
想像だにしない結末に唖然
韓国ドラマ『ペントハウス』を見始めて、6カ月程経っただろうか、昨日ドラマはついに最終回を迎えた。いつものようにビデオの録画を見ていたが、その内容が俄かは信じられず、2度も見返してしまった。シム・スリョンの死から3年経ち、彼女の死の真相が明かされる。彼女は宿敵のチョン・ソジンに金浦の崖から突き落とされて死んだことになっていた。だが、そこには驚くべき秘密が隠されていた。実際にはソジンが彼女を突き落としたのではなく、もみ合ううちに、自ら手を離したのだ。なぜ、彼女は自らを犠牲にしてまで、ソジンを罪に問いたかったのか。それはソジンがどうしようない悪党で、法的に世の中から葬ろうとしても、すぐに刑務所から出て来てしまうからだ。社会復帰すると、性懲りもなく悪事を重ねるからだ。あの時も、金浦の崖に大勢の警察官が駆けつけ、二人の姿を目撃していた。シム・スリョンからしたら、最高のお膳立てができたと言える。彼女が「望むところよ」と不敵な微笑を浮かべると、ソジンは「ええっ?」と怪訝な顔をした。彼女の言っていることが何のことだかわからないようだったが、ソジンは完全に彼女の罠にかかっていた。彼女がソジンの身体を押すようにして、「やめて、何をするの!」と叫ぶと驚きを隠せないようだった。その瞬間、彼女はソジンの手を放し、崖から身を投げた。これがシム・スリョンの死の真相だが、そうまでしなければ、彼女の復讐は成し遂げられなかったと言っても過言ではない。
『ペントハウス』がどんなドラマなのか、予備知識なしで見始めた。ただ何やら面白そうな予感に惹かれて見始めたら、まさに毎回予期せぬ爆弾が仕掛けられていた。ジェットコースターに乗せられたような急展開に、何が何やら理解が付いて行かない。魅力的な登場人物たちに思わず感情移入したものの、次の回ではあっけなく死んでしまうという展開に呆然となった。とにかく、暴力と殺人の場面が多く、刺激が多すぎた。それでも見るのをやめなかったのは、シム・スリョンという聡明で勇敢な女性から目が離せなかったからだ。
彼女もドラマの途中で一度死んでしまうのだが、そこは何でもありの韓国ドラマのことだから、簡単に生き返る。そんなことがと狐につままれたような気にさせられるが、そこはもうお約束のようなもので、またかと気にもしなくなった。このドラマを見て、痛感させられるのは、金持ちはどうしてこうも冷血漢なのだろうかということ。人を人とも思わず、まるで虫けらのように扱って、平気でいられること。自分たち以外は人にあらずとばかりに振る舞う彼らは暴君以外の何ものでもない。特に嘆かわしいのは、彼らの子どもたちも虎の威を借る狐のごとく、冷血で人間の心を持ち合わせていない人間に育っていた。貧乏なのは罪とばかりに寄ってたかって、クラスメイトを徹底的にいたぶって楽しんでいた。「あなたたちは何でも持っているのに、どうして何も持っていない私をいじめるの?」と言う悲痛な訴えにも我関せずという態度の彼ら。彼らのひとりは「俺は貧乏人が生きているのが許せないんだ」と憎しみを込めた目で睨んでくる。
毎回のように、ボストンバッグにぎっしり詰まった韓国のウォン札を見せられるので、今ではもう慣れっこになった。金持ちが性格が悪いことは既に知っていたが、人が目の前で死んだのに平気でいられることに衝撃を受けた。死体は荷物と同じで、できるだけ早く片付けて、何もなかったことにしようと考える。そんな悪徳が蔓延る世界にあって、シム・スリョンは唯一の汚れがない花のような存在だった。なのに、最後の最後で、幸せを手にすることなく、この世を去った。だが、考えてみると、彼女は完璧に自分のミッションを遂行したのだ。
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