
外語大卒なのに、英語が聞き取れない?
昨日のブログで光浦靖子さんのカナダ留学の話を書いたが、今日はとてもそれだけでは言い足りないので、続きを書こうと思う。著書の『ようやくカナダに行きまして』の中で、光浦さんは何度も「英語が全く聞き取れず、涙が出た」と歎いている。だが、第三者にはそれが本当にそうなのか訝しく思えてくるのは私だけなのか。思えば、私も、光浦さんが外大卒!と言うことを知るまでは、「聞き取りは確かに難しいよね」と同情していた。だが、留学前のガイダンスでエイジェントから、「光浦さんは外大卒ですから、すぐに英語に慣れてペラペラになりますよ」と太鼓判を押されていたのである。それなのに、現実は英語がしゃべれないし、英語が全く聞き取れないというジレンマに陥り、相当に悶々として苦しんでいたなんて、夢にも思わなかった。
英語の聞き取りについては、以前精神科医の和田秀樹先生が人生相談で懇切丁寧な回答をしていらっしゃった。大学で英語を学び、語学学校まで出ているのに、英語が聞き取れないと嘆く迷える子羊のような相談者に、「私も留学したのに、テレビドラマの英語が全く聞き取れません」と驚くような現実を吐露されていた。読むのと書くのは努力で何とかなるが、聞き取りとなると、これはもはや努力とか慣れで解決できるものではないとのこと。それでも、知人や友達との会話はなんとか成立するが、それは彼らが自分にわかりやすいように、話してくれるからで、ネイティブ同士で話される英語とは全く別物なのだと。なので、相談者さんはちっとも歎き悲しむ必要はないのだと、それが当たり前だと思えばいいとむしろ励ましておられた。
和田先生の見解は私も薄々感じていたことで、NHKラジオ英会話のパートナーのローザさんとクリスさんの会話が聞き取れたところでそう喜んでもいられない。なぜなら、お二人はリスナーに分かるように聞き取れるように発音してくださっているのだから。たまに海外旅行に行くと、あちこちで他人の会話が耳に入ってくるが、英語なのにさっぱり聞き取れない。昔はすぐにがっかりして、落ち込んでいたが、今では開き直って、まあ、いいかと思えるようになった。嘆いていても何も始まらない。悩んで嫌気がさしたところで、歩みを止めるわけにはいかない。
話は逸れたが、光浦さんはカナダの作家の西加奈子さんという友達がいて、アパートを借りるにも現地の知り合いたちがいて、大船に乗ったつもりでいればよかったはずだった。だが、現実は厳しく、事情があって日本に一時帰国している時に、内検せずに決めてしまった物件は相当に酷いものだった。カナダではそれくらいが普通だと皆は言うが、日本人の光浦さんにはとても許容できるものではなかった。それでも、光浦さんは目も当てられない惨状をなんとかしようと、3日もかけて、隅々まで掃除しヘトヘトになった。普通なら全身から力が抜け落ちて何もしたくないはずなのに、掃除をやる気になるなんて、えらいと感心する。
学生ビザでは働けないので、就労ビザをとるために料理学校へ通うことになるのだが、その学費が恐ろしく高い。2年でなんと450万円!もする。でも躊躇してはいられない、なぜなら無事卒業できたら、3年の就労ビザがもらえるからだ。カナダで就労ビザを取得しやすい職業はナース、保育士、シェフだそうで、光浦さんは英語力を問われないシェフを選んだ。
日本で芸人としてある程度の地位を気づいた光浦さんがどうしてカナダに行くことになったかについては、詳しくは触れられていないのでわからない。だが、光浦さんは当分日本に戻るつもりはなくて、カナダで生きていくと決めている。物価高で日本と比べると厳しい環境なのにも関わらず、それでもカナダに居るのは人に恵まれたからだと推察した。念のために付け加えておくと、光浦さんの50歳という年齢では、永住権を取るのは難しいそうなのだ。そうなのか、この不都合な真実には光浦さんは相当にショックを受けたようだ。
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