
布団の中はボカボカで仰天
今年の正月は私史上、これまでに経験したことがないくらい極寒だった。いや、今までにも寒く感じることはあるにはあったが、今年は特に寒いのが療養中の身に堪えた。そんな私を気遣って、義姉にミチコさんが寝る前に布団乾燥機で布団をあっためてくれた。布団の足元や、真ん中、胸の辺りなど3カ所を布団乾燥機のホースを入れてしばらくそのままにしておくと、布団に入った時に、まるで別世界が出現する。布団の中はぼこぼこで、まさに楽園で、ひとたび布団に潜り込んだら、朝になってもはや出たくなくなる。できればそのままずうっと楽園に住みたい気分になってしまうのだから、危険な麻薬のようだ。
実を言うと、以前から布団乾燥機のことは何回か耳にしていたが、ミチコさんがやったような使い方があるとは夢にも思わなかった。そもそも布団乾燥機とは、布団を乾燥させるもの、つまり、人の汗や湿気を除去するものとの認識しかなかった。まさか、布団を温めるだなんて、そんな素晴らしい機能があることなどすっかり忘れていた。それだからこそ、「布団乾燥機、恐るべし」と大いに感動せざるを得なかった。寝る前に布団を温めてくれるもの、要するに、湯たんぽとか、あんかとかのように使えるのだ。
電気を使うのを最小限にして生活している稲垣えみ子さんが、暖房の代わりに湯たんぽを使っているのを思い出した。実を言うと、私は湯たんぽとか、あんかとかがあまり好きではない。なぜなら、子ども頃、朝起きると、必ず足に火傷をしていたからだ。朝起きると、なにやら足が重く感じた。どれどれと足を出して見ると、10円玉サイズの透明な水ぶくれができていて、「ああ、またか!」と溜息がでた。もちろん、湯たんぽは足に直接触れないように厚い布で包んであるのだが、布団の中で揉まれると、ついつい湯たんぽが顔を出してしまうらしい。10円玉サイズの水ぶくれが治ると、またすぐに次の水ぶくれができて、冬の間は腐れ縁の悪友のように私に付き纏った。なので、電気代の節約になるからと、昨今は優れものとして呼び名が高い湯たんぽをわざわざ買ってまでして使おうとは思わない。かと言って、電気毛布もあまり好きではない。あの電気特有のなんだか気持ち悪い暖かさにどうしてもなれることができないのだ。なので、家では私はいつも羽毛布団にくるまって寝ている。自然な温かさが心地良くて、ぐっすり眠れるからだ。
厳しい寒さにこんなにも戸惑うのは、足を怪我して、痛みがずうっと続いているせいなのかどうかはわからない。足の痛みのせいで、寒さなどどこ吹く風だと思っていたら、落とし穴に嵌った気分だ。考えてみると、4カ月前のお盆の頃と、新年を迎えた今とを比べてみると、足の痛みはたいして変わっていない気がする。だが、レントゲンの画像では明らかに前より良くなっていると病院の先生に太鼓判を押された。以前は3週間に一度クリニックに行っていたが、12月からは1か月後でいいですよと先生からお許しが出た。良くなっていると言われても、なんとも複雑な気分で全然喜べない。プールに1週間ぶりに行ったら、やはり足元が心許ない。足が思うように前に進んでいかない。最近は痺れではなくて、本物の筋肉痛の方が酷くて、往生する。少し前かがみになっただけで、元に戻すのが大変な時がある。左半身が以前は腰が痛かったが、今は肩まで痛みが及んでいるらしく、がちがちになってどうにもならない。左半身がまるでロボットのような動きしかできなくて、とても自分の身体とは思えない。腰痛と肩こりという症状が追加して、私の療養生活は想像もつかないような様相を帯びて来た。これからどうなるかは”神のみぞ知る”と言ったところか。
mikonacolon