
最終回のどんてん返しに唖然
韓国ドラマ『王女ピョンガン』は高句麗の王女ピョンガンとオンヒョプ将軍の息子タルとの運命の物語だ。ドラマは8年前の波瀾の出会いで幕を開けるが、初めは到底最後の結末を予想できなかった。高句麗は新羅と百済に挟まれ、国境を守るため王女は闘いに明け暮れていた。そう、8年前の政変によって、記憶喪失になった王女は刺客になっていた。だが、仲間の中でも刺客としての才能を認められていた王女は、今度は高句麗のために戦う凛々しい王女になっていた。女性ながら、気概に満ちて、誇り高き母のヨン王妃の遺志を引き継いだ王女は、ただひたすら国のために奮闘する。
一方のタルは、出会った頃から、「俺は父上のような立派な将軍になる」と宣言していたが、実は罠にかかったウサギも可哀そうで離してやるほどの優しい性格だった。タルの父であるオンヒョプ将軍は朝鮮にその名を轟かせるほどの名将だったが、息子には剣を教えなかった。その理由は、何百人、何千人もの人を斬った身体からは血の匂いが抜けないからで、息子には自分のような思いをさせたくないからだった。息子には呑気で何も知らない人間でいて欲しいと切に願っていた。
そんなタルが後にオン・ダル将軍と呼ばれるようになるのだから、人の運命はわからないものだ。タルには人を斬るのは無理なように思えたが、それを可能にしたのは、タルを180度変えてしまったのは王女ピョンガンだ。王女の刺客としての名前はカジンだった。タルはカジンに「お前は俺の運命だ」などと宣言し、行動を共にしようとする。果たして、政敵が待ち構える王宮で二人は幸せになれるのか、あるいは王女は民が幸せに暮らせる国を作ることができるのか、毎回見どころが多いドラマだった。
このドラマで痛快なのは王女が元刺客ということもあって、敵をバッタバッタと切り倒してゆく場面だ。ドラマの大半は戦闘場面が続出するが、女だからと言って、戦わない、いや、戦えないというのはもはや何の役にも立たない。王女ピョンガンは勇猛に闘う王女で、戦わなければどうにもならないから戦うだけのことだ。そこには戦争はいけないだの、暴力はいけないだのと言う道理は意味をなさない。そう言う時代なのだから、どうしようもないのだというしかない。当然仲間に死者もでるが、それを乗り越えてタルとカジンは2人の未来を模索する。
自分を育ててくれたばあやが殺されたとき、タルは本来の自分に立ち戻って、子供の頃から住んでいた村に帰ろうとする。「俺はもう闘うのは嫌だ」とカジンに本心を吐露すると、カジンはタルを思いやって同意する。カジンは自分のために、「俺はお前の剣になる」とまで言って自分に従ってくれたタルに感謝しかない。
だが、タルは王女が処刑されると知ると、再び剣を握り、王の命に従って、新羅に奪われた城を取り戻そうと出陣する。そんなタルにカジンは「あなたはなんて馬鹿なの?」と戻ってきたことを非難する。「俺はどうせ馬鹿だよ」と笑って返すタルだが、最終回でそのタルがあっと驚くような決断をする。視聴者は暫し涙にくれた後、最後のどんでん返しに唖然とするだろう。それゆえにこのドラマはとても印象深いものになった。こんなのあるの、こんなことってありなの?と疑問に思うが、一方で、本当にこんなことあったらいいのにと思えてしまう企みなのだった。
最後にこのドラマで王女ピョンガンを演じているキム・スヒョンさんのことだが、この人は何処かで見たことがあった。よく考えてみたら、韓国の時代劇で世者鬢セジャビン、つまり皇太子妃を選ぶときに集められた娘たちの中にキム・ソヒョンさんを見かけたことがあった。たしかあの時は10代前半ぐらいだと思ったが、顔はそのままで美しく成長されていたのだ。彼女は勇敢で気高い王女ピョンガンにふさわしい女優さんだ。
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