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ジュリアンはマーメイド

男の子でもマーメイドになってもいい

 実をいうと、この本『ジュリアンはマーメイド』の感想を書くにあたって、本の表紙を是非とも載せたいと思った。だが、本の表紙と言えども著作権というものがあり、勝手に使用してはいけないことを最近まで知らなかった。本の表紙だけではない、新聞の記事のコピーであっても無断使用は厳禁で、版元の承諾がいるのだと新聞を読んでいて気付かされた。「記事のコピーが必要な方は、弊社までご連絡をお願いします」と丁寧な文面で書かれてはいるが、要するにお金がかかることは間違いない。以前ある新聞に美しい風景の写真が載っていたので、うっとりして眺めていたら、「この写真をご希望の方はお譲りしますので、ご連絡ください」との文面が付いていた。まさか、タダではないことはわかっている。

 なにせ絵本なのだから、表紙くらい載せたいと思うのは当然のことだが、諦めるしかない。それに以前は著作権法に触れるとは露ほども知らず、平気で表紙を載せていたが、それも知らなかったからできたことだ。絵本の魅力を伝えるのに、写真は重要な役目を果たすが、それが使えないとなると、よほどの筆力が必要で、私などにはお手上げだ。絵が、イラストがとても綺麗と書いたところで、一体どう綺麗なのか、わかるはずもない。言葉だけでは伝えることは困難を極める。

 この絵本の主人公はジュリアンという小さな男の子で、年の頃まだ6,7歳といったところだろうか。そのジュリアンがおばあさんとプールに行った帰りに、電車の中でマーメイドのお姉さんたちと出会う。もちろんマーメイドと言っても本当の人魚ではなくて、コスチュームがマーメイドなだけだ。彼女たちを見つめるジュリアンの目は輝いている。そう、彼はマーメイドが大好きで、自分でも「僕はマーメイドなんだよ」と言っている。この本の絵を描いているのはジェシカ・ラブという人で、彼女の絵は綺麗というより斬新で色彩的センスに溢れている。美しさを超越したユニークさで、読み手の心を鷲掴みにしてしまう魅力に溢れている。

 私などは「マーメイド」と聞いて、ほんとにそうだと勘違いしたほどだ。よく考えてみれば、マーメイドが3人で電車に乗っているわけもないが、本当にそう見えたのだ。不思議に思って、足元を確かめたら、ちゃんと足が付いていたというわけだ。尾ひれの付いたマーメイドの衣装はお姉さんたちによく似あっていた。彼女たちはどうしてこんな格好をして居るのかというと、それにはちゃんと訳があってたが、ジュリアンにはわからない。

 家に帰ってジュリアンは自分でマーメイドになりきる。男の子でもないのに、そんなことをして変な子だなんて思わないで欲しい。ジュリアンは部屋にあるシダ植物と花で冠を作り、レースのカーテンを身体に巻いて、マーメイドに扮してご機嫌だ。シャワーを浴びて出てきたおばあさんは、ジュリアンの格好を見ても何も言わない。「男の子の癖に何をしているの?」だなんてことにはならないところが実に好ましい。ジュリアンはマーメイドが好きだから、マーメイドになり切っているだけなのだから。この絵本の 版元はジェンダーフリーを目標に掲げている出版社だと、絵本を読み終えてから初めて気づいた。

 ジュリアンはおばあさんに連れられて、海辺に向かうがそこではまもなく仮装バレードが始まるようだ。皆が思い思いの格好をして集まって来る。エビやタコ、ホタテ貝、イソギンチャク、ヒラメやタイ等の色とりどりできらびやかな衣装は見ているだけで楽しい。その鮮やかな色彩に著者の抜群の芸術的センスを感じずにはいられない。この絵本『ジュリアンとマーメイド』は一度ならず、何度読み返しても見飽きることはない稀有な絵本だと言っていい。機会があったら、ぜひ手に取って読んで欲しい。

mikonacolon




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