
実に厄介で、切実極まりないミッション
前の整形外科で3か月を無駄にしたが、今度のクリニックでようやく関節液を止めることができた。喉から手が出るほど欲しかった結果なのに、まだ信じられないと言うのが正直な思いだ。しかも初診からたった1週間で、いとも簡単に。だが、そう喜んでばかりもいられない。関節液が溜まらなくなっただけのことで、肝心の痛みはちっとも変っていないからだ。ただ、これだけは言える、膝痛治療のスタートラインにやっと立てたのだと。始めの1歩であることは間違いなく、これから焦りは禁物だ。気長に足の痛みと付き合っていくしかない。
だんだんと少しずつに以前の日常に近づくのが今の目標だが、それを可能にしてくれるのが、板付きサポーターだ。これを付けていれば、階段を上るとか、重いものを持つとか以外は、全てできる。3カ月前に課せられた「動いてはいけない」というミッションは取り消された。なのに今でも「できるだけ動きたくない」と思うのは頭ではわかっていても、身体はまだ覚えているからだ。「動いてはいけない」から「もう動いてもいいですよ」と許可されたにも関わらず、私は「歩くと足が痛いから、あまり動きたくない」という反応をしてしまう。どう考えても、外を歩くことなしに、日常生活は送れない。どうしても歩かなければならないのに。
仕方がない、「痛くても歩く」を実践するしかないと腹をくくり、歩いて15分ほどのスーパーに行って返って来る練習を始めた。3か月のブランクは大きく、家に返って来ると青息吐息だ。情けないが、まあ、最初だからこんなものかと自分で自分を慰めるしかない。これからはだんだんと距離を伸ばして、せめて1時間くらいは歩けるようになりたいが、いつのことになるやら。
関節液が溜まらなくなり、驚くほど左足が細くきれいになった。だかそうなったらそうなったで、一つ気になる問題があった。それは歯医者のことで、1月中旬に歩けなくなって以来、3か月もの間行っていない。最初のうちは行けるだろうと楽観的になり予約も入れたが、実際は歩けなくてキャンセルした。実は本歯を入れるタイミングで足を骨折したので、ずうっと仮歯のままだった。いつも毎月お掃除をして貰っていたので、さすがに私の歯茎は腫れていて、いくら何でももう限界なのだと自分でもわかる。だが、問題は私が通っている歯医者が家から遠いことだ。普通の足で歩いて35分かかり、交通手段は地下鉄だけで、階段の昇り降りができない私には利用出来ない。一番有効な手段はタクシーしか浮かばない。
それでも、このまま仮歯のままではいられないので、本歯を入れに歯医者に行く必要がある。今の足では気が進まなくて、目の前のたん瘤のようにずっと気になっていたが、ついに何とかする時が来たのだ。今度の先生から「動いてもいいですよ」というOKが出たからには、四の五の言って駄々をこねている場合ではない。ようやく、足の痛みのせいにして、目をそらしていた厄介なことを直視するところまで追い込まれた。3か月も足が遠退いて、電話もしずらいが、そこは乗り切って、早速予約を入れるしかないか。おそらく今からでは、予約はいつになるかわからないから、歯茎の治療はすぐにやっては貰えないだろうし、遠いので私の今の足では通えない。近所で、歩いて行ける距離にある歯医者を見つけることが先決だ。こう書いてはいるが、新しい歯医者を見つけることは口で言うほど簡単ではない。すぐに見つかるはずもないが、面倒臭いだなんて言っている場合か、今の私の最大のミッションだ。痛い足を引きずり、それでも良さそうな歯医者を探さなければ、私の歯の未来はないと言っていい。
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