお住いの63歳の佐藤砂代子さんで、佐藤さんは最近は足が痛くて辛いと嘆いておられた。50代から今の仕事を始めたが、最近では週に一回は整体に通うほどで、足の痛みは無視できない問題となっているらしい。折も折、5月25日に別の方からの投稿で「座ってちゃだめですか」との意見が寄せられた。その投稿を読んで、佐藤さんは「よくぞ、言ってくださった」と、感謝したいくらい有難かった、と書いている。本音を言えば、店にお客さんがいない間だけでも、ほんの少しの間だけでも、椅子に座らせてもらえないだろうか、と佐藤さんは切なる願いを打ち明けている。

 このレジで立ちっぱなしの問題については、私も以前に何度か新聞で読んだことがあった。確か、その時は、「外国では皆座っているのに、どうして日本ではそうなのですか」というような内容の投稿だった。だがそれについて寄せられたある回答は残念ながら、問答無用とも言える、議論の余地なしとも言える代物だった。つまり、日本においてはそれが礼儀とみなされていて、まさかレジで座って、お客さんに応対するなどということはあり得ないと言うことだった。レジは立ってするものという、昔からの根強いステレオタイプとも受け取れる習慣みたいなものは、やはり、いつまでたっても払拭されることはないのだろう。外国ではそうなのかもしれないが、日本ではそれが流儀なのだからという発想で、皆が何かおかしいのではという声を上げなかったら、今後もはてしなく続いて行くことは明かだ。

 それに、毎日のようにお客さんとして利用していると、たいして気にならないのが普通だ。つまり、なぜ、スーパーのレジの人が立ちっぱなしなのだろうなどと疑問に思うことはまずない。なので、そういうものなのだと思って、考えようともせず、たちまち思考停止になって、それでお終いとなる。

 私が初めて、なぜ日本のスーパーのレジの人は立ちっぱなしなのだろうと言う疑問を抱いたのは、イタリアに初めて海外旅行に行った時だった。今から20年以上前で、その時はユーロではなく、まだリラの時代だった。当時は円高で、イタリアの物価は日本の3分の1だった。日本にあるイタリアの銀行で両替したリラだけで十分間に合って、現地で両替する必要がなかったくらいだ。イタリアでスーパーに行って驚いた。なぜかと言うと、レジにいる人が皆椅子に座っていたからだ。すぐに素朴な疑問が湧いてきた。それは、果たして、スーパーのレジは座っていて、ちゃんと仕事ができるものなのだろうかということだった。私の想像では、レジの仕事は座っているよりも、立っている方がやりやすいはずだった。

 ところが、実際はそんな私の貧しい予想をはるかに超えていて、座っていることで困るようなことは何も起こらなかった。それはたぶんあちらのレジでのシステムが日本と大きく異なるからでもある。客はレジに並んで、自分の番が来そうになったら、かごから商品を取り出して、ベルトコンベアーに乗せていく。すると、レジにいる店員は商品を次々と機械にかざしてバーコードを読み取り、客が待っているレーンに流していく。客は目の前に送り込まれた商品を必死で持ってきたエコバッグに詰めていく。会計までに最後まで詰められない時もあるが、心配はいらない。客が詰められる場所はちゃんと確保されているから、焦る必要はない。

 その後訪れた、フランス、オーストリア、スペインでも同様に、レジの人は皆座っていた。それで、私はようやく気付かされた、スーパーのレジで店員さんが立ちっぱなしなのは日本独特の文化なのだということを。ただ、浅薄で自分勝手な私は、その事に対してどうこう言うつもりは全くなかった。そんなのはおかしいなどと、声を上げることなど考えも及ばなかった。

mikonacolon

 




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