
それ以来、猫が大好きに・・・
私は犬も猫も大好きですが、昔は猫があまり好きではありませんでした。なぜかと言うと、小さい頃の私にとって、猫は悪さをする、迷惑千万の動物でしかなかったからです。要するに、昔の家はどこからでも侵入できるくらい、隙間があって、ちょうど野良猫が入るのには都合がよかったのです。私の村では犬を飼っている家はあっても、猫を飼っている家は見あたりませんでした。それで、猫と言えば、野良猫、つまり泥棒猫に間違いありませんでした。実際に、台所のテーブルにだしておいたさんまを取られたり、何か食べ物を盗まれたりするのはしょっちゅうでした。猫の動きは素早く、捕まえようとするのですが、いつも逃げられてしまいます。まさに、マンガのサザエさんのオープニングの歌に出てくるような、「お魚くわえたドラ猫を追っかけて・・・」の状況です。敵(泥棒猫)も生きていくのに必死ですから、戦々恐々、こちらの隙を狙ってはまんまと成功を収めて帰っていきます。
そんなふうですから、猫が憎らしく、いつの間にか”宿敵”とも言えるような存在になってしまいました。考えてみれば、猫が好き好んで、そんな泥棒猫になっているわけはないのですが。後になって、猫の可愛らしさを思い知ることになるのですが、その頃は頑なに”猫”という存在を拒否していたのだと思います。どうしても、猫の悪いイメージが染みついていたので、可愛がる対象は犬になります。兄がどこからか子犬をもらってきてくれたので、家で飼うようになりました。その頃の私の頭の中は犬でいっぱいで、猫のことなど考える余地はありませんでした。
でも、兄が結婚をして、義姉のミチコさんが家に来た頃から変って来たんです。ある日、ミチコさんは実家から、一匹の猫を連れてきました。昔からミチコさんの家では猫を飼っていて、猫が増え過ぎたと言うので、仕方なく一匹連れて来たと言うのです。それも、仔猫ではなくて、雌の親猫でした。その猫がまた美しい猫で、私は一目で魅せられてしまいました。フジという柄の白と黒の猫でしたが、鼻がピンクで、目がきらりと光っていました。何匹も子供を産んでいる、人間で言うと、”熟女”に相当するのですが、毛並みがつややかで、美しかった。ミチコさんはチーコと呼んでいましたが、私はチーちゃんと名づけて、いつも抱っこしていました。身体は少し太めなのに、それでいて美しいチーコ姐さんは、普通の雌猫ではありませんでした。
あの日、チーちゃんが家に来てから、次々と仔猫が生まれて、いつしか我が家は猫屋敷と呼ばれるようになりました。それで、ようやくわかったのですが、普通雌猫は家に居ついて、家の外を放浪すると言うことはありません。一方の雄猫はいつのまにか家からいなくなってしまいます。でもチーコ姐さんだけは定期的に出張を繰り返していたんです。しばらく家に帰ってこないなあと思っていたら、突然帰って来るんです。ある時などは、おそらくあちこちの草むらを飛び回っていたのでしょう、耳と耳の間にこんもりと枯草の小山を作って現れました。そのユーモラスな格好に私たちは爆笑してしまいました。よく見ると、美しい顔のあちこちに小さなひっかき傷がついていて、戦闘の激しさを彷彿とさせています。ただ、決まって出張の後はお腹が大きくなって、チーコ姐さんは母親になりました。子育てが一段落すると、また外に出ていくと言うアグレッスィブな生き方を実践していた稀有な猫でした。
mikonacolon
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