今週のお題「最近捨てたもの」

捨てて、過去から脱出
足を怪我して、曲がりなりにも3か月信じて通っていた整形外科の診察券を捨てた。そこはまずは予約を取るシステムらしく、早朝から大勢の人が行列を作っていた。毎朝散歩の途中でそんな光景を目撃していた私は、「ここなら良さそうだ」とついつい思ってしまった。もちろんその時は私は何も足には問題を抱えてはいなかった。それどころか、行列に並んでいる人とは別の世界の人間だとさえ思っていた。もし何かあれば、ここの整形外科にでも行ってみたらどうだろうか、などと吞気なことを考えていた。そう遠くない未来に、行列に並んでいる人たちの”仲間”になるだろうなんてことは夢にも思わなかった。
なので、ある日突然歩けなくなった時、真っ先にその整形外科に行った。そこの病院なら、絶対私の足を直してくれるのだと信じていたから。初診の時、半月板の横の部分に挫傷があると言われ、骨がくっ付くまでに3カ月はかかると診断された。骨と言うのは、時が経てば、自然とくっ付くものだと知らされて仰天した。そのために私ができる唯一のことは、なんと安静にして動かないでいることだった。何だ、そんなことくらいなら容易いと一瞬思った私は何とも愚かだった。3か月もの間、安静にする生活を強いられた今なら、物凄く辛いことなのだと声を大にして言える。それに、半月板の挫傷を治す前に、まずは関節液が溜まるのを止めなければならなかった。「普通は1週間もすれば大丈夫、すぐに止まります」との先生の言葉を真に受けて、言うとおりにしていても、さっぱり止まらなかった。となると、私のやり方が悪いのだとばかりに、毎回整形外科に行く度に怒られた。このままでは人工関節になりますよと脅された。こんな状態が3か月も続くとはいったい誰が想像できただろう。でも、その頃の私には何もできなかった。私のやり方が悪いのだと自分を責めていたからだ。
だが、3か月経って再びMRIを撮ってみたら、最初の画像よりも悪くなっていると聞かされて衝撃を受けた。おまけに、また3カ月後にMRIを撮りましょうなどと言われて、開いた口が塞がらない。もう、ここには金輪際来ない、そう強く思った。もちろん、長年通っている患者さんはいることは確かだが、私には先生の治療方針が合わなかっただけのことだ。その事を3か月の間に気づけばいいものを気づけずに、大切な時間を無駄にした。無駄にしたのは時間だけではない。日常生活を送るために必要な体力も気力も失っていた。週3回の整形外科への通院以外は外出しなかったツケは今の私を容赦なく襲っている。歩こうとすると痛いが、歩かなかったら、寝たきりの未来が待っているから、痛くても歩くしかない。
とにもかくにも、病院選びは難しい。もしも、私がそこの病院に頼り切らずに、別の病院にでも行っていたら、おそらく私は3か月もの貴重な時間を無駄にせずに済んだだろう。そう断言できるのは、現在通っている病院が整形外科が専門ではなく、外科も内科も診てくれる小さな町のクリニックだからだ。実を言うと、最初の頃、そのクリニックに整形外科の帰りに立ち寄ったことがあったのだが、残念ながらもう診療時間を過ぎていた。今から思うと、あの時そこで診てもらっていたら、私の運命は変わっていたはずだ。今回の教訓は、インフォームドコンセントとよく言われるように、できるだけ多くの病院で診てもらうことだが、それは口で言うよりはるかに難しい。それを阻むものは、どこの病院がいいのだかさっぱり情報がないものだから、動きたくても動けないことだ。知り合いの話では、足のトラブルは整形外科で治った試しは無いとのこと。整形外科に行くのは骨折の時だけにしておいた方がいいらしい。
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