
旅行の準備がひと段落した証拠
昨日久しぶりに図書館へ行ってきた。考えてみると、8月31日以来行っていなかった。その時は予約した本もなかったので、受付に行く必要もなく、建物の壁にある時間外返却口に本を入れて帰って来た。とにかく、あの日はやたらと皆が図書館の入口に吸い込まれる光景を目撃した。どうしてこうも今日だけ、皆図書館に集うのかと不思議でならなかった。もちろん、確かな理由など知る由もなく、俄かに湧いた疑問は謎のままだった。
それはさておき、昨日返却日が迫っている本、「地球の歩き方、チェコ・ポーランド・スロヴァキア」を返しに行った。受付まで行ったのは、予約した本、刀根里依さんの「モカと幸せのコーヒー」を借りるためだった。実を言うと、ポーランドのガイドブックはかれこれ2,3か月は借りていて、途中予約が入って泣く泣く返しに行ったこともあった。でも結局3週間以上にわたって私が独占していた。こんなにも長い間、仲良くしていた本を返しに行こうと思ったのは、もうこの辺でお別れしなくてはと思ったからだ。要するに、旅行の出発日が近づき、必要なページはすべてコピーしたと判断したからで、これからはガイドブックに頼らず、自分で何とかしなくてはならない。
そもそも、なぜ図書館に頼らざるを得なくなったかというと、出版社が紙の書籍の発行を中止したからだ。時代に逆行していると受け取られてもしようがないが、紙の情報は大切で、不可欠なものだ。「電子版でご利用ください」と言われても、素直に応じるつもりはない。そもそも普通の書籍なら、いざ知らず、ガイドブックのような膨大な情報をスマホに入れるのにはどれだけの容量が必要になるのだろうか、想像しただけで頭がくらくらする。しかも、私が欲しいのは、全体の3分に1ほどの情報量なのに、到底納得がいかない。ネットの情報によると、”強者”は図書館の本をそのまま海外旅行に持参するのだとか、う~ん、なるほど、その手があったかとも思うが、真似をする勇気などない。
それでも、めでたく図書館のガイドブックを卒業することができて、ホッとしている。私だって、できることなら買って自分だけのものにしてしまいたかったが、それは叶わない。大型書店も2件ほど回ったが、置いていないので、それなら直接注文をと近所の本屋に尋ねると、「少しお待ちください。今調べてみますから」と言われた。だが、レジにあるパソコンをカチャカチャやった後、「この本は出版が中止になってますね」と残念な返事が返ってきた。万事休す、諦めるしかなかった。
こんなふうに書くと、まだ後遺症が残っているかと思われるかも知れないが、その心配はない。どう願っても、無い物は無いのだから、現実を受け入れるしかない。空っぽになった心の隙間を何か別のもので埋めると言うか、気をそらすとかして、忘れるしかない。そのうち、次第に何でもなくなると言うのが理想である。ただ、今回切実に思ったことは、「図書館があってよかった」ということ。図書館サイトのネット予約を利用するまでは、「図書館なんて使えない」だの、「図書館にはロクな本がない」だのと大いに誤解していた。本が書店に無くて「どうしよう!」と困ったときには「図書館があるじゃないか」と勇気を与えてくれた。
図書館の便利さと膨大な書籍の量を知ってしまったからにはその魅力には抗えない。新聞に載っている良さそうな本の情報を見ようものなら、いの一番にサイトで検索する。幸運にもヒットすれば、すぐに予約し、また無かった場合はすぐに諦める、という具合で日々を過ごしている。当然、本屋には寄りつかなくなってしまった。本屋に行くのは月に一度のNHKの語学テキストの発売日のみという体たらくだ。そのせいか、近所の本屋にはもうすぐ閉店するという張り紙が貼ってあった。最初は文房具などがセールになっていたので、おかしいなあと思っていたのだが、そういうことだったのか。そこに有るのが当たり前と思っていたので、勝手な話だが、無くなると思うと胸が痛む。
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