以下の内容はhttps://mikonacolon.hatenablog.com/entry/department-basement-comeより取得しました。


デパ地下に行きますか?

まるでパラダイスのような空間

 先日の朝日新聞の土曜版Beのアンケートのお題は「デパ地下にいきますか?」だった。結果は61%の人がYESで、残りの31%がNOだった。やはり、皆でデパ地下が大好きなようで、その理由の筆頭に挙げられるのは、「美味しいものがある」とか「有名、話題の品が買える」といったことだった。中には「見るだけで楽しい」と言った控えめな意見もあったが、人は見るだけでは満足しない。洋服を眺めるがごとく、食べ物をウインドーショッピングするだなんてことは、私にはできそうもない。おそらく、デパ地下にいったら、日頃の鬱憤が溢れんばかりに噴出し、何でもかんでも財布が許す限り買い込んでしまうに違いない。

 そんなことを想像できるのは、私の居住環境にはデパートがなく、また私自身が都心にあまり近づかない生活を送っているからだ。そう、今の私にとってデパ地下は、過去のものであり、現在では、無縁のものだった。かつてはあんなに熱っぽく追い求めたのに、今では燃えかすすら残っていない。一体全体どうしてあんなにも燃え上がった情熱は一気に醒めてしまったのだろう。私にもわからない。わからないが、寂しさはかけらもないので、ノスタルジーに苦しめられることもない。

 デパ地下はグルメの宝庫で、あそこに行けば絶対美味しいものに出会えた。何しろ勇名店がズラリと並んでいるので、より取り見取りで迷ってしまう、そこがまた贅沢で何とも言えない気分に浸れるのがいい。月に何回か定期的に行くのが当時の生きるための楽しみだった。デパ地下と言えば、すぐに思い出すのが、メロンパンだ。メロンパンと言っても、どこにでもある普通のではなく、フルーツメロンパンだ。メロンパンの中にイチゴやメロンやマンゴなどのクリームが入っていて、かぶりつくと、クリームが飛びだしてくる。そのクリームが飛び切り美味しくて、病みつきになった。実を言うと、私は普通のメロンパンはあまり好きではないが、中にクリームが入っているデパ地下のフルーツメロンパンは特別だった。その頃はコンビニでも同じようなメロンパンを発売していたが、あのクオリティーと味を真似することは不可能だった。あんなに好きだったのに、気が付くとすっかりメロンパンのことを忘れていた。おそらく、メロンパン以外に気になるターゲットを見つけたのだろう、人の心は、いや、特に私の心は移ろいやすい。

 次に夢中になったのは、ラスクで、群馬県あたりに本社がある会社の製品だった。デパ地下に行き、人込みをかき分けながらお目当ての店をめざすと、そこにはお約束のように長蛇の列ができていた。もう買うものは決めているので、おとなしく静かに本でも読みながら待ったものだ。砂糖がこれでもかとまぶしてあるシュガーラスクとホワイトチョコレートが掛かったラスクが大好きだった。銀色のパッケージに入ったラスクは、帰省の時の手土産に持って行くと、とても喜ばれた。でも、日常的に食べるには、少し贅沢かなあとも思っていたことも確かで、それに、これが当たり前になったら、ラスクに飽きるのも早い、つまり、遅かれ早かれ飽きてしまうのではとの懸念もあった。これは何にでも飽きっぽい性格の私に限るのかもしれないが、美味しいものは毎日のように食べていたらダメで、ほんのたまに味合うのがいいのだと思えてくる。美味しいものに慣れてしまったら、飽きてしまったら、もはや本当の意味で美味しいと思えるものがなくなるのではないかと危機感さえ抱いた。なので、だんだんと私はラスクから距離を置くようになった。デパ地下に寄るのを控えるようになったが、また本当に食べたくなったらその時は迷うことなく行けばいいと暢気に構えていた。そうしたらどうだろう、いつの間にかラスクのことなど忘れていたのだから、どうなっているのか、不思議としか言いようがない。

mikonacolon

 




以上の内容はhttps://mikonacolon.hatenablog.com/entry/department-basement-comeより取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14